中国人の6割が台湾問題の平和解決を支持 「武力統一反対」37%、米調査で浮かぶ対台湾世論

2026-10-12 18:03
風傳媒のネット番組「下班瀚你聊」に出演した台湾大学政治学科の明居正名誉教授。(資料写真/柯承恵撮影)
風傳媒のネット番組「下班瀚你聊」に出演した台湾大学政治学科の明居正名誉教授。(資料写真/柯承恵撮影)

​米国の非政府組織(NGO)、カーターセンター(The Carter Center)とエモリー大学(Emory University)が中国人を対象に実施した調査によると、中国人の台湾に対する好感度は61ポイントに達し、他のどの国・地域に対する好感度よりも高かった。また、回答者の6割が両岸(中台)問題の平和的解決を支持し、37.2%が「いかなる状況下でも台湾を武力で統一すべきではない」と回答した。これに対し、台湾大学政治学科の明居正名誉教授は、インターネット番組「下班瀚你聊」に出演し、自身が過去に経験した中国で交流を基に、「この世論調査は信頼できる」と述べた。

明氏は同調査について、中国全土の中国市民2500人を対象に今年4月から6月にかけて実施されたと指摘。一般的な世論調査のサンプル数は1000人程度だが、この調査では2500人で、中国の公式データに基づいて地域や性別の割当が設定されたという。

武力統一反対の世論は過小評価の可能性

明氏は台湾の状況を例に挙げ、戒厳令解除の初期には政治情勢の影響を受け、民主進歩党(民進党)の支持者が自身の政治的傾向を明らかにすることが少なかったと指摘。その結果、データと実際の投票結果に最大3倍の乖離が生じたが、数年後にはその差が徐々に縮小したと述べ、中国で実施された今回の世論調査でも、武力統一に反対する世論が過小に評価されている可能性があるとの認識を示した。

明氏は、現在の政治環境下でも6割の中国市民が両岸関係の平和的処理を支持していることから、実際の世論はさらに高い可能性があると強調した。これは中国で対台湾政策を統括する国務院台湾事務弁公室(国台弁)や外交部(外務省)が示す印象とは全く異なるものだ。また、台湾に好戦的なイメージの中国政府の顧問もかつて、台湾で過ごす週末は非常に快適だと語り、台湾を「中国のスイス」のようにし、中国人が訪れて「心を浄化」できる場所にすべきだと提案したことがあると明らかにした。

若年層における武力統一反対の比率が上昇

明氏は、過去に中国人学者と交流した経験から「この世論調査の結果は信頼に足る」と明言した。しかし、多くの中国人が台湾に好感を持ち、両岸関係の平和的処理を支持している一方で、多くの台湾人は中国に好感を抱いておらず、これは共産党政府の存在が原因だと指摘した。台湾人が中国を好まないのは、自身のルーツを忘れたからではなく、中国の与党や政治制度に賛同できないためとの認識を示し、中国共産党の建国精神は愛や平和ではなく「恨み」であり、それが中国の生活様式にも表れていると述べた。

明氏は、ある中国人女性がショート動画を通じて台湾旅行の感想を語ったことにも言及した。彼女は「台湾に来て『異なる風貌を持つ中華』を見ることができた」と語っている。これに加え、多くの中国人観光客が台湾での長期滞在を希望しており、その理由は公安当局に逮捕される懸念がないからだと述べた。

なお明氏は、回答者の37.2%が「いかなる状況下でも武力統一すべきではない」と回答した点について、この傾向は若年層でさらに強く、徐々に上昇し続けていると指摘した。これは驚くべき調査結果であり、一人っ子政策の影響により、戦争に反対する中国の親が増加していることが原因ではないかと分析した。

台湾が独立を宣言しないとの前提の下で、台湾に対する武力行使を支持する中国の世論は約25%にとどまる。明氏はまた、民進党は「台湾前途決議文」(1999年、台湾は事実上すでに独立した民主国家との前提の下、現状の変更には台湾全住民による住民投票が必要と主張)を採択して以来、今日に至るまで現状維持を堅持しており、仮に台湾に独立の意図があったとしても、米国によって阻止される可能性があると指摘した。

編集:平松靖史

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