【図解】中国の出入国新規定、台湾人も出国制限の対象に? 台湾当局が「5大高リスク層」に警告
陸委会の邱垂正・主任委員は、中国では4つの法規により台湾住民を「中国公民」と規定していると指摘。台湾企業の関係者、ハイテク技術者、政治評論家、宗教関係者、公務員の5分類は新規定の施行による中国渡航リスクが高いとして警戒を呼びかけた。(資料写真/柯承恵撮影)
台湾の対中政策を統括する大陸委員会(陸委会)の邱垂正主任委員は22日、中国の4つの法規(憲法前文、国家安全法、反国家分裂法、中国公民往来台湾地区管理弁法)が台湾住民を「中国公民」と定義していると指摘した。中国側の出入境に関する新規定の施行に伴い、「中国進出企業の経営者・幹部」、「半導体などの技術者」、「政治評論家」、「宗教関係者」、「公務員」の5分類に該当する台湾住民は、中国へ渡航した際に出国できなくなる恐れがあると警告した。
中国大陸の出入境新規定が施行
中国国務院(政府)は先ごろ、「出入国管理に関する規定」を公布し、15日に施行した。新たな規定では、中国公民が輸出管理規制に違反し、国家の産業の安全や技術の安全を脅かす可能性がある場合、政府は当該人物の出国を禁止できると定めている。台湾内では、中国政府が中華民国の旅券(パスポート)を認めておらず、台湾住民が「台湾同胞身分証明書(台胞証)」で中国に入国した場合、「中国公民」として扱われるため、新規定が中国へ渡航する台湾人にも適用される可能性があるとの見方が広がっている。
邱氏は22日、ラジオ番組のインタビューに応じ、中国は本来、人の流動や国境管理が非常に厳格な国だと指摘。今回の新規定は国境管理規則を明文化したものだが、中国の人民の間でさえ出国できなくなるのではないかという懸念の声が上がっていると指摘している。
台湾人を「中国公民」とみなす中国の4法規
邱氏の指摘:4つ法規で台湾住民が「中国公民」の法的枠組みに組み込まれている
| 法規 | 重要な表現 | 台湾人への言及 |
|---|
| 1憲法前文 | 重点「全中国人民」に台湾同胞を含む | 意義「全中国人民」に内包 |
| 2国家安全法 | 重点主権、領土保全などの義務 | 意義共同義務として規定 |
| 3反国家分裂法 | 重点国家主権と領土保全の維持 | 意義主権義務の枠組みに内包 |
| 4往来台湾管理弁法 | 重点台湾人民=台湾居住の中国公民 | 意義直接的に「中国公民」と呼称 |
携帯電話・PCデータの提出が強制される恐れ
邱氏は、今回の新規定における第1の注目点として、中国の移民管理当局が、中国公民や外国人を問わず出入境者に対し、携帯電話やノートパソコンのデータ提出を要求できる点を挙げた。要求を拒否した場合、出入国が禁止されるほか、高リスク人物としてリストアップされる可能性がある。同氏は、「個人情報や公務に関する機密情報が漏洩する恐れがあるため、中国へ渡航する際はデータが空の携帯電話とノートパソコンを持参することを推奨する」と述べた。
第2の注目点として、技術分野の輸出入管理規定に違反した場合、産業の安全を脅かすと判断され、出国が禁じられる可能性がある点を挙げた。さらに、当局が法執行の裁量を拡大し、恣意的な解釈を行うことも可能だと指摘している。
中国への渡航に注意!5大高リスク人物
邱氏の警告:以下の5分類に該当する人物は中国渡航前により厳格な安全確認を
| 分類 | 主な対象 | 記事で言及されたリスク |
|---|
| 1台湾企業経営者・幹部 | 対象中国で勤務、頻繁に渡航 | 中核技術を有する者は特に注意 |
| 2技術者 | 対象半導体などハイテク業従事者 | 中核技術に関与する場合、出国リスクあり |
| 3評論家・メディア | 研究者、インフルエンサー、記者、評論家 | リスク中国共産党を批判した経歴のある者はリスク大 |
| 4宗教関係者 | 対象宗教・布教活動に関与する者 | リスク宗教活動が統制される可能性 |
| 5公務員 | 対象台湾の公務員 | リスク公務情報が収集対象となる恐れ |
台湾人も中国公民とみなされる
台湾居民来往大陸通行証(通称、台胞証)を持つ台湾住民が「中国公民」とみなされるか否かについて、邱氏は、中国共産党は以前より台湾住民を中国公民とみなしており、多くの法制度上でも同様の扱いをしていると指摘する。例えば、中国の「憲法前文」では、台湾同胞を含む全中国人民にとって、祖国統一の完成が神聖な責務であると記されている。また、「国家安全法」や「反国家分裂法」においても、国家主権や領土保全の維持は、台湾同胞を含む全中国人民の共同義務であると強調されている。
また邱氏は、一部の行政規定も同様の定めをしていると説明した。「中国公民往来台湾地区管理弁法」では、台湾人民を「台湾地区に居住する中国公民」と規定している。別の関連行政規定でも、台湾住民を「台湾地区に定住し、(中国)大陸の戸籍を持たない中国公民」と定義している。「彼ら(中国)の法制度から見て、台湾住民が中国公民とみなされる可能性を排除することは極めて困難だ」と述べた。
5分類の台湾住民は中国渡航のリスク大
邱氏は、多くの台湾企業関係者が頻繁に中国へ出張しているが、その多くは中核技術を有する技術者だと強調する。そのため、陸委会は「入国はできても出国できない可能性がある」と警告を発している。「中核技術を持つ研究開発者は、中国を出入境する際、より慎重な安全評価と入念な準備を行うべきだ」と呼びかけた。
最後に邱氏は、最新版のの高リスク層「5大分類」を提示し、中国への渡航リスクに警戒するよう促した。
第1の分類は、中国に駐在する台湾企業の経営者・幹部。第二は、半導体関連などの技術者。第3は、政治評論家、専門家・研究者、インフルエンサー、メディア関係者で、特に中国共産党を批判する立場の人物はリスクが高い。第4は、宗教・布教活動に関わる人物。中国には宗教の自由がなく、現在も一貫道(台湾発祥の宗教)の信者17人が拘束されている。第5は公務員、中国当局は台湾の公務情報に強い関心を寄せ、極めて重視しているため、組織的な情報収集を行っている可能性は排除できないと総括した。
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