2.5億円ダイヤから5D体験型ジュエリーまで 国際宝飾展に見る「実物資産」と「体験価値」の最前線

インフレ対策の実物資産需要と干支ブームに加え、五感を刺激する体験型展示やライブコマースの融合が、宝飾業界に新たな消費の潮流を生み出している。(写真/黃信維撮影)
インフレ対策の実物資産需要と干支ブームに加え、五感を刺激する体験型展示やライブコマースの融合が、宝飾業界に新たな消費の潮流を生み出している。(写真/黃信維撮影)

日本最大級の宝飾展である「第37回 国際宝飾展(IJT 2026)」が、2026年1月14日(水)から1月17日(土)までの4日間、東京ビッグサイト東展示棟にて開催されている。主催はRX Japan株式会社。世界36カ国から約620社が出展し、約125万点に及ぶジュエリーが一堂に集結する。

東京ビッグサイト。黃信維
東京ビッグサイト。(写真/黃信維撮影)

本展では、記録的な金価格の高騰や円安、インフレの進行を背景に、単なる装飾品としてではなく「実物資産」としてのジュエリー需要が急拡大している。会場では、地金専門商社の株式会社オーロラが、高い換金性とデザイン性を兼ね備えた「喜平ネックレス」や「ベネチア」を提案。株式会社R.T.Diamondsは、オークション等で価格高騰が続く希少な「ファンシーカラーダイヤモンド」を出品し、1粒で2億5000万円の値がつく極上の逸品も展示された。また、株式会社五幸商会による4億円の非加熱ビルマ産ピジョンブラッドルビーや、世界的な需要で価格が高騰している株式会社ユニオン真珠の「白蝶真珠(シルバーリップ)」など、インフレ時代における「資産防衛」の手段として、富裕層や投資家層が熱い視線を注ぐ商品が商談の目玉となっている。日本の伝統美を融合させた株式会社エムツーデザインのブランド「japone.®︎」からは、チェーンを外すと実際に回すことができる独楽(コマ)形ペンダントなど、職人技術が光るユニークなジュエリーも紹介された。

東京ビッグサイト。黃信維
東京ビッグサイト。(写真/黃信維撮影)

また、2026年の干支である「午(うま)」にちなんだ特需も会場の大きなトピックだ。「競馬」や「ウマ娘」ブームを背景に、株式会社ゴールド島田によるK18ゴールドの馬蹄モチーフピアスや、FU CHING CO.,LTD.による水晶と馬を組み合わせたブレスレットおよび立馬の置物、株式会社水野の最高級ムートンを使用した「干支ドールホース」など、開運や推し活を意識した多様な商品が展開された。

さらに本展では、従来の商談形式を超えた展示手法の進化が際立っている。株式会社貴瞬は、レストラン「elan vital」および色鉛筆画家の安部祐一朗氏とコラボレーションし、業界初となる「5D体験型ジュエリー販売会」を実施。会場全体を劇場型レストラン空間として演出し、宝石を「食材」に見立てて調理するかのような没入型体験を提供することで、「DISCOVER(発見する)」というコンセプトを体現した。一方、総合ジュエリーメーカーの株式会社桑山は、「MAKING SENSE ― 感覚と感性」と題したインスタレーションを行い、技術力(物性)と美意識(感性)が融合するプロセスを可視化。新作のキャストコレクションやマシンチェーンに加え、アコヤ真珠「ブルーロゼプレミアム」などの多彩な素材も披露された。

『風傳媒』の現場観察によると、会場内は単なるビジネスの商談会場という枠を超えた、異様なまでの熱気に包まれていた。会場に足を踏み入れると、視界を埋め尽くすほどの数え切れない宝石が並び、その煌びやかさに目がくらむような光景が広がっている。特筆すべきは、会場の至る所で見られたスマートフォンや機材を手にした多数のライブ配信者(ライバー)たちの姿だ。彼らはブースの前からリアルタイムで世界中の視聴者に向けて商品を熱心に紹介しており、その周囲では、時折まるで市場の競りのような威勢の良い価格交渉や掛け声が飛び交う場面も見られた。きらびやかな宝石の輝きと、ライブコマースや現場交渉の熱量が混ざり合い、2026年の宝飾業界の活況を象徴する光景となっていた。

