トップ ニュース 台湾のデータ通信量、インド抜き世界首位へ AIで変わる通信の常識、「上り帯域」が収益化の鍵に
台湾のデータ通信量、インド抜き世界首位へ AIで変わる通信の常識、「上り帯域」が収益化の鍵に 台湾の「スマホ利用者」1人あたりのデータ通信量が世界一となった。(資料写真、台中市政府提供)
モバイル通信の分野において、インドは長らくデータ消費の巨大国と見なされてきたが、最新のデータによると、台湾のユーザーによる「データ消費量」がインドを追い抜いたことが分かった。通信機器大手エリクソンの『モビリティレポート』によると、インドの1人当たり月間平均データ利用量は36GBであった。これに対し、台湾NCC(国家通信放送委員会)とエリクソンのクロス分析では、台湾の2025年末までの1人当たり月間平均利用量は39.7GBに達し、世界トップクラスに躍り出ることが確実視されている。
「台湾のモバイルデータ利用量は驚異的であり、その背景には動画視聴の習慣だけでなく、デジタル生活の深い浸透がある」。台湾エリクソンのデビッド・チョウ(周大企)総経理はこのように述べる。しかし、この目覚ましい数字の裏側には、通信キャリアが長年直面している「ジレンマ」が隠されている。データ通信無制限(使い放題)プランが一般的であるため、トラフィックの爆発的増加が収益増に直結しないのだ。この膠着状態を打破するため、エリクソンは「アップロード(上り)トラフィック」と「AI駆動による差別化された接続」こそが解決策になるとの見解を示している。
AIが「上り」と「下り」の比率を劇的に変える 過去30年間、モバイルネットワークのトラフィック構造は、下り(動画視聴・ウェブ閲覧)が80%、上り(送信・投稿)が20%という「8対2」の比率で安定していた。しかし、生成AIの台頭により、この均衡が崩れようとしている。チョウ氏は「将来、誰もがAIエージェントを持ち、スマートグラスなどのXRデバイスを装着するようになれば、デバイスは現場の映像やセンサーデータを解析のために絶えずクラウドへアップロードする必要がある。上りトラフィックの成長曲線は指数関数的になるだろう」と分析する。
この「上りトラフィック革命」は、ネットワーク構築の論理を根底から覆す。かつての基地局設計はダウンロード速度を最優先していたが、自動運転や遠隔医療、AI連携といった次世代シナリオにおいては、アップロードの「安定性」と「速度」が生命線となる。チョウ氏は「上りトラフィックの品質こそが、通信キャリアにとっての新たな通貨になる」と断言した。
大規模なイベントやコンサートでは、将来的にモバイルデータのアップロード需要が急増すると予想される。(資料写真:桃園市政府観光旅局提供)
これらの膨大なトラフィックを収益化するため、シンガポール・テレコム(Singtel)などの先進的な通信キャリアは、すでに新たなモデルを試行している。彼らは単に「データ容量」を売るのではなく、「品質保証(SLA)」を売る戦略へと転換しつつある。5GネットワークスライシングとAPIの開放を通じて、ライブ配信者やゲーマー、法人ユーザーに対し、専用の「高速道路」を有料で提供する仕組みだ。
通信キャリアは「低価格競争」から脱却できるか 「空港にビジネスクラスとエコノミークラスがあるように、将来のネットワークにも品質による階級が生まれる」。チョウ氏は具体的な未来図を描く。例えば、ユーザーが混雑したコンサート会場にいる際、スマホアプリを通じて「1時間の優先アップロード接続」を即座に購入できるようになる。このようなオンデマンドの差別化サービスこそが、5G SA(スタンドアロン)とAIが融合したネットワークの真価である。
データ利用量で世界一となった台湾市場にとって、AI時代の到来はインフラへの負荷であると同時に、ビジネスモデル転換の好機でもある。39.7GBという膨大なデータの中で、高付加価値な「AIアップロード通信」の比率が高まれば、台湾の通信キャリアは画一的な料金プランから脱却できる可能性がある。それは泥沼の価格競争を終わらせ、通信産業に新たな黄金時代をもたらすチャンスかもしれないと、現地メディア『風傳媒』は報じている。
更多新聞請搜尋🔍風傳媒日文版
最新ニュース
TSMC米投資拡大は台湾の「シリコンの盾」を崩すか 米識者「米国の代替完了は2050年」 「TSMCの米国におけるモーメント(転機)は既に到来した」—『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』米国商務省による「米台貿易協定」の発表を受け、台湾が長年切望していた関税引き下げがついに現実のものとなった。これには鉄鋼・アルミ輸入制限(232条)の免除条項も含まれるが、その交換条件とも言えるTSMC(台湾積体電路製造)の追加投資に対し、台湾国内では産......
