トランプ氏の新関税通知、日韓やASEAN諸国へ影響 各国の反応は?

2025-07-09 13:38
アメリカのトランプ大統領がホワイトハウスで演説中。(AP通信)
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米国のトランプ大統領は現地時間7日、アジアを中心とする14か国に対し、新たな関税を課す旨を正式に通知した。対象となる製品には8月1日から最大25%の関税が適用されるが、それまでに米国との貿易協定に達すれば例外となる。この措置に関して、各国の反応がAFP通信によってまとめられている。

韓国:協議達成に対して楽観的

韓国の鉄鋼や自動車産業はすでに関税の影響を受けているが、その他の輸出品にも25%の関税が課される見通しだ。それでもソウル当局は、米国との交渉成立に一定の希望を持っている。

韓国大統領府の国家安保室長・魏聖洛(ウィ・ソンラク)氏は7日、米国務省のルビオ氏と会談した後、「ワシントンは8月1日までに協議が成立することを望んでいる」と述べた。また、韓国は「米国と密接に調整し、具体的かつ互恵的な成果を目指す」との姿勢も示した。

2025年6月4日、南韓新任大統領李在明と第一夫人金惠景が大統領就任式に出席。(美聯社)
2025年6月4日、韓国の新大統領である李在明氏と金恵景夫人が大統領就任式に出席した。(AP通信)

日本:米と自動車が焦点に

日本では、自動車産業を含む全ての輸出品が25%の関税対象となる。これは、4月にトランプ氏が発表した24%を上回るが、先週の発言で示された「30%から35%」という水準よりは低くなっている。トランプ氏は当時、「日本は30%または35%、あるいはわれわれが決める数字を支払うべきだ」と語っていた。

日本メディアによれば、石破茂首相は8日の閣議で、トランプ氏からの書簡について「極めて遺憾である」と表明。協議がいまだにまとまっていない背景として、「日本政府は安易な妥協を避けるために、要求すべきことをきちんと伝え、守るべきものを守る厳格な交渉を行っている」と説明した。

また、トランプ氏はこれまで、日本が米国のコメや自動車に対して十分に市場を開放していないと批判していた。これに対し、日本政府は農家の利益保護を最優先に交渉へ臨むとしている。経済再生担当大臣の赤澤亮正氏は同日、「農業を犠牲にして交渉を進めるつもりはない」と述べた。

2025年2月7日。米国大統領トランプと日本首相石破茂、ホワイトハウスにて。(AP)
2025年2月7日、ホワイトハウスにて、アメリカのトランプ大統領と日本の石破茂首相。(AP通信)

インドネシア:非常に楽観的

32%の関税が課される見通しのインドネシアだが、ジャカルタ政府は米国との合意成立に自信を示している。経済調整大臣のアイランガ氏は交渉の再開に向けて渡米した。

インドネシア大統領府の報道官ハサン氏は、数週間の交渉猶予がある中で、「非常に楽観的に捉えている」と述べた。

またアイランガ氏は最近、AFPの取材に対し、米国からの農産品やエネルギー製品の輸入を拡大する方針を示した。さらに、今後5年間にわたり、米国産小麦を毎年100万トン以上輸入することで合意したと、7日に発表している。

カンボジア、ミャンマー、ラオス:中国の友好国が高関税に直面

カンボジアは4月にトランプ氏から49%の関税対象とされたが、7日に送られた通知書では36%に引き下げられた。同国には多数の中国系資本工場が存在する。

カンボジアのフン・マネット首相はホワイトハウス宛の書簡で、「カンボジアは善意を持っている」とし、米国の19品目に関する輸入関税の引き下げを約束した。