中国、台湾と国交維持のパラグアイ・ベリーズ閣僚を制裁 国交樹立国の高官では初
7月1日、パラグアイが中国との経済貿易関係発展を目指している問題について、台北で記者の質問に答える台湾の林佳龍外交部長。(中央社)
中国外交部(外務省)は12日、第21号および第22号外交部令を公布し、パラグアイのグスタボ・エミグディオ・ビジャテ・サマニエゴ(Gustavo Emigdio Villate Samaniego)情報通信・技術相と、ベリーズのフランシス・フォンセカ(Francis Fonseca)外務・貿易・教育・文化・科学技術相に制裁を科すと発表した。「反外国制裁法」に基づき、即日より中国国内における動産、不動産およびその他財産の凍結、中国国内の組織および個人との取引や協力の禁止、ビザ(査証)の発給拒否、香港およびマカオを含む中国への入国禁止といった措置を講じる。
中国外交部は発表の中で、近年パラグアイとベリーズの一部の「反中政治家」が個人的な利益のため、台湾とのいわゆる「外交関係」の維持を「頑なに支持」し、中国に関わる問題において一連の「悪質な言動」を取り、「中国の核心的利益を損なっている」と指摘。同部は、今回の措置が国家の主権、安全および発展の利益を守り、「台湾独立」という分裂行為に反対するためのものだと説明した。
米ブルームバーグによると、台湾が国交を樹立している国の政府高官に対し、中国政府がこうした措置を講じるのは初めて。過去の同様の制裁は、台湾と往来のある欧米や日本の政治家を対象とするケースが大半だった。
一方で、英ロイターおよびブルームバーグはともに、同措置の実質的な影響は限定的との見方を示した。通常、両閣僚が中国を訪問することはなく、制裁は象徴的な意味合いが強いという。
台湾と正式な外交関係を持つ国は現在12カ国あり、そのうちパラグアイとベリーズを含め7カ国が中南米およびカリブ海地域に位置している。ロイターは、中国が近年、台湾に残された国交樹立国に対する圧力を継続的に強めており、直近では2024年にナウルが台湾と断交したと指摘している。
パラグアイ、ベリーズ両国と台湾の交流は近年、一段と緊密化している。パラグアイのペニャ大統領は今年5月に台北を訪問し、サイバーセキュリティー、司法共助、人工知能(AI)コンピューティング投資などに関する協定に署名した。台湾の林佳龍外交部長(外相)は9月下旬にベリーズを訪問し、ビジネス使節団を率いて投資機会を模索した。ロイターはさらに、ビジャテ氏が6月に台湾の陳明祺外交部政務次長と面会したほか、フォンセカ氏も先月ベリーズで林氏と会談したと報じている。
制裁対象となったビジャテ氏は、台湾の国慶節(建国記念日、10月10日)に自身のSNSを更新し、パラグアイと台湾の関係は民族自決、人権、民主主義といった共通の価値観に基づいていると英語で発信した。また、駐台ベリーズ大使館は制裁が発表される直前、フェイスブック上で両国の国交樹立37周年を祝う投稿を行っていた。ロイターの報道時点では、パラグアイ、ベリーズ両政府、および台湾外交部はいずれもコメントを発表していない。
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