熊本・天草に日本初となるイルカ専門の水中・水上没入型クルーズ「Dolphin Safari」誕生へ
株式会社シークルーズは熊本・天草にて、水戸岡鋭治氏デザインの新造船に水中展望室を備え、野生イルカを海中と海上の双方から観察できる日本初の体験型新クルーズ「Dolphin Safari」を2027年12月に就航させる。(写真/観光庁 観光需要分散のための地域観光資源のコンテンツ化促進事業 伴走支援PR事務局提供)
熊本県上天草市で観光クルーズなどを展開する株式会社シークルーズは、天草の海に生息する野生のミナミハンドウイルカを水中と水上の両方から観察できる新クルーズ事業「Dolphin Safari(ドルフィン・サファリ)」を始動させ、2027年12月より運航を開始する。
日本初の水中観察型クルーズ、専用船を新造
野生イルカの水上および水中観察、3フロアの観察空間、専門ガイドによる生態解説を一体化したイルカ特化型の体験サービスとしては日本初かつ唯一の取り組みとなる。船体および空間デザインは、JR九州の観光列車などを多数手がけてきたドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏が担当し、新造船を一から設計する。
新クルーズのコンセプトは「野生へ、出航しよう。『見る』から、『イルカと同じ海に入る』へ」を掲げる。この事業のために新造される専用船は総トン数19トン、定員48名を予定しており、船内には水中展望室が設置される。
これにより、水上デッキから海面を跳ねるイルカを眺めるだけでなく、海中と同じ目線から野生の生態を直接視認できる設計となる。
イルカとの遭遇後は水中展望室からの観察を通常プログラムとして実施し、水中の鳴き声を届けるハイドロフォンの導入や、デッキと水中展望室を行き来しやすい動線設計により、天候や潮流といった野生ならではの不確実性も含めたサファリ体験の提供を目指す。
創業50周年を見据え、天草観光の新たな魅力を創出
同社は天草で長年にわたりイルカウォッチングを運航しており、現在は年間2万人から2万5000人以上が利用し、その約70%を外国人旅行者が占めている。
従来のイルカウォッチングは海面に現れる姿を船上から眺める形態が中心であったが、2027年9月に迎える創業50周年の節目を見据え、既存船の代替にとどまらない高付加価値な観光コンテンツの開発に着手した。
構想は2024年8月に具体化し、沖縄の水中展望船視察などを経て、2025年3月に水戸岡氏へデザインを正式依頼した。同社と天草観光を象徴する船を造ることで、九州旅行の途中で立ち寄る観光から、同クルーズへの乗船を目的に世界中から天草や九州を訪れる観光への転換を図る。
専門ガイドの生態解説で滞在型観光を推進
体験価値の中核には専門ガイドによる生態および環境の解説を据える。ガイドは個体ごとの身体的特徴や餌となる魚介類、親子の関係、群れの行動、天草の海洋環境などを目の前の光景と結び付けながら解説し、視認するだけに留まらない深い理解を促す。
イルカとの遭遇率が90%以上を誇る天草松島の豊かな自然環境や、隣接する観光施設「ミオカミーノ天草」などを生かし、交通、体験、食、宿泊が連携した滞在型観光の推進にもつなげる方針である。
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