【ドローン神話⑦】「台湾には世界最高のサプライヤーがいる」 米防衛テック企業が続々進出する理由

2026-10-11 19:11
米防衛AIスタートアップのシールドAIは2025年9月、台湾に拠点を開設した。写真は同社共同創業者の曾国光(ブランドン・ツェン)氏。(柯承惠撮影)
米防衛AIスタートアップのシールドAIは2025年9月、台湾に拠点を開設した。写真は同社共同創業者の曾国光(ブランドン・ツェン)氏。(柯承惠撮影)

台湾ではこの1〜2年、ドローン産業がかつてない活況を呈している。とりわけ軍用ドローンをめぐっては、昨年9月の台北国際航空宇宙・防衛産業展(TADTE)に国内外の多数のメーカーが出展し、各種部品サプライヤーの展示も目を見張るほどの充実ぶりだった。さらに、ウクライナで自社製品の運用実績を持つ米国の有力防衛テック企業、アンドゥリル・インダストリーズやシールドAIが相次いで台湾に拠点を設け、台湾を東アジアの重要拠点として位置づけている。

それだけではない。この2年間、各国からドローン関連の視察団が途切れることなく訪れ、2026年上半期だけでも米国、チェコ、デンマーク、ドイツの代表団が来台した。今年7月初めには、米国在台協会(AIT)(台湾との断交後に米国の対台湾窓口として設置された機関)と台中市政府が「領航2026-台中無人載具産業と海外商機フォーラム」を共催している。

ドローンの開発を目指す外国から見て、台湾はなぜ急にこれほど注目を集めるようになったのか。

アンドゥリル、シールドAIが台湾に相次ぎ拠点

2025年にさかのぼる。同年8月、米国の有力防衛テック企業、アンドゥリル・インダストリーズの共同創業者パルマー・ラッキー氏(VR機器「オキュラス」の創業者としても知られる)が、台湾人工知能学校(台湾AIアカデミー)の招きで国立台湾大学において「抑止、テクノロジー、そして台湾防衛」と題して講演した。

ラッキー氏は、台湾は「国防分野における技術・産業ルネサンスの波頭に立っている。このルネサンスは、台湾がすでに築き上げた民生用電子機器や産業用電子機器の技術・産業ルネサンスの上に成り立つものだ」との見方を示した。

同年9月には、同じく米国の有力防衛テック企業であるシールドAIが台北国際航空宇宙・防衛産業展に出展し、ブースで偵察用無人機「V-BAT」を展示した。同社は同じ週に、台北101ビルに台湾拠点を開設した。

台湾国防部の顧立雄国防部長(右)にドローンの模型を贈る米アンドゥリル・インダストリーズ創業者のパルマー・ラッキー氏(左)(台湾国防部提供)
米アンドゥリル・インダストリーズの創業者パルマー・ラッキー氏(左)が、台湾の顧立雄国防部長(右)にドローンの模型を贈呈した。(台湾国防部提供)

同じ台北国際航空宇宙・防衛産業展では、国家中山科学研究院(中科院)(台湾国防部傘下の兵器研究開発機関)がアンドゥリル、カナダのエアシェア(AirShare)と調達契約を結んだほか、米エアロバイロンメント(AeroVironment)など欧米の複数企業と契約や覚書(MOU)を交わした。次世代の国防技術の研究開発を共同で進めるもので、協力範囲は無人機・無人車両などの無人ビークル、対ドローン(カウンタードローン)、ミサイルシステムの統合から無人艇(水上ドローン)といった先端技術にまで及ぶ。

今年2月には、中科院がシールドAIと契約を締結した。同社が開発したAIプラットフォーム「Hivemind」を中科院の無人システムに統合し、自律的な任務遂行や複数の無人システムによる協調運用能力を高める狙いだ。 (関連記事: 【ドローン神話①】台湾はドローンだけで中国軍を食い止められるのか 米軍の「ヘルスケープ」、なぜ無人機は「主役」ではなくなったのか | 関連記事をもっと読む )

シールドAIのサプライチェーン責任者「台湾には世界最高のサプライヤーがいる」

わずか1年余りの間に、これらの外国ドローン企業が台湾市場を探りに来ただけでなく、台湾に拠点まで設け、さらには中科院と調達契約や協力の合意を交わしたのはなぜなのか。

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