米半導体大手マイクロン・テクノロジーの台湾法人で労使紛争が長期化している。労働組合は営業利益の15%を原資とする利益配分制度の導入を求め、先に合法的なストライキ権を取得した。こうした中、米ブルームバーグ通信は関係者の話として、マイクロンが労使紛争を背景に、2028年の稼働を予定していた台湾・桃園の新工場「Fab 11E」の建設をほぼ停止していると報じた。投資規模は30億~45億ドルとされる。
これに対し、マイクロンの桃園の労組と台湾の経済部(経済産業省に相当)がそれぞれ声明を出した。
報道によると、労使紛争が解決しない中、経営陣は不確実性の高まりを懸念しており、台湾当局者やサプライヤーにFab 11Eの建設停止計画を伝えたという。同工場の予算には、オランダの半導体製造装置大手ASMLの設備購入も含まれ、2028年に生産を始める計画だった。
マイクロンの台湾法人は「台湾はマイクロンのグローバル事業で重要な役割を担っており、台湾での事業は現在、通常通り運営している」とコメントした。台中の労組とはすでに合意しており、同労組は台湾の従業員と生産拠点の大部分を代表していると説明。桃園市政府が設ける今後の協議の場を通じて、桃園の労組とも交渉を続け、合意を目指すとしている。
ただ、Fab 11Eの建設状況については直接言及しなかった。
桃園労組「非公式情報で圧力か」 計画停止報道に反発
マイクロンの桃園の労組は、同社は現在も積極的に生産能力を拡大しており、経済合理性から考えれば、従業員が利益配分を求めているというだけで投資を先送りする理由はないと主張した。
労組は一貫して会社との協議に応じる姿勢で、会社の事業運営に支障を与えるような行動は取っていないとし、韓国のサムスン電子やSKハイニックスなど半導体大手もすでに同様の利益配分制度を導入していることから、従業員が経営成果を分かち合うことと生産能力の拡大は矛盾しないと強調した。
同労組は、このタイミングで工場拡張の先送りという非公式な情報が流れたことについて、労組に圧力をかけ、行動をやめさせようとする意図で流された情報ではないかとの疑念を示した。その上で、未確認の情報で労使対立をあおるのではなく、会社側が具体的な利益配分案を示すよう求めた。
台湾経済部「工場計画は会社側の説明が基本」 労使の意思疎通を引き続き支援
経済部は、マイクロンは長年台湾で事業を展開し、累計投資額は1兆6000億台湾ドル、台湾での従業員は約1万5000人に上ると説明した。台湾にとって最も重要な外資系企業の一つであり、AI時代の重要な産業パートナーだと位置付けた。
政府はこれまでもマイクロンの台湾投資を積極的に支援してきており、今後も必要な支援を続けるとした上で、個別工場の工事状況や今後の計画については「会社側の説明が基本になる」との立場を示した。
報酬制度については、労使双方の見解に違いがあることは理解しているものの、協議を経て一定の進展がみられており、マイクロンは台中の労組と合意して従業員の待遇を改善したと指摘した。
政府は企業と労組が法に基づいて結んだ合意を支持しており、経済部は労働部(厚生労働省に相当)や地方政府とともに、引き続き双方の意思疎通を支援していくとしている。
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編集:梅木奈実 (関連記事: マイクロンの世界工場拡張に台湾3社が同行 米・日・シンガポールの半導体プロジェクトに参画 | 関連記事をもっと読む )













