【解説】高市首相、乾坤一擲の冒頭解散 裏金封じと自公決裂、自民党に迫る「最難関」の決戦 2026年の政界は、年明け早々から激震に見舞われた。高市早苗首相が1月23日の通常国会召集日に衆議院を解散する方針を固めたのだ。永田町を襲ったこの「1月のサプライズ(January Surprise)」は、単なる総選挙の幕開けではなく、日本政治の構造そのものを塗り替える地殻変動を意味する。高市首相は自身の高支持率と「保守大結集」のムードを追い風に、電撃戦での......
中国、NVIDIA「H200」の輸入阻止か 「供給網一時停止」、在庫廃棄の懸念高まる 米国政府がエヌビディア(Nvidia)のAI半導体「H200」の中国向け輸出を承認したにもかかわらず、中国税関当局がその通関を拒否していることが明らかになった。この事態を受け、関連サプライチェーンが生産を一時停止していると、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。業界では、製造コストが無駄になることへの懸念が高まっている。突然の通関停止とサプライチェー......
李逸洋・駐日代表、秋田・鈴木知事と初会談 被災地米で醸した「日台友好の酒」も紹介 台北駐日経済文化代表処の李逸洋(リ・イツヨウ)代表は1月15日、同代表処において秋田県の鈴木健太知事、同県中華総会の又井公久会長(知事私設秘書)、畠山知事秘書、および秋田県東京事務所の土門啓介副所長らと会談を行った。李代表と鈴木知事の会談は今回が初めてだが、李代表は昨夏に秋田県を、鈴木知事は昨年に台北市と高雄市を相互訪問しており、双方が相手の故郷を訪れるとい......
NTTデータや住商、1500億円投じアジア最大級の海底ケーブル新設 台湾への接続も視野 NTTデータグループは13日、住友商事などと共同で国際海底ケーブルの運営会社を設立したと発表した。日本とアジアを結ぶ海底ケーブルを新設し、2029年度初頭の運用開始を目指す。総事業費は1500億円規模を見込んでおり、急増するアジア圏のデジタル需要を取り込むとともに、日本の災害耐性の向上や国際通信の競争力強化につなげる狙いだ。NTTデータグループ傘下のNTTリ......
産学民連携で門前仲町の魅力を発信 立教大生が主導する地域交流イベント開催 三菱地所レジデンス株式会社、立教大学コミュニティ福祉学部、および特定非営利活動法人ブランディングポートの3者は2025年12月23日、江東区門前仲町エリアにおいて進めている産学民連携プロジェクトの成果として、地域交流イベント「大人のまちたんけん in 門前仲町」を11月29日に開催したと発表しました。本プロジェクトは、三菱地所レジデンスが再開発区域内に所有す......
米台、関税協定で異例の「政府間署名」 中国の反発必至か、5000億ドルの戦略的バーター成立 長期間にわたる米台間の関税交渉を経て、米国商務省は米東部時間15日、米台貿易合意の内容を公表した。これにより、台湾への対等関税率は15%に引き下げられ、最恵国待遇(MFN)税率の加算も不要(Non-stacking)となる。また、半導体およびその派生製品などは、米国通商拡大法232条に基づく関税において「最優遇待遇」を取得した。これに対し、台湾側はハイテク産......
米台関税、「25%の衝撃」から一転して「除外」へ 半導体・AIサプライチェーン攻防戦の全貌 2026年1月14日、世界の半導体業界に激震が走った。米国政府が通商拡大法232条(安全保障上の脅威)に基づき、米国へ輸入される一部の半導体、製造装置、およびその派生製品に対し「25%」の関税を課すと正式発表したからだ。ターゲットは主に米国外で使用されるAIチップや、第三国へ再輸出される関連製品である。米国市場への依存度が高く、AI輸出の爆発的成長期にある台......
虎ノ門ヒルズで未来を体感する新祭典「TOKYO PROTOTYPE」開催決定 森ビル株式会社は、2026年1月29日から31日までの3日間、虎ノ門ヒルズの街なかおよび情報発信拠点「TOKYO NODE」を舞台に、都市型クリエイティブフェスティバル「TOKYO PROTOTYPE(東京プロトタイプ)」を開催する。本イベントは、同社が運営する研究開発チーム「TOKYO NODE LAB」と日本テレビ放送網株式会社が主催し、クリエイターや企......
鹿児島県出水市、1万羽のツルと日本遺産「出水麓武家屋敷群」活用で訪日リピーター誘致を推進 鹿児島県出水市は、毎年1万羽以上のツルが渡来する世界有数の越冬地として知られ、特に絶滅危惧種のナベヅルは全世界の約9割が越冬する国際的に重要な「奇跡の地」となっている。同地はラムサール条約にも認定されており、国際的な保全活動とともに「人々とツルが共存する日本の景色」を体現している。出水市はこの自然遺産に加え、日本遺産「出水麓武家屋敷群」での特色ある日本文化体......
