台湾「バラクーダ500」導入計画を見直し 米軍採用で商用ルート困難、代替候補に「Anthem」
台湾がかつて一般公開した、米アンドゥリルとの共同開発による自律型巡航ミサイル「バラクーダ500」。軍・政府関係者によると、米軍が同兵器を制式装備に組み込んだことで、民間商取引ルートでの台湾導入は事実上不可能になったという。(写真提供/AP通信)
国家中山科学研究院(中科院、台湾国防部傘下の兵器研究開発機関)は昨年開かれた防衛産業の国際展示会、台北国際航太暨国防工業展覧会(TADTE、国防展)で、同分野における米国のユニコーン企業、アンドゥリル・インダストリーズ(Anduril Industries)と共同で展示を行った際、低コストの空中発射型巡航ミサイル「バラクーダ500(Barracuda 500)」については、当初台湾にサプライチェーンを構築して生産する見通しを示した。
しかし、米イラン戦争の勃発に伴い、米軍が複数の低コスト兵器を制式装備に組み込んだことで「バラクーダ500」を民間商取引のルートで台湾に導入する機会は失われた。ただ、台湾軍および政府関係者は、18カ月以内に同様のミサイルを製造するという目標に変わりはないと強調している。これは、中科院が従来の手法を改め、世界中の有望なスタートアップ企業と積極的に協議を行っており、実のところ低コスト巡航ミサイルはすでに他社の製品で代替されているためだ。
米軍の制式装備化で輸出審査が必須に
米国の規定によると、米軍の制式装備として採用された場合、その装備の輸出は米国務省の厳格な審査と管理の対象となる。このため、アンドゥリルとの提携により台湾内にサプライチェーンを構築し、民間商取引の形式で「バラクーダ500」を導入するという手法はすでに頓挫した。対外軍事融資(FMF)ルートを経由せざるを得ないが、この対応により台湾が武器を取得するまでの期間が長期化することは避けられない。
軍および政府関係者はさらに、アンドゥリルの自律型無人潜水艇「Dive-LD」が商業用途に限定されている理由もここにあると指摘する。「Dive-LD」は実際にはすでに米軍で運用されており、中東の戦場で任務を遂行しているためだ。一方の中科院は、こうした挫折を経験した後、複数のスタートアップ企業と積極的に協議を重ねている。関係筋によれば、現時点ですでに低コスト空中発射型巡航ミサイルの代替品を確保しているという。
中科院は世界のスタートアップ企業との提携模索
同関係者の説明によると、近年、中科院は世界中のスタートアップ企業と積極的に提携に向けた協議を行っている。第一の理由として、スタートアップ企業が持つ革新的な発想が挙げられる。従来の巨大軍需企業とは異なり、現代の戦場環境の急速な変化に対応し、破壊的イノベーションをもたらすソリューションを生み出す可能性があるためだ。第二に、スタートアップ企業は収益拡大を重視するため、提携先の選択において制限が少なく、各方面からのアプローチを歓迎する傾向がある。これが、国際社会で多くの制約を受ける台湾にとっての好機となっている。
同関係者はさらに、こうした「本質を変えずに柔軟に対応する」アプローチの下、米国の防衛スタートアップ企業であるコベナント(Covenant)が開発した長射程精密打撃兵器「アンセム(Anthem)」を導入できる可能性もあると明らかにした。同製品はすでにデンマーク政府からの受注を獲得している。
また、同関係者は、現在米軍が兵器の在庫を補充するため、市場に出回る多くの低コスト製品を積極的に確保している状況にあると補足した。そのため、中科院が海外メーカーと提携して装備を導入する際は、台湾の戦場環境に特化したカスタマイズ版を開発し、米軍向けモデルとの差異化を図る方針だ。これにより、米国の装備技術に関する輸出管理審査の制限を回避する狙いがある。最近の最も良い例として、中強光電(Coretronic、中光電)とAEVEXが提携し、実戦で実証済みの無人機を導入したケースが挙げられる。この無人機の内部部品は、米国版とは意図的に異なる仕様となっている。
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