米国で11月3日(日本時間4日)、中間選挙の投票が行われる。連邦下院は全435議席、上院は35議席が改選されるほか、複数の州で知事選も同時に実施される。共和党が大統領職と上下両院の多数派を握る中、同党が議会の主導権を維持できるかが大きな焦点となる。
米紙ニューヨーク・タイムズは、米選挙分析機関「クック・ポリティカル・レポート」の情勢評価を基に、下院では民主党寄りと評価される議席が過半数の218を超える一方、上院では接戦が続いていると伝えている。
今回は何を選ぶのか なぜトランプ政権の後半2年を左右するのか
米CBSニュースによると、今回の選挙では下院の全435議席と上院35議席が争われ、連邦議会の主導権やトランプ政権の今後の政策遂行を左右する重要な選挙となる。
選挙では、カリフォルニア州の富裕層への課税案など、注目を集める住民投票も行われる。
上院の改選35議席のうち、オハイオ州では、J・D・バンス副大統領の上院議員辞職に伴う補欠選挙が実施される。米政治専門サイト「ザ・ヒル」によると、共和党のジョン・フーステッド氏が議席の維持を目指している。
知事選について、ザ・ヒルは全米36州と3つの領域(territories)で11月3日に選挙が行われると伝えている。
一方、台湾の統一地方選挙(九合一地方選挙)は、米中間選挙から25日後に行われる。
台湾の中央選挙委員会の発表によると、地方公職者選挙は11月28日(土曜日)に投票が行われ、6人の直轄市長と16人の県・市長が選ばれる。台湾では総統任期の中間に行われる全国規模の地方選挙として、その後の政局を占う意味合いも持つ。
上院 民主党は51議席に届くのか
米上院は現在、共和党53議席、民主党45議席、無所属2議席で、無所属2人はいずれも民主党会派に加わっている。実質的な勢力は共和党53対民主党系47となっている。
ニューヨーク・タイムズは、上院の採決で賛否が50対50となった場合、バンス副大統領が決定票を投じるため、民主党が上院多数派を奪還するには51議席が必要だと指摘する。
クック・ポリティカル・レポートの11月2日時点の最新評価では、上院選は6州が「Toss Up(互角)」に分類されている。民主党、共和党のいずれも過半数確保を確実視できる状況にはない。
ニューヨーク・タイムズは10月26日時点で、投票日まで8日を残しても上院の戦況は流動的で、両党とも緊張を強めていると伝えていた。
同紙は、こうした州ではトランプ氏の支持率が低く、現地入りが共和党候補に逆効果となる可能性があるとの見方を示している。
下院 民主党は過半数に届くのか
米下院書記官室によると、10月19日時点の党派別構成は共和党218議席、民主党214議席、無所属1議席、欠員2となっている。無所属議員1人は共和党会派に加わっており、会派ベースでは共和党側が219議席となる。
ワシントン・ポストも、共和党会派219、民主党214と集計しており、民主党は純増3議席で下院多数派を奪還できる計算となる。
クック・ポリティカル・レポートの10月30日時点の最新評価では、民主党側は186議席が「Solid」、18議席が「Likely」、18議席が「Lean」とされ、計222議席が民主党寄りに分類されている。過半数に必要な218議席を上回る。一方、18議席が「Toss Up」に分類されている。
クック・ポリティカル・レポートは、民主党が12~25議席を純増するとの予測レンジを示しており、民主党寄りと評価される議席に加え、18の「Toss Up」をすべて制した場合は240議席に達するとの見通しを示している。
ワシントン・ポストはクック・ポリティカル・レポートを引用し、これまで共和党の安定地盤とみられてきた選挙区にまで接戦が広がっていると伝えている。
今年は再選を目指さない共和党下院議員が例年より多く、民主党はそうした空席を議席獲得の機会とみている。
また、複数の州では通常の10年ごとの国勢調査に伴う区割り変更とは別に、国勢調査の間に選挙区の再編が行われた。予測機関は、共和党に有利になるよう再編されたとされる一部選挙区でも、予想以上に激しい選挙戦となっていると分析している。
FOXニュースの最終情勢予測では、民主党側が下院で少なくとも223議席を獲得すると見込まれている。
一方、上院については、FOXニュースの最終予測で民主党側48議席、共和党側47議席がそれぞれ優勢とされ、上院の主導権については「Toss Up」と評価されている。
期日前投票は5700万人超 前回中間選挙を上回る
AP通信によると、投票日を迎えるまでに、全米ですでに5700万人を超える有権者が期日前投票を済ませた。
2022年の前回中間選挙の期日前投票総数を上回る規模となっている。
期日前投票の増加は、上院選などの激戦州でも目立っている。ただし、期日前投票の多さだけで最終的な投票率や、どちらの政党が有利になるかを判断することはできない。
ワシントン・ポストは、トランプ大統領の支持率が30%台に低迷していることに加え、物価高やイラン戦争への不満が、野党・民主党に有利な政治環境をつくっているとの見方を示している。
ニューヨーク・タイムズによると、国際原油価格の指標となる北海ブレント原油は10月23日、1バレル116.72ドルまで上昇し、イラン戦争の開始以降で約60%値上がりした。
全米自動車協会(AAA)のデータでは、ガソリンの全米平均価格は1ガロン4.29ドルに達している。
選挙結果はいつ分かるのか
CBSニュースによると、最初の複数州では米東部時間11月3日午後7時、日本時間4日午前9時に投票所が閉まる。
その後、午後8時、9時(日本時間午前10時、11時)にかけて多くの州で投票が締め切られる。
カリフォルニア州など西部の州では、米東部時間午後11時(日本時間午後1時)に投票所が閉まり、ハワイ州はその1時間後となる。
最後は、激しい上院選が行われているアラスカ州で、米東部時間4日午前1時(日本時間午後3時)に投票所が閉まる。
CBSニュースは、候補者間の得票差や、各州で異なる郵便投票の集計ルールによっては、一部の選挙で結果判明までさらに時間がかかる可能性があると指摘している。