ドナルド・トランプ米大統領による「相互関税」政策が世界的な注目を集める中、これまでに発表された22カ国の対象リストに台湾が含まれていないことが、台湾国内で関心を呼んでいる。関係筋によると、台湾は関税率20%超のいわゆる「デス・グループ」には入っておらず、近く米国から通知が届く見込みだという。
22カ国の最新関税率一覧
国 | 新関税率 | 国 | 新関税率 | 国 | 新関税率 |
ブラジル | 50% | ミャンマー | 40% | ラオス | 40% |
タイ | 36% | カンボジア | 36% | バングラデシュ | 35% |
セルビア | 35% | インドネシア | 32% | スリランカ | 30% |
リビア | 30% | 南アフリカ | 30% | アルジェリア | 30% |
イラク | 30% | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 30% | モルドバ | 25% |
ブルネイ | 25% | 日本 | 25% | カザフスタン | 25% |
マレーシア | 25% | 韓国 | 25% | チュニジア | 25% |
フィリピン | 20% | - | - | - | - |
台湾時間7月10日午前10時時点
台湾は「近日中に通知を受け取る見通し」
台湾が関税リストに含まれていないことについて、投資家を中心に不安視する声が広がっている。こうした中、『自由時報』が伝えたところによれば、台湾は近く米国から通知を受け取る予定で、そこに記載される内容は最終的な関税率ではなく、今後の交渉を前提としたものになるという。
また、行政院副院長の鄭麗君らが現在も米国側と積極的に協議を行っており、台湾は「関税交渉が進行中の数少ない国」に位置づけられている。発表が遅れている理由としては、米国産豚肉(いわゆる美豚)や自動車関連の議題で進展が見られず、また再検討すべき関税項目や税番が多く、調整に時間を要しているためだとされる。
日韓が名指しされた背景
一方で、『放言』の報道によると、日本と韓国が初期の22カ国リストに含まれた背景には、トランプ氏が両国との交渉で妥結が困難だと判断し、関税引き上げを「最後通牒」として使い、譲歩を迫る戦術に出たことがあるという。
この論理に基づけば、台米間の交渉には大きな障害はなく、今後の展開についても前向きな見方ができるといえる。
編集:梅木奈実 (関連記事: 台湾の関税は25%に?元立法委員「交渉前にTSMCを差し出したのが最大の失策」 | 関連記事をもっと読む )
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