文化部駐日台湾文化センターは10月1日から30日まで、東京で特別展「伝統から未来へ—時代を超える台湾生活工芸(Tradition into Future)」を開催している。
「伝統から未来へ」をテーマに、台湾各地から集められた40点以上の工芸作品を展示。竹、木、イグサ、バナナ繊維といった台湾原産の素材や先住民族工芸による多彩な創作を通じ、伝統技術や地域文化に根ざしながら、現代のデザイン、ファッション、生活美学と融合を遂げる台湾生活工芸の今を紹介している。
台湾文化センターで開幕 有隣堂や日本側キュレーターら出席
本展は台湾文化センターが主催し、国立台湾工芸研究発展センターと公益財団法人日本台湾交流協会が共催を務め、10月1日に開幕式が行われた。
会場には、台湾文化センターの曽鈐龍主任をはじめ、誠品生活日本橋を運営する老舗書店・有隣堂の松信健太郎社長、日本側キュレーター代表のノンフィクション作家・平野久美子氏、開幕講座に登壇した服飾デザイナーで「C JEAN」創業者の簡君嫄氏、日本手芸普及協会の星野方史理事長、さらに関連する流通・工芸関係者らが出席し、開幕を見守った。
曽鈐龍主任「台湾の工芸文化には独自性と物語性」
台湾文化センターの曽鈐龍主任はあいさつで、昨年、本展の企画に着手した際、「工芸文化とは何か」「台湾の工芸文化とは何か」と自問したと振り返った。
今もその答えを探し続けているとしつつ、工芸文化という言葉から連想される「人」「天然資源」「歴史の巡り合わせ」「美」といった要素が台湾で重なり合い、多様で豊か、かつ独自性と物語性を備えた特質を形作っていると強調した。
また、この展示を通じて台湾の工芸文化の物語を東京で届けることができたとして、日本側のキュレーションチームに謝意を表明した。
有隣堂社長「台湾工芸は伝統と現代が溶け合う」
有隣堂の松信健太郎社長は、コロナ禍以降の数年間で台湾を50回以上訪問した経験に触れ、台湾工芸は伝統を尊重すると同時に、クリエイターやデザイナーの個性や現代的な思想が取り入れられ、伝統と現代が溶け合う独自の魅力を持っていると評した。
さらに、日本における台湾工芸の普及にはまだ大きな伸びしろがあるとの見解を示し、本展を通じてより多くの日本人に台湾工芸を知ってもらい、台湾と台湾の人々への理解を深めることで、日台交流を促したいと語った。
平野久美子氏「工芸を通じて台湾を再認識」
日本側キュレーター代表の平野久美子氏は、1990年代初頭から台湾に関わり、30年以上にわたって歴史や文化、生活について執筆してきたが、ここ2年で台湾各地の工房を巡る中で、新たな側面に数多く触れたと述べた。 (関連記事: 長年行方不明だった台湾の国宝「甘露水」を追う映画、東京で上映 東京美術学校に学んだ黄土水の足跡を描く | 関連記事をもっと読む )
台湾工芸の背景には、土地への深い愛着、革新的な創造力、地域社会の強いつながりがあると指摘し、工芸という視点を通じることで台湾を再認識し、文化の深みと豊かさをより強く実感したと語った。













































