トップ ニュース 「交渉は喝采なき仕事」蔡英文前総統、台米関税合意で当時の苦労を吐露 頼総統は「一睡もせず」見守る
「交渉は喝采なき仕事」蔡英文前総統、台米関税合意で当時の苦労を吐露 頼総統は「一睡もせず」見守る 米台関税交渉の結果が発表され、蔡英文前総統がFacebookで交渉チームに謝意を表明した。(資料写真、呉逸驊撮影)
長期間にわたる交渉を経て、米国による台湾への対等関税率が15%に引き下げられ、最恵国待遇(MFN)税率への上乗せ(スタッキング)も免除されることが確定した。さらに、半導体およびその派生製品についても、通商拡大法232条関税における最優遇待遇を取得した。この歴史的合意を受け、頼清徳総統は取材に対し、今朝は「一睡もしていない」と明かし、台湾が大きく前進できるよう与野党に協力を呼びかけた。また、かつて国際交渉の最前線に立った経験を持つ蔡英文前総統も16日午後、自身のFacebookを更新。「交渉官」としての自身の経験を振り返り、「交渉とは最も拍手喝采が少ない仕事だが、国家の行末を決める重要な任務だ」と述べ、今回の交渉チームを労った。
頼総統「昨夜は眠れなかった」 台米関税交渉は米東部時間15日に総括会議を終えた。行政院(内閣)のプレスリリースによると、「対等関税の15%への引き下げ(MFN上乗せなし)」、「半導体および派生製品の232条関税における最恵国待遇の取得」、「サプライチェーン投資協力の拡大」、「台米AI戦略パートナーシップの深化」といった当初の目標を達成した。
頼清徳氏は16日の取材で、台米貿易協議を支持するよう与野党に呼びかけた。(資料写真、陳品佑撮影)
頼総統は16日午前、「2026台中百工百業博覧会」の開会式に出席した際、会談前の取材で「交渉の過程を注視しており、調印の報告を受けるまで安心できなかった」と吐露した。頼総統は、今回の交渉で台湾が半導体優遇措置を勝ち取った「最初の国」になったと強調。その「チップ(交換条件)」として、政府は台湾企業による2,500億ドル(約40兆円)の対米直接投資を支援するとともに、金融機関を通じた信用保証により、さらに2,500億ドルの融資枠をサポートする方針を示した。最後に、鄭麗君・行政院副院長や楊珍妮・政務委員ら交渉チームに対し、「台湾からのオンライン協議であれ、渡米しての対面交渉であれ、非常に過酷な任務だった」と感謝の意を表した。
「交渉のプロ」蔡英文氏の回想 一方、今回の合意に深い感慨を示したのが蔡英文前総統だ。彼女はFacebookで、かつて自身が対外交渉の担当者として、各国の代表と終わりの見えない折衝を繰り返した日々を回想した。「長い道のりには忍耐が必要であり、原則と現実の間で最も困難な判断を下さなければならない。すべての数字、すべての条項の背後には、産業界の期待と国家の責任があるからだ」と綴った。 その上で、重圧に耐えて台湾の国益を守り抜いた交渉チームと行政機構に特別な感謝を捧げた。
「交渉とは、決して最も多くの拍手喝采を浴びる仕事ではない。しかし、国家が長く、安定した道を歩めるかどうかを決める仕事だ」 蔡氏はそう述べ、台湾が今まさにその道を歩んでいると強調した。また、今回の合意はゴールではなく、経済貿易体制の深化と産業構造の調整に向けた重要な転換点であると指摘。「影響を受ける産業や労働者に対し、政府は引き続き耳を傾け、必要な支援を提供することで、転換のコストを社会的に最も弱い立場の人々に負わせないようにすべきだ」と結んだ。
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