TSMCだけではない台湾の半導体力 フランスが研究開発から連携、「台湾抜きでは成り立たない」

2026-10-13 13:04
欧州では、台湾との半導体協力はもはやファウンドリーへの生産委託にとどまらず、研究開発段階へと広がりつつある。写真は2026年9月の国際半導体展「SEMICON Taiwan」に設けられたフランス・パビリオン。(フランス在台協会公式Facebookより)
欧州では、台湾との半導体協力はもはやファウンドリーへの生産委託にとどまらず、研究開発段階へと広がりつつある。写真は2026年9月の国際半導体展「SEMICON Taiwan」に設けられたフランス・パビリオン。(フランス在台協会公式Facebookより)

台湾の半導体産業が持つ製造力は、長年にわたり海外の顧客や各国政府の関心を集めてきた。しかし欧州諸国にとって、台湾との連携はもはや単にファウンドリー(半導体受託製造)へ生産を委託するだけにとどまらず、研究開発段階にまで広がりつつある。

つまり、欧州の研究機関は技術の研究開発段階から、台湾との協業を模索し始めている。

フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)傘下の電子・情報技術研究所(CEA-Leti)は、欧州の三大国立研究機関の一つに数えられる。同機関の国際担当ディレクター、ブルーノ・パン(Bruno Paing)氏は先日、台湾で、台湾とフランスの科学技術協力について、技術成熟度がまだ低い先端技術の段階から連携を始め、応用がより具体化した段階で産業界のパートナーに加わってもらうことができるとの考えを示した。

一方、フランスのプロセッサ設計企業シパール(SiPearl)のフィリップ・ノトン(Philippe Notton)最高経営責任者(CEO)は、欧州は台湾の受託製造能力を活用するだけでなく、自らより多くのIC設計企業を育成する必要があると指摘している。欧州が自立し、域内でより多くの半導体設計企業を育ててこそ、台湾の強みを足場にしながら、半導体分野における欧州の経済安全保障を強化できるとの見方だ。

2026年9月初旬の「SEMICON Taiwan」開幕を控える中、フランスは「French Silicon Night」と題した座談会を開催した。右から2番目が仏シパール(SiPearl)のノトンCEO、同3番目がCEA-Letiのパン国際担当ディレクター。(画像:フランス在台協会Facebookより)
2026年9月初旬の「SEMICON Taiwan」開幕を前に開かれた「French Silicon Night」の座談会。右から2人目は仏半導体設計会社SiPearlのフィリップ・ノトンCEO、右から3人目はCEA-Letiの国際担当ディレクター、ブルーノ・パン氏。(フランス在台協会公式Facebookより)

仏研究機関が台湾の力積電と連携 次世代AIシステムの基幹技術を開発

今年4月初旬、CEA傘下のCEA-LetiとCEA-List(スマートデジタルシステム研究所)は、台湾のファウンドリー、力積電(PSMC)と複数年にわたる戦略的提携契約を締結した。半導体分野におけるフランスと台湾の協力が一段と深まっていることを示した。

今回の協力では、シリコンフォトニクス、光インターコネクト、RISC-Vアーキテクチャなどの分野でフランス側が持つ技術的な強みと、PSMCが先端プロセス、とりわけ3D積層技術で持つ産業面の強みを組み合わせ、次世代AIシステムの基幹技術の開発と産業化を共同で進める。

フランス在台協会(French Office in Taipei)によると、急速に拡大する世界のコンピューティング需要を背景に、エネルギー効率、データ伝送、インフラ性能といった産業界の課題に対応し、データセンターやAIアプリケーションに向け、より高効率で拡張性の高いソリューションを見いだすことが狙いだ。

今回の合意は、研究開発と産業の両面でフランスと台湾が高い補完関係にあることを示すとともに、重要な戦略分野における双方の協力基盤をさらに強化するものとなった。 (関連記事: フランスと台湾、半導体・AIで協力加速 「COMPUTEX 2026」に仏企業12社、投資計画も相次ぐ | 関連記事をもっと読む )

「台湾は半導体製造で世界一、欧州には優れた研究開発力」

9月初旬、国際半導体展「SEMICON Taiwan」の開幕を前に、フランス在台協会は「French Silicon Night(フレンチ・シリコン・ナイト)」を開催した。今年同展に参加するフランス代表団のほか、台湾側の協力機関や半導体スタートアップが集まり、フランスと台湾の半導体協力の現状と今後について意見を交わした。

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