【深層】米軍、イラン山岳地帯でF-15E搭乗員を救出 1980年「イーグルクロー作戦」の記憶再び

2026-04-08 17:37
1980年4月の米軍「イーグルクロー作戦」において、イランの砂漠で爆発・炎上した海軍ヘリコプターの残骸。後方には現地に放棄された別のヘリコプターが見える。(米国防総省公式サイト)
1980年4月の米軍「イーグルクロー作戦」において、イランの砂漠で爆発・炎上した海軍ヘリコプターの残骸。後方には現地に放棄された別のヘリコプターが見える。(米国防総省公式サイト)

米国とイランは過去2日間にわたり、イラン南西部の山岳地帯で熾烈なパイロットの捜索・確保を巡る攻防を展開した。米空軍のF-15E戦闘機が先週金曜日(4月3日)、地形の険しいコフギールーイェ・ブーイェル=アフマド州で撃墜された。搭乗していた2名のうち、前席のパイロットが先に救助され、後席の兵器システム士官は山中に1日以上潜伏。イラン軍による大規模な捜索を逃れ、日曜日(4月5日)に無事救出された。

米CNNの報道によると、墜落したF-15Eの兵器システム士官は、拳銃1丁、無線機1台、サバイバルビーコンのみを所持していた。イラン軍の捜索を逃れるため、絶えず移動と潜伏を繰り返し、標高7000フィート(約2100メートル)を超える高山にも登攀。最終的に米中央情報局(CIA)と100名以上の特殊部隊による支援を受け、無事脱出に成功した。

同パイロットの墜落地点は、イラン南西部のコフギールーイェ・ブーイェル=アフマド州周辺とみられる。同地域にはイランの二大山脈の一つであるザグロス山脈(Zagros Mountains)が横たわっており、現地の平均標高は約2000メートル、主要な山峰は4000メートルを超える過酷な環境である。

CNNは米政府高官の話として、今回の救出作戦が困難を極めたと報じている。墜落地点が険しい高山地帯であったことに加え、敵対国の領土内での作戦であり、捜索救助部隊は常に敵の動向を警戒しながら潜入する必要があったためだ。

この事態は、1980年に同じくイランを舞台に展開された出来事を想起させる。米政府は当時、テヘランの米大使館で人質となった53名の米国人を救出するため、極秘裏に極めて大胆な軍事救出作戦「イーグルクロー作戦(Operation Eagle Claw)」を発動した。しかし、作戦は目的を達成する前に頓挫し、失敗に終わっただけでなく、参加した米軍将兵8名が死亡、4名が負傷。さらに7機の航空機およびヘリコプターが作戦中に喪失、あるいはイラン国内への遺棄を余儀なくされた。

この救出作戦の失敗は米国の威信を大きく傷つけ、結果として当時の米大統領、ジミー・カーター氏が1980年の大統領選挙で共和党のロナルド・レーガン氏に敗北する間接的な要因となった。

1980年4月、米軍「イーグルクロー作戦」の概要図。(ウィキペディア)
1980年4月、米軍「イーグルクロー作戦」の概要図。(ウィキペディア)

1979年11月のイラン米人質事件、米政府が軍事救出作戦を立案

時計の針を1979年に戻す。米国防総省が2025年に発表した回顧録によると、長年にわたる政情不安の末、イランのモハンマド・レザ・パフラヴィー(Mohammad Reza Pahlavi)国王(パーレビ国王)が1979年1月に退位を宣言。同氏を筆頭とする親米政権は崩壊の危機に直面した。イスラム原理主義者が反米デモを扇動し始めたことでイラン社会の混乱は激化し、米国は現地在住の民間人および非必須の政府職員の退避を開始した。 (関連記事: 鄭麗文・国民党主席が訪中 同行の元国家安全会議秘書長、民進党の対立路線を批判 関連記事をもっと読む

1979年11月4日、数千規模の反米感情を抱くイラン人学生が米大使館に乱入し、66名の職員を人質として拘束する事件が発生。全米に衝撃を与えた。後に13名は解放されたものの、残る53名はイラン政権が米国と交渉するための政治的カードとなった。

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