トランプ氏、AI大手6社と「超知能協定」 政府文書は「AI」から「SI」へ、強制規制より自主規制を重視

2026-10-01 18:53
2026年9月29日、ホワイトハウスでAI業界の幹部らと会談するトランプ米大統領。(AP通信)
2026年9月29日、ホワイトハウスでAI業界の幹部らと会談するトランプ米大統領。(AP通信)

トランプ米大統領は9月29日、AI業界の大手企業トップら約20人をホワイトハウスに招き、人工知能(AI)の発展について協議した。会合後、トランプ氏は技術リスクへの対応について、業界による「高度な自主規制」を重視する方針を打ち出した。

米エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)、米xAI創業者のイーロン・マスク氏、米メタのマーク・ザッカーバーグCEO、米グーグルのスンダー・ピチャイCEO、米オープンAIのグレッグ・ブロックマン社長、米アンソロピックのダリオ・アモデイCEOの6人が、内部統制と第三者による独立監査の仕組みを設ける自主的な誓約に署名した。

トランプ氏は同日、連邦政府の行政機関に対し、法律が許す最大限の範囲で、公式文書や対外発信における「人工知能(AI)」を「超知能(Super Intelligence、SI)」に置き換えるよう求める大統領令にも署名した。

誓約の名称は「超知能に関するホワイトハウス協定:最先端分野の責任に関する共同コミットメント」。法的拘束力があるのかと問われたトランプ氏は、「道義的な拘束力があると思う」と答え、「ある意味では憲法のようなものだ」と述べた。

昼食会にはバンス副大統領、ラトニック商務長官、ベッセント財務長官、ワイルズ大統領首席補佐官らも同席した。

2026年9月29日、ホワイトハウスでAI業界のトップらと会談するトランプ米大統領(AP通信)
2026年9月29日、ホワイトハウスでAI業界の幹部らと会談するトランプ米大統領。(AP通信)

強制的な法規制を退け、フアン氏は自主規制を支持

最先端のAIシステムをめぐっては最近、サイバーセキュリティー上の脆弱性を突いたり、他社のシステムに無断でアクセスしたりする事例が相次ぎ、安全性への懸念が広がっている。

アンソロピックやオープンAIなどの幹部は先ごろ、最先端モデルの開発ペースを落とすよう相次いで呼びかけ、アモデイ氏も論考を発表し、業界に減速と規制強化を公に訴えた。一方、トランプ氏は技術リスクへの懸念を繰り返し退け、米国の最優先課題はAI分野で中国に対する圧倒的な優位を維持することだと主張している。

2026年9月29日、ホワイトハウスでの会合で、トランプ米大統領の発言に耳を傾けるエヌビディアのジェンスン・フアンCEO(AP通信)
2026年9月29日、ホワイトハウスでAI業界の幹部らと会談するトランプ米大統領。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOがトランプ氏の発言に耳を傾けている。(AP通信)

昼食会の後、トランプ氏はIT業界のトップらとホワイトハウス西棟前の車寄せで報道陣の取材に応じた。

AIに政府の規制は不要だと考えるのかと問われると、「皆が高度な自主規制が必要だと考えている。それに、司法省や連邦捜査局(FBI)といった機関がもともと監督している」と答えた。

さらに、業界全体を監督する10人ほどの委員会の設置を政府が検討しており、ここ数日のうちにホワイトハウスの特使を任命する見通しだと明らかにした。

出席したIT大手のトップの多くは、ホワイトハウスの自主規制路線に同調した。

フアン氏は「イノベーション、技術、安全の間に矛盾はない」と述べ、IT業界はAIの能力を高めると同時に、より強力な安全対策技術も開発していると強調した。 (関連記事: 【新新聞】「5年で人類の知性超え」「破局リスク70%」マスク、元OpenAI研究者、DeepSeekから読むAIの未来 | 関連記事をもっと読む )

ザッカーバーグ氏は、今回の協定は米国民や顧客との信頼を築き、技術が各社の意図どおりに機能することを示すためのものだとし、「良いスタートだ」と語った。

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