N党・立花氏が「黒人やイスラム系が怖い」と発言 街頭演説で差別的言動連発、再び物議

2025-07-10 16:26
日本のミニ政党「NHK党」創始者の立花孝志氏が、今回の参議院選挙に再び立候補した。(NHK党公式Instagramより)
日本のミニ政党「NHK党」創始者の立花孝志氏が、今回の参議院選挙に再び立候補した。(NHK党公式Instagramより)
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日本ではまもなく参議院選挙が予定されており、自民党や立憲民主党などの主要政党に加え、特定の目的で結集した小規模政党も数多く存在する。その中でも、NHKの受信料制度に反対して設立された「NHK党」は、国内外で最も理解しがたい政党の一つとして注目されている。最近では、その過激で差別的な言動が海外メディアにも取り上げられ、「日本のトランプ支持者」が存在する実態を西側に印象付けた。

この物議を醸す人物こそ、NHK党の党首・立花孝志氏である。《毎日新聞》によれば、立花氏は今回の参院選で関西・兵庫県の議席を狙い、選挙戦に突入している。彼は駅前で行った街頭演説の場で、「Make America Great Again」の赤い帽子を被り、特徴的な柄のスーツを身にまといながら、「黒人やイスラム系の集団を見ると恐怖を感じる。白人はそれほど怖くない」と差別的な発言を公然と述べた。

さらに立花氏は「夜の駅前で外国人が笑い合っているのを見るたびに、日本語が通じるかも分からず、通行にも支障をきたす。現行法では、我々が彼らを排除することはできない」と語った。このような主張は今回が初めてではなく、過去にも人口問題を理由に「特定の民族を根絶すべき」「馬鹿みたいに子どもを産む集団は一掃すべきだ」といった極端な発言を繰り返してきた。今年3月には街頭演説中に刃物で襲撃され、頭部と首に傷を負った。犯人は30歳の日本人男性で、逮捕後「立花を殺したかった」と供述している。

日本右翼小党「NHK党」創始者の立花孝志が、再び参議院選挙に出馬する。(NHK党公式IGより)
日本NHK党創始者の立花孝志氏が、公式Xアカウントで投票の助言を公開した。(立花孝志公式Xアカウントより)

前職に嫌悪感を持つ政治家YouTuber

57歳の大阪出身である立花氏は、高校卒業後にNHKに入局し、不適切会計の内部告発を行ったことで2005年に解雇された。これを契機にNHKとの対立が始まり、2013年には「NHKから国民を守る党」を立ち上げた。この政党は現在「みんなと共に創る党」と改称されている。

日本NHK党創始者立花孝志が、公式Xアカウントで投票の助言を公開。(立花孝志公式Xアカウントより)
日本のミニ政党「NHK党」創始者の立花孝志が、再び参議院選挙に出馬する。(NHK党公式Instagramより)

政党設立以降、立花氏とその支持者は各地の選挙に挑戦してきたが、当選例は少ない。2019年には参議院比例代表選で当選し、参議院議員となった。政治活動と並行して、立花氏はYouTuberとしても知られており、76.4万人のチャンネル登録者を持つ。自撮り形式の動画を多数公開し、彼の政治信条を訴えている。多くの動画は5万~10万回再生されている。

ミニ政党が乱立、差別的議論が噴出

今回の選挙では、立花氏のみならず他の政党の党首らも、外国人に関する過激な発言を相次いで行っている。保守系「日本保守党」の党首・百田尚樹氏は、街頭演説で「外国人は日本の文化を尊重せず、規則を無視し、日本人を攻撃し、財産を盗むことすらある」と述べ、北関東の外国人居住地を「禁区域」と表現。政府が対応しなければ治安が損なわれると警告した。

「参政党」の党首・神谷宗幣氏もまた「日本人優先」の立場を明言している。日本外国特派員協会での記者会見では、「外国人労働者の受け入れによって人口減少問題を解決する方針には賛成できない」と述べた。また、「合法的に日本に来て働く外国人を排斥するつもりはないが、安価な労働力の導入は問題の根本的解決にはならない」との立場を強調した。

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​編集:田中佳奈

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