台湾向けF-16V、66機の年内納入は困難 米側が補償措置に前向き、予備部品増など協議
台湾の顧立雄国防部長は29日、戦闘機納入の遅延を受けた補償措置について米側が前向きな姿勢を示しており、今後の協議を通じて具体的な措置が講じられる見通しだと述べた。(劉偉宏撮影)
台湾が米国から調達する66機のF-16V戦闘機を巡り、当初の計画では今年第3四半期(7~9月)までに1機目の引き渡しが完了する予定だったが、未だ到着しておらず、遅れが生じているもようだ。一部メディアの報道によると、政府間取引のため違約金は発生しないが、台湾国防部(国防省に相当)は米国側に対し、技術サポートや予備部品の追加、保証期間の延長といった、金銭以外での「補償」を要求しているとされる。これについて、顧立雄国防部長(国防相)は29日、メディアの取材に対し、補償措置については既に米国側が前向きな姿勢を示しており、今後の協議を通じて具体的な補償案がまとまる見通しだと明らかにした。
台湾が米国から調達する最新型F-16V戦闘機66機について米国側は当初、2024年に1機目を引き渡し、2026年末までに全機を納入する計画を立てていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大やサプライチェーンの混乱、技術開発の遅れなど複数の要因が重なり、全機の納入完了は2028年にずれ込む見通しとなっている。この大幅な遅延により、台湾の防空網に予期せぬ戦力の空白が生じると懸念されている。
台湾紙、中国時報の29日付報道によると、米国による対外有償軍事援助(FMS)に基づく武器売却は「政府間取引」であり、違約に対する罰則規定は存在しない。そのため、台湾は米国に対し、金銭による賠償を求めることができない。納入遅延に対し、台湾側が再三の抗議と交渉を重ねた結果、金銭以外での補償へ切り替えることで協議が進められている。具体的には、米国の製造メーカーが提供する2年分の初期予備部品の数量を増やすことや、保証期間の延長などが検討されており、現在、米国政府がメーカー側と調整を行っているという。
顧氏は同日、立法院(国会に相当)で取材に応じ、米国側の補償および納入の進ちょく状況について言及した。現在、F-16Vの製造は「引き渡し可能な段階」に達しており、米国のプロジェクト担当事務室の計画に従って受領に向けた準備作業を進めていると説明した。戦闘機が台湾に到着する具体的な時期については、確定次第、対外的に公表すると述べた。
金銭以外での補償について顧氏は、「F-16V戦闘機は今年末までに全機を納入することは不可能で、協議と補償に向けた実務交渉を空軍が米国側と進めている」と説明。武器売却において違約金は発生しないものの、補償措置に関して米国側が前向きな姿勢を示していると強調し、「双方の調整を通じて具体的な補償策がまとまるはずだ。詳細なプランが決まり次第、改めて公表する」と語った。
また、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席による米中首脳会談が、米国による140億米ドル規模の対台湾武器売却の進ちょくに影響を与えるかについて、顧氏は「米国側から対台湾政策にいかなる変更もないとの説明を繰り返し受けている」と強調。武器売却案件についても米国側と継続的に協議を行っており、各案件の具体的な協力状況に関して現状変更の通知はこれまで受けていないと説明した。さらに、年内に米国側から何らかの発表があるかについては「引き続き米国側と調整を進める」と述べるにとどめた。
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