パラグアイ大統領、銀行危機で辞任 台湾の南米唯一の国交国、外交部「関係に影響ない」

辞任を表明したパラグアイのペニャ大統領。(資料写真/黄信維撮影)
辞任を表明したパラグアイのペニャ大統領。(資料写真/黄信維撮影)

台湾にとって南米で唯一、外交関係を有するパラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領が5日、金融危機を背景に辞任を表明した。ペドロ・アリアナ副大統領が後任を務める見通しだ。これに対し、台湾外交部(外務省)の陳明祺・政務次長は6日午前、メディアの取材に対し、台湾はパラグアイ情勢の成り行きを注視しており、現地大使館を通じて状況を継続的に把握していると述べた。また、台湾政府は引き続きパラグアイの与党や各界の関係者と良好な関係を維持していくとし、「全体的な状況は依然として我々が掌握している」と強調した。

預金者数がパラグアイの総人口の半数近くを占める同国のデジタル銀行、ウエノ銀行(Ueno Bank)について、パラグアイ中央銀行は現地時間今月3日、深刻な資本不足に陥り、最低支払余力基準(ミニマム・ソルベンシー・マージン)を満たしていないと認定した。中央銀行の介入後、ウエノ銀行の約300万人の預金者が口座を利用できなくなり、パラグアイ全土で抗議デモが巻き起こった。過去に財務相や中央銀行の理事を務めたペニャ氏は、過去にウエノ銀行と取り引き関係にあり、同銀行グループの株式を保有していたこともあるため、パラグアイの野党議員らは4日に弾劾決議案を提出していた。

パラグアイの与党・コロラド党(Colorado Party)の国会議員からもペニャ氏の辞職を求める声が上がる中、同氏は5日に辞任を表明。その後、パラグアイ下院は全会一致でペニャ氏の弾劾決議案を可決した。これに先立ち、ペニャ氏はパラグアイ中央銀行のカルロス・カルバジョ総裁に辞任を要求し、銀行に対し5営業日以内に大部分の資金を預金者に返還させる法律を公布していたが、国民の怒りを鎮めることはできず、最終的に退陣を余儀なくされた。

注目すべきは、パラグアイが台湾にとって現在南米で唯一の国交樹立国であり、ペニャ氏が台湾を支持する重要人物だったことだ。今年9月の国連総会開会中、ペニャ氏は台湾を強く支持し、パラグアイは「中立を保つ」ことはなく、民主主義、法の支配、人権、平和など、台湾とパラグアイが共有する深い価値観に基づき、台湾側に立つと明言していた。また、2023年8月にペニャ氏がパラグアイ大統領に就任した際、当時は副総統だった台湾の頼清徳現総統は総統の特使として訪問団を率い、就任式に出席した。

過去にペニャ氏とペアを組んで出馬し、当選したアリアナ副大統領が、パラグアイの指導者を引き継ぐ見通しであることについて、今年6月にパラグアイを訪問した外交部の陳・政務次長は6日午前、立法院(国会に相当)でメディアの取材に対し、外交部はパラグアイ情勢の全体的な成り行きを注視していると回答した。ペニャ氏の辞任後、アリアナ氏が大統領職を引き継ぐことは承知しているとし、「我が国の在外公館は状況をしっかりと把握している。同時に強調しておきたいのは、パラグアイにおいて引き続き与党や各界の有識者と良好な連絡を保っていくということだ。全体的な状況は現在も我々の掌握下にある」と述べた。

台湾が近年、パラグアイで進めている「台湾・パラグアイ主権AIコンピューティングセンター」や「台湾・パラグアイ・スマートサイエンスパーク」などの複数の協力プロジェクトの今後の展開について、外交部は同日昼、「風傳媒」の質問に対し、パラグアイの政治情勢を注視し、同国の憲政体制と民主的プロセスを尊重すると回答した。

また、台湾とパラグアイの協力関係は緊密であり、関連プロジェクトは民生の福祉向上に寄与するもので、政治情勢の発展が両国の友好関係や協力の推進に影響を与えることはないと説明した。台湾は引き続き互恵共栄の精神に則り、パラグアイと共同で各分野の交流と協力を推進し、双方向の長く確固たる民主的盟友関係を深めていくとしている。

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