編集:小田菜々香

最新ニュース
城内実経済財政政策担当大臣、FPCJで英語と日本語を流暢に使い分け「サナエノミクス」の全貌を発表 「責任ある積極財政」で強い経済の実現へ
鹿児島県出水市、1万羽のツルと日本遺産「出水麓武家屋敷群」活用で訪日リピーター誘致を推進
中曽根康弘世界平和研究所が第22回「中曽根康弘賞」の募集を開始 国際的な業績挙げた若手を顕彰
中国、東シナ海で新たな「構造物」設置を確認 日本政府が厳重抗議、「極めて遺憾」
在留更新4万円・ビザ1.5万円へ大幅引き上げ 日本人のパスポート代は「9000円」に減額へ
【WBC】台湾代表が始動 ハム古林、西武林安可らNPB勢も集結、2月末には日本で強化試合
大谷翔平、スポンサー収入で「世界一」に 副収入だけで1億ドル、レブロンやメッシ抜き去る
米台「新合意」の全貌:関税15%は上乗せなし、半導体は「枠内免税」へ 5000億ドルの投資MOUも締結
東京都、「東京アプリ」活用で1万1000円分のポイント付与へ 2月2日より開始、マイナカード必須
TSMC、2026年は「異例の好スタート」 Q1売上高358億ドル見通し、粗利益率は65%へ挑戦
「チケットの適正な流通」がライブエンタメの未来を支える――チケットプラス取締役・飯沼裕樹氏が独自インタビュー
TSMC決算、四半期売上高が初の「1兆台湾ドル」突破 EPSは過去最高、先端プロセス比率77%に到達
米マケイン研究所「セドナ・フォーラム」初の東京開催、シュライバー氏はトランプ政権の「戦略的曖昧さ」回帰を指摘
TSMC、2ナノの歩留まり「驚異的」、A16は26年後半に量産へ 魏会長が宣言「唯一の頭痛の種は供給不足」
米下院、台湾へ3500億円規模の軍事支援法案を可決 無償資金と融資で「対中抑止」強化へ
「TSMCの対米投資だけでは台湾を救えない」専門家が警鐘 米通商拡大法232条発動で、対米輸出7割に打撃の恐れ
舞台裏》台南市長予備選、陳亭妃氏はなぜ頼総統の愛弟子を破ったのか?最大の勝因は皮肉にも「頼清徳」自身だった
習近平氏はいかに「自由世界の喉元」を握ったのか NYTが解き明かす中国レアアース覇権、60年の布石
【現地レポ】JR山手線・京浜東北線が全線見合わせ 変電所トラブルと火災、午後1時すぎに全線再開
在留外国人に「社会規範」習得を義務化へ 政府有識者会議が提言、土地取得規制も
片山財務相、「自公」決別と「自維連立」の意義を強調 ガソリン税廃止で現役世代の支持回復へ
安倍昭恵氏、習近平夫人へ「手紙」送っていた 亡き夫の遺志と「対中外交」の秘話を語る 鈴木桂治氏らと「ソフトパワー」議論
FPCJ創立50周年、児玉理事長「信頼される日本の姿を世界へ」
AppleがGoogleと手を組んだ裏事情とは?著名アナリストが分析する苦渋の決断「今年のWWDCは失敗が許されない」
SGAのロゴマン封入! NBA公式ストア、「Topps Chrome」最新作を1月16日発売 1人5箱まで
中国の対台湾認知戦、偽情報231万件超 台湾当局が5大手法を暴露「AIで市民の声を収集・偽造も」
米軍はイランを攻撃しないのか? トランプ氏「テヘランは処刑を止めつつある」と主張も、軍事オプションの放棄は明言せず
北京観察》取り締まるほど腐敗が深刻化? 習近平氏が「トップ自ら反腐敗」を指示 金融・国有企業・たばこ・医薬業界で新たな大粛清へ
Gemini「パーソナライズドAIサービス」正式開始! 新機能は何が変わる?Gmail・YouTube・写真との連携や有効化手順を一挙公開
中国軍「戦死10万人」でも習近平氏は止まらない?米報告書が描く悪夢と、北京を黙らせる唯一の条件
米中ハイテク戦争、米政府の「輸出許可」も無意味か 中国税関、エヌビディア「H200」の輸入を実質禁止へ
タイで中国支援の高速鉄道工事現場からクレーン倒壊、走行中の列車を直撃 死者31人の大惨事に
【単独インタビュー】2026年はリアルイベント開催へ SOD初の台湾人専属女優・齋齋いつきが語るアンチへの本音「本業に集中するだけ」
ノーベル賞学者スティグリッツ氏が語る「台湾病」の正体 「高い住宅価格が若者の自由を奪う」
WBSCプレミア12、2027年大会は日本・台湾ら本戦直行 中国で初の予選開催、出場チーム発表
茂木外相、タイ・ナコーンラーチャシーマー県の列車事故で哀悼の意を表明
1.25兆台湾ドルの国防予算、対米武器購入は「一部のみ」か 台湾民衆党・黄国昌主席が明かす米側との協議内容
木村拓哉さんがアンバサダーのOWNDAYS、新宿東口に新旗艦店オープン 生成AI接客やスマートロッカー初導入
【WBC】2026公式オンラインストア、1月15日開設 侍ジャパンや台湾代表などグッズ500種以上
「推し活」を進化させる最新技術が幕張に集結 ライブ・エンターテイメントEXPO、21日開幕
森ビル運営の3つのヒルズで冬の「あったかグルメ」が展開 鍋・おでん・スープなど多彩なメニューが集結
韓国検察、尹錫悦前大統領に「死刑」求刑 戒厳令は「内乱」、憲政史上最大の汚点に
【独自】記者暴行にパワハラ疑惑 国民党・鄭麗文体制を揺るがす「側近」の暴走
「救済は間もなく到来する」トランプ氏、イラン介入を示唆 サイバー攻撃から核施設空爆まで検討か
蔡英文前総統が2026年の春節飾り「福気加碼」を発表 幸福と収入アップを願う
李忠謙コラム:ベネズエラ侵攻は「中国への贈り物」か ミアシャイマーが読み解くトランプ「新・帝国主義」の危うさ
歴代邦画実写No.1記録の映画『国宝』展がGinza Sony Parkで開催へ 吉沢亮の撮影現場に密着した特別写真展も同時開催
北京観測》中国、「言葉だけの好景気」に見切り 若者の香港預金殺到、2026年「資産封鎖」への警戒感
トランプ氏、グリーンランド併合へ「3つの極秘シナリオ」 住民は「米国人お断り」
「少数与党」の窮地打開へ、高市首相が「電撃戦」か 2月8日投開票の可能性