トランプ関税発表で株価急落 日本・韓国に25%課税、台湾も警戒高まる

2025-07-08 14:05
米国のトランプ大統領は、8月1日から日本と韓国からの輸入品に25%の関税を課すと発表した。(AP通信)
目次

台湾時間8日(火)午前0時ごろ、アメリカのトランプ大統領は、8月1日より日本と韓国からの輸入品に対して25%の追加関税を課すと発表した。これは、トランプ政権が最近相次いで通告している制裁措置の中でも、最初に具体化した例である。この発表を受け、米国株式市場は急落し、日経225先物や台湾加權指数夜間取引も一転して下落に転じた。

本稿執筆時点で、台湾が受ける関税の具体的な内容は明らかになっていない。ただし、今回トランプ氏が日本に課すとした税率は、4月の「解放日」に発表された24%を上回るものであり、韓国に対しても25%の税率がそのまま維持されている。これは、いわゆる「猶予期間」における米韓・米日間の通商交渉が難航していることを示しており、市場では交渉の行方に対する悲観的な見方が広がっている。

画像提供:証券会社ソフトウェア
画像提供:証券会社ソフトウェア

トランプ大統領:「企業がアメリカに工場を設立すれば、関連製品は無関税に」

​トランプ氏が日本の石破茂首相と韓国の李在明大統領に送った書簡は、国名と氏名を除けば内容にほとんど違いはなかった。書簡では、2025年8月1日より、日本および韓国から米国に輸出されるすべての製品に対し、産業別の特別関税を除き一律で25%の関税を課す方針を明記。さらに、高関税を回避する目的で第三国経由で輸出された貨物については、より高い税率で追徴課税を行うと警告した。

トランプ氏はまた、25%という税率は、日韓両国との貿易赤字を是正するには依然として不十分であると指摘。両国企業が米国内に生産拠点を設けた場合、その製品には関税を免除する方針も示した上で、「必要な承認手続きは数週間以内に迅速かつ専門的に、通常の手順で進める」と強調した。

トランプ大統領、報復措置を許さず、さらに同等税率を課す可能性を示唆

またトランプ氏は、日本または韓国が報復的な関税措置を講じた場合、その規模にかかわらず、現在の25%に加えて同率の関税を上乗せすると警告した。「ご理解いただきたい。これらの関税は、長年にわたる不公平な関税・非関税政策および貿易障壁によってもたらされた、米国にとって持続不可能な貿易赤字を是正するために不可欠である。この赤字は、我が国の経済のみならず国家安全保障にも重大な脅威をもたらしている」と強調した。

さらに書簡の末尾では、「今後も貴国を貿易パートナーとして歓迎する。我々の市場が長年閉ざされてきた日本や韓国の市場に開かれるのであれば、また貴国が関税・非関税政策および貿易障壁の撤廃に動くのであれば、この書簡の内容について見直しを検討する余地はある。これらの関税措置は、貴国との関係性に応じて引き上げ、または引き下げの可能性がある。米国は決して貴国を失望させない」と述べた。

この発表を受け、米国市場に上場しているトヨタ自動車、日産自動車、LGディスプレイなど、日本および韓国の主要企業のADR株価は急落。非米ドル通貨は全面安となり、ドル指数は急騰。主要株価指数先物も軒並み下落する展開となった。


Truth Social
画像提供:Truth Social
Truth Social
画像提供:Truth Social

世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp