日本外国特派員協会(FCCJ)で、日本の若年層における自殺の増加をテーマにした記者会見が開かれた。
司会を務めたジャーナリストのデイビッド・マクニール氏は、日本では10代(10~19歳)の死因の第1位が自殺となっており、児童生徒の自殺者数は2023年度(令和5年度)に538人に上るなど、近年増加傾向が続いている深刻な現状を報告した。
会見には、10代の生きづらさと自死遺族の苦悩を描いたドキュメンタリー映画『The Ones Left Behind: When Tomorrow Feels Impossible(取り残された人々:明日が不可能だと感じるとき)』のライアン・マカボーイ監督と、作中で息子の自死について証言した遺族の広沢哲氏が登壇した。
来年4月の公開を前に作品の一部映像が上映され、子どもたちが抱える心理的負荷の実態や、社会的な支援のあり方について意見が交わされた。
子どものメンタルヘルス 「外からは見えにくい」苦悩
上映された映像では、子どものメンタルヘルスの問題は外見から察知しにくく、当事者自身も自覚して声を上げることが極めて困難である点が示された。
精神的な健康課題の半数は14歳までに生じるとされる一方、ユニセフが公表した先進国の幸福度調査では、日本は身体的健康で1位を獲得したものの、精神的幸福度では最下位に近い位置にある現状が紹介された。
また、作中には高校1年で自殺未遂を経験した当事者や、小学4年からのいじめにより12歳で我が子を失った母親、親からの学業へのプレッシャーに苦しむ若者の声などが収められている。
政府の自殺対策白書においても、日本はG7の中で唯一、10代の死因第1位が自殺となっている国であることが示された。
一人息子を亡くした広沢哲氏 気づけなかった「小さな変化」への後悔
自死遺族の広沢哲氏は、2018年9月、中学3年生だった一人息子の翔(かける)さんを亡くした経緯を語った。
翔さんは修学旅行から帰宅した翌日、塾へ向かうため家を出た後に亡くなった。直前にはメッセージアプリのステータスに「みんなバイバイ」と残していたものの、遺書はなく、詳しい動機は今も分かっていない。
広沢氏は、息子が幼少期から欲がなく、ニーチェの書籍を読んだり、詩に自殺という言葉をつづったりするなど独特の感性を持っていたことを振り返った。
その一方で、台所で小声で話していたことや、うつ病への言及など、わずかな異変に十分気づくことができなかったとの後悔を吐露した。
「気の利いた言葉より、隣で痛みに耐えること」
現在、自死遺族の自助グループ代表を務める広沢氏は、映画の撮影を通じて「生きづらさの渦中にある子どもたちにかける言葉を、自分はまだ持てていなかった」と気づかされたと語った。 (関連記事: 熊谷千葉県知事、「特別市」構想に慎重 大都市独立で広域調整機能「損なわれる」と懸念 | 関連記事をもっと読む )
その上で、周囲の大人がどう寄り添うべきかとの問いに対し、気の利いた言葉をかけることよりも、ただ隣に寄り添い、その人の沈黙と痛みに共に耐えることが最も大切だと訴えた。













































