米軍採用の「ロボット犬」、台湾で生産へ 台湾食品大手・義美などの合弁会社が海外ライセンス、中科院と銃塔も開発

2026-10-13 17:56
米軍が採用する米Ghost Robotics製の四足歩行ロボット「Vision 60」。台湾の鞍全盟無人系統が海外生産ライセンスを取得しており、2026年10月11日、インド太平洋戦略シンクタンク主催の「台日科技未来フォーラム」で披露された。(インド太平洋戦略シンクタンク提供)
米軍が採用する米Ghost Robotics製の四足歩行ロボット「Vision 60」。台湾の鞍全盟無人系統が海外生産ライセンスを取得しており、2026年10月11日、インド太平洋戦略シンクタンク主催の「台日科技未来フォーラム」で披露された。(インド太平洋戦略シンクタンク提供)

米軍が採用している米Ghost Robotics製の四足歩行ロボット「Vision 60」について、台湾の鞍全盟無人系統が海外生産ライセンスを取得した。6月の国家中山科学研究院(中科院)(台湾国防部傘下の兵器研究開発機関)での公開、8月の「台湾ロボット・スマートオートメーション展」での展示に続き、11日にはインド太平洋戦略シンクタンクの「台日科技未来フォーラム」にも登場した。

台湾における軍用無人システムの活用が、空のドローンや海の無人艇から、陸上の「ロボット犬」にまで広がったことを示しており、無人技術の新たな姿を印象づけた。

インド太平洋戦略シンクタンクが2026年10月11日に開いた「台日科技未来フォーラム」。右から同シンクタンクの矢板明夫執行長、岩田清文・元陸上幕僚長、王美花・前経済部長、国家基本問題研究所の櫻井よしこ理事長、石平参院議員、鞍全盟無人系統の呉栄燦副総経理(蔡親傑撮影)
インド太平洋戦略シンクタンクは2026年10月11日、「台日科技未来フォーラム」を開催した。右から同シンクタンクの矢板明夫CEO、岩田清文・元陸上幕僚長、王美花・元経済部長(経済相)、国家基本問題研究所の櫻井よしこ理事長、石平参院議員、鞍全盟無人系統の呉栄燦副総経理(副社長)。(蔡親傑撮影)

食品大手・義美、盟立、新代などが合弁 無人機器市場に参入

11日に披露されたロボット犬の本体は、米Ghost Roboticsが開発した「Vision 60」のプラットフォームだ。米海兵隊、陸軍、空軍に採用され、世界での納入数は1000台を超える。

台湾の国防安全研究院の研究によると、ロボット犬の米軍での正式名称は「四脚型無人地上車両」(Quadrupedal-Unmanned Ground Vehicle、Q-UGV)で、メーカーにはGhost Roboticsのほか、ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)やL3ハリスなどがある。

Ghost Roboticsの「Vision 60」の海外生産ライセンスを得た鞍全盟無人系統は、食品大手の義美グループが、自ら出資するロボット部品メーカーの盟立自動化(Mirle Automation)、金鞍機械、システムインテグレーターの新代科技(Syntec)とともに、2025年5月に共同で設立した会社だ。当初の社名は「鞍新盟機器人製造」で、その後、現在の名称に変更した。

2026年10月11日、インド太平洋戦略シンクタンクの「台日科技未来フォーラム」で披露された米軍現役のロボット犬「Vision 60」(劉煥彥撮影)
米軍が採用する米Ghost Robotics製の四足歩行ロボット「Vision 60」。2026年10月11日、インド太平洋戦略シンクタンク主催の「台日科技未来フォーラム」で披露された。(劉煥彦撮影)

活用のカギは「同じ機体に異なる任務用装備」

鞍全盟無人系統の呉栄燦副総経理(副社長)によると、ロボット犬を役立てるカギは任務用の搭載装備(ペイロード)にある。装備の組み合わせを変えることで、同じ機体で巡回点検、捜索救助、防護、探知など複数の任務をこなせるという。

ナビゲーションと稼働時間の面では、「Vision 60」はLiDAR(ライダー)を搭載でき、高度な障害物回避機能を備える。固定された障害物や動く障害物があっても、複雑な地形で自律的に巡回したり経路を計画したりできる。

GPSの電波が届かない環境でも、屋内や地下で正確に位置を特定できる。ワイヤレス充電台と組み合わせれば、ロボット犬が自ら戻って充電できるため、維持コストの低減につながるほか、長時間続く警備・監視任務にも向いている。

機械操作の面では、6自由度のロボットアームを備え、動きは柔軟で着脱も簡単だ。ドアを開けたり、弾薬をつかんだり、ファスナーを開けたりすることもできる。 (関連記事: 「日台は今こそ防衛産業協力を」 岩田清文・元陸上幕僚長、ドローン連携で世界市場開拓を提言 | 関連記事をもっと読む )

アームの把持力は11.3キロに達し、3.75キロの物をつかんで動かせる。爆発物処理や災害救助、危険な環境での作業に適しており、暴動鎮圧や不審物処理の際に人員のリスクを下げることができる。

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