中曽根康弘世界平和研究所が第22回「中曽根康弘賞」の募集を開始 国際的な業績挙げた若手を顕彰 公益財団法人中曽根康弘世界平和研究所(NPI)は、第22回「中曽根康弘賞」の募集を開始した。同賞は、政治、経済、文化、科学技術などの分野において、国際的に意義ある業績を挙げた若い世代の努力を称え、さらなる飛躍を奨励することを目的として創設されたものである。日本国内外を問わず、多様な分野で活躍する個人からの応募を広く受け付けている。表彰の対象となるのは、「国際......
中国、東シナ海で新たな「構造物」設置を確認 日本政府が厳重抗議、「極めて遺憾」 日本政府は、東シナ海の地理的中間線の西側海域において、中国が新たな構造物の設置を開始したことを確認したと発表しました。東シナ海の排他的経済水域(EEZ)および大陸棚の境界が未画定である中で、中国側が一方的に開発を進めていることに対し、日本政府は極めて遺憾であるとの意向を示しています。これを受け、外務省の金井正彰アジア大洋州局長は、駐日中国大使館の施泳(し・え......
在留更新4万円・ビザ1.5万円へ大幅引き上げ 日本人のパスポート代は「9000円」に減額へ 政府は、令和8年度予算案において外国人施策の財源確保に向けた関連手数料の大幅な引き上げを行うとともに、外国人政策に関する基本方針の策定を進めている。1月16日、政府関係者が明らかにしたところによると、政府は23日に関係閣僚会議を開き、出入国・在留管理の厳格化などを盛り込んだ基本方針を取りまとめる日程を固めた。近年、オーバーツーリズムや不法滞在者による治安懸念......
【WBC】台湾代表が始動 ハム古林、西武林安可らNPB勢も集結、2月末には日本で強化試合 3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、台湾代表の強化合宿が2026年1月15日、南部・高雄市のナショナル・スポーツ・トレーニング・センター(国訓中心)で始まった。今回の合宿には、北海道日本ハムファイターズの古林睿煬(こりん・えいよう)投手と孫易磊(そん・いれい)投手、埼玉西武ライオンズに入団したばかりの林安可(りん・あんか)外野......
大谷翔平、スポンサー収入で「世界一」に 副収入だけで1億ドル、レブロンやメッシ抜き去る 米スポーツビジネス専門メディア「Sportico」はこのほど、2025年版のスポーツ選手長者番付を発表した。ロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平氏は、総収入1億205万ドルで世界8位にランクインした。特筆すべきは、広告契約などを含む「副収入」の項目だ。大谷氏は同項目で総額1億ドルに達し、世界のアスリートの中で首位に立った。これはNBAロサンゼルス・レイ......
米下院、台湾へ3500億円規模の軍事支援法案を可決 無償資金と融資で「対中抑止」強化へ 米国議会が台湾支援に向けた強力なシグナルを発した。米連邦下院はこのほど、台湾に対し総額約23億米ドル(約3,500億円)規模の「軍事融資および融資保証」を提供する法案を圧倒的多数で可決した。これにより台湾の防衛能力を強化し、台湾海峡の安全保障における抑止力を高める狙いがある。3億ドルの無償資金と20億ドルの融資枠法案内容によると、米国務省の「対外軍事融資(F......
在留外国人に「社会規範」習得を義務化へ 政府有識者会議が提言、土地取得規制も 政府は2026年1月14日、「外国人との秩序ある共生社会の実現のための有識者会議」がまとめた意見書を公表した。意見書では、在留外国人向けに日本語や日本の社会規範を学ぶプログラムを創設することを提案しており、中長期に在留する場合は、このプログラムへの参加を在留許可の条件とすることも盛り込まれた。また、安全保障の観点から土地の取得や管理のルールづくりが必要である......
片山財務相、「自公」決別と「自維連立」の意義を強調 ガソリン税廃止で現役世代の支持回復へ 公益財団法人国際文化会館と米マケイン研究所は2026年1月15日、都内で「セドナ・フォーラム東京」を開催した。最終セッションには片山さつき財務大臣が登壇し、高市早苗政権が推し進める経済・財政戦略について講演を行った。片山財務相はセドナ・フォーラムにて、高市政権が維新との新連立による現役世代重視の積極財政へ転換し、レアアース脱中国依存を含む経済安保と合わせて「......
FPCJ創立50周年、児玉理事長「信頼される日本の姿を世界へ」 公益財団法人フォーリン・プレスセンター(FPCJ)は2026年1月15日、東京で「2026年賀詞交歓会」を主催し、創立50周年という大きな節目を祝った。会場には各国の駐日外国メディア、日本政府関係者、企業代表らが多数詰めかけた。FPCJ創立50周年を迎え、児玉和夫理事長が「世界への架け橋」としての決意を表明する一方、城内実経済財政担当相は流暢な英語で高市内閣......