日本と台湾の半導体を通じた新たな関係構築を目的とした、台湾のドキュメンタリー映画『チップ・オデッセイ 台湾の賭け』(原題:造山者)の国会上映会が9日午後、衆議院第一議員会館の多目的ホールで開催された。
本上映会は日華議員懇談会が主催し、自由民主党の半導体戦略推進議員連盟および台湾半導体戦略国会議員連盟が共催。台北駐日経済文化代表処と台積電(TSMC)教育文化基金会の協力により、本邦初公開が実現した。
今後はこの国会上映を皮切りに、愛知、熊本、そして再び東京へと巡回上映される予定だ。日本上映委員会は本作の公開を通じ、①TSMCや台湾半導体の歴史に対する日本社会の正確な理解、②相互交流の促進、③日本への影響を多角的に議論する未来の展望、という三つの目標を掲げている。
台湾版「プロジェクトX」が描く「護国神山」の誕生
大東文化大学の野嶋剛教授は、配布資料の中で本作を台湾における「プロジェクトX」と評した。日本の6分の1ほどの国土と人口しかない台湾から、なぜトヨタ自動車に匹敵する世界的企業であるTSMCが生まれたのか。
原題の『造山者(マウンテン・メーカーズ)』は、台湾で「護国神山」と呼ばれる半導体産業を築き上げた政治家、官僚、エンジニア、そして企業家たちの群像を指している。台湾の成功は決して偶然の産物ではなく、1970年代の集積回路(IC)推進計画の策定や米RCA社への技術者派遣に始まり、孫運璿(そん・うんせん)氏や李國鼎(り・こくてい)氏といった政府関係者の主導による「賭け」の歴史があった。野嶋教授は、日本の半導体産業復活のためには、統合的な産業政策、国家レベルの支援、そしてエンジニア人材育成の重要性など、本作から多くの示唆を得られると指摘している。
民主主義サプライチェーンの核心的パートナーとして
上映会の冒頭、日華議員懇談会の古屋圭司会長が登壇。過去の台湾総統選視察の経験を交えつつ、中国からのサイバー攻撃やフェイクニュースに対しても的確な判断を下す台湾国民の高いメディアリテラシーを称賛した。その上で、台湾のもう一つの強力な武器である半導体産業を描いた本作が、日本各地で大きな反響を呼ぶことへの期待を語った。 (関連記事: 「傲慢なCEOは衰退の始まり」TSMC魏哲家会長が自虐で沸かせた名誉博士受諾演説 「AI介護ロボット」を半導体技術の集大成と定義 | 関連記事をもっと読む )

続いて、急遽帰国することとなった台北駐日経済文化代表処の李逸洋(り・いつよう)代表のメッセージを、蔡明耀(さい・めいよう)公使が代読した。メッセージでは、TSMC設立からの39年にわたる困難な道のりと、台湾政府の長期的支援、そして技術者たちの使命感が今日の世界一を築き上げたと強調。スマートフォンやAI、最先端の防衛技術に至るまでTSMCの半導体が不可欠となっている現在、TSMCと台湾を守ることは米国をはじめとする民主主義国家共通の最優先事項であるとし、民主主義サプライチェーンの中核的パートナーとして日米との協力を一層強化していく決意が示された。


















































