中国の習近平国家主席は9月24日より米首都ワシントンを訪問し、トランプ米大統領と米中首脳会談を行う予定で、その動向に世界的な注目が集まっている。今回の会談において、台湾問題や(米国による)台湾への武器売却がどの程度の比重を占めるかについては見方が分かれている。海外メディアの中には、中国が台湾問題の取引材料としてイラン問題を持ち出す可能性を指摘する声がある一方、米国の戦略専門家は、トランプ氏が北朝鮮問題に言及する可能性が高いと大胆に推測している。
台湾問題の一括解決は困難か
英ロイター通信は22日、複数の情報筋の話として、習氏はトランプ氏との会談で、1982年の米中共同声明(第2次上海コミュニケ)に対する中国側の解釈を引用し、米国に台湾への武器売却停止を求めるとのスクープを伝えた。さらに同報道では、中国がイランに圧力をかけ、米国を支援することを見返りとしてこの要求を受け入れさせる可能性があるとも伝えた。
これに対しワシントンのシンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ(Defense Priorities)」のアジア部門責任者、ライル・ゴールドスタイン氏は、電子メールを通じて『風傳媒(ストームメディア)』の取材に応じ、「今回の首脳会談が予定通り開催されることを歓迎する」と強調した一方、現在の米国の外交・国防政策の混乱を踏まえ、「今回の会談で重大な突破口が開かれることに、あまり期待はしていない」と述べた。
また、台湾の海巡署(沿岸警備隊に相当)と米沿岸警備隊の近年の協力について、米海軍大学校で教授を務めた経歴を持つゴールドスタイン氏は、中国が東南アジア地域における米哨戒艦の配備を西太平洋の海上覇権に対する挑戦と見なす可能性は低いものの、米台間の協力については異なる見方をするだろうと指摘。「中国政府は、米沿岸警備隊と台湾のシーパワーの協力を、『危険なライン』を越え得る越権行為と見なすだろう」と語った。
高度に敏感な台湾問題について、ゴールドスタイン氏は、ワシントンで開かれる今回の米中首脳会談で両国が突破口を見出そうとするのは「非現実的」だと分析する。むしろ、トランプ陣営は現在、もう一つの極めて危険なアジア太平洋地域の課題、すなわち北朝鮮問題に注力する可能性があるという。

北朝鮮問題が取引材料になる可能性も
ゴールドスタイン氏は昨年、米誌タイムへの寄稿で、台湾の頼清徳総統を「無謀な指導者」と批判し、台湾で広く名を知られるようになった。同氏は現在、ワシントンのシンクタンクでディレクターを務めるほか、米ブラウン大学ワトソン国際公共問題研究所の中国研究拠点、「チャイナ・イニシアチブ」のディレクターも務めている。それ以前は米海軍大学校で20年間にわたり教授を務め、中国語とロシア語に精通している。
ゴールドスタイン氏によると、現在テーブル上にある選択肢には、中国、北朝鮮、韓国、米国が参加する「4カ国協議」の再開、朝鮮戦争を正式に終結させる平和条約の締結、そして北東アジアの全ての国を網羅する提案などが含まれている。さらに野心的な交渉案としては、米国が北朝鮮を外交的に承認する見返りとして、北朝鮮が東欧に駐留する自国軍をすべて撤退させることに同意する、というものさえあり得るという。
ゴールドスタイン氏は、今年5月の米中首脳会談において、習氏が冒頭から台湾に対する中国の主権を強調したことを挙げ、この問題は本来、危機を引き起こしやすい性質を持つが、トランプ氏は習氏の意見に耳を傾け、その後、台湾の指導部を「危険な分離主義者」と批判し、台湾への武器売却を中国政府との交渉カードとして利用する道を選んだ。
同氏はまた、このトランプ氏の動きはワシントンの外交政策に関わる人物や評論界の多くの人々を「激怒」させたが、結果として現在、台湾海峡情勢の不安定さは以前よりも低下していると強調した。
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編集:平松靖史 (関連記事: 【図解】米中首脳会談を前に台湾へ圧力か 中国軍機が南西空域で70時間超、ヘリ・無人機で北部・澎湖への作戦想定も | 関連記事をもっと読む )













































