米中首脳会談、「第2次大戦の同盟国」強調 台湾専門家「脱中華民国化が鮮明になる」と警戒

2026年9月25日、ワシントンで会談する中国の習近平国家主席とトランプ米大統領。双方は互いを第2次世界大戦の同盟国と位置づけ、中華民国が大戦で果たした貢献やその歴史的な存在が相対的に薄れることで、台湾の政治的位置づけにも影響を及ぼす可能性が指摘されている。(AP)
2026年9月25日、ワシントンで会談する中国の習近平国家主席とトランプ米大統領。双方は互いを第2次世界大戦の同盟国と位置づけ、中華民国が大戦で果たした貢献やその歴史的な存在が相対的に薄れることで、台湾の政治的位置づけにも影響を及ぼす可能性が指摘されている。(AP)

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が9月下旬にワシントンで行った首脳会談で、両首脳が米中を「第2次世界大戦の同盟国」と位置づけたことについて、台湾の専門家が中華民国の歴史的位置づけへの影響を分析している。

国立政治大学国際関係研究センターの王信賢主任は29日、中国共産党の長期的な対台湾戦略には「法理闘争」があり、これまで中国側が自ら主張してきた台湾をめぐる言説を、今回は米国に持ち込んだ点がより深刻だと指摘した。

さらに、米中双方が第2次大戦での同盟関係に言及し、トランプ氏の発言も習氏の言説に近づく傾向がみられるとして、今後の影響を注視する必要があるとの見方を示した。

米中が互いを「第2次大戦の同盟国」と表現

国賓として訪米した習氏は、トランプ氏から盛大な歓迎を受けた。

中国外交部の発表によると、習氏は第2次世界大戦中、中国と米国が肩を並べてファシズムの侵略に立ち向かったと述べ、米側に「台湾独立に反対する正しい立場」を堅持するよう求めた。

トランプ氏も「フライング・タイガース」を例に挙げ、米中は第2次世界大戦で重要な同盟国だったとし、共に戦争に勝利したと述べた。

ホワイトハウスが25日に公表したファクトシートでも、両首脳が米中は第2次世界大戦の同盟国として肩を並べて戦い、勝利したことを振り返ったと記されている。中国側が26日に公表した8項目の合意にも、同様の表現が盛り込まれた。

国立政治大学国際関係研究センターは9月29日、「2回目の米中首脳会談後の米中台関係」をテーマとする座談会を開催した。

王氏が司会を務め、中華経済研究院台湾ASEAN研究センターの徐遵慈主任、国立政治大学国際関係研究センターの陳至潔副主任、同センターの曽偉峯副研究員、淡江大学国際事務・戦略研究所の馬準威助理教授が参加した。

政治大学国際関係研究センターが開いた「2回目の米中首脳会談後の米中台関係」座談会。左から馬準威、徐遵慈、王信賢、陳至潔、曽偉峯の各氏(楊騰凱撮影)
国立政治大学国際関係研究センターが「2回目の米中首脳会談後の米中台関係」をテーマに座談会を開催。左から馬準威氏、徐遵慈氏、王信賢氏、陳至潔氏、曽偉峯氏。(楊騰凱撮影)

「内政」「成果の点検」「リスク管理」 米中首脳会談の3つの狙い

王氏は、米中という二つの超大国の首脳が1年の間に4回顔を合わせることになるのは極めて異例だとしたうえで、今回の首脳会談には3つの狙いがあったと分析した。

第1は「内政上の要請」だ。

トランプ氏は、中国による購入の約束を通じて11月の中間選挙に弾みをつけたい考えだという。一方、習氏は来年秋の中国共産党第21回全国代表大会(第21回党大会)を前に安定を最優先しており、とりわけ大国関係では、対米関係を掌握できるのは自分だけだと示すことで、来年の党大会での続投に向けた環境を整えようとしていると分析した。

第2は「双方の会談成果の点検」だ。

昨年10月末に韓国・釜山で行われた首脳会談以降、関税や農産物の購入、人工知能(AI)のリスク管理、貿易委員会の設置、貿易分野での成果などについて、改めて進捗を確認する目的があったとした。

米中双方には、競争がレッドラインを越えないよう一定の範囲に抑え、とりわけ両軍の間で意思疎通と交流を維持したいとの考えがあると分析した。

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