次世代の防衛・安全保障技術を議論する「Defence Innovation Forum(ディフェンス・イノベーション・フォーラム)」が開催され、無人機や宇宙、人工知能(AI)などの先端領域をテーマに、産官学の専門家が集まり、最新の技術動向や課題について議論を交わした。
会場では、各種セッションに加え、関連技術を手がける企業12社による展示ブースも設けられた。

DSEI Japanの歩みを振り返る 西正典氏が語る日本の防衛展示会の変化
開会の挨拶には、DSEI Japan実行委員会会長の西正典氏が登壇した。
西氏は、日本における防衛展示会の歩みを振り返り、2019年のDSEI Japan初開催時には政治的な制約が多く、出展者にもためらいが見られたと説明した。
しかし、開催を重ねるにつれて会場の雰囲気は大きく変わり、出展者数や来場者数も着実に増加してきたと述べた。

防衛技術の革新に必要な「冒険心」 旧日本海軍の造艦技術を例に強調
その上で西氏は、今後の安全保障技術の発展に欠かせない要素として「冒険心」を挙げた。
西氏は、旧日本海軍が新たな溶接技術を大規模に採用して建造した潜水母艦の事例を紹介した。
この艦艇の建造では、溶接による熱収縮の影響で船体が大きく反り返るという深刻な問題が発生した。それでも技術者たちは、進水日程という厳しい制約の中で、船体を切断して接合し直すなどの対応を重ね、完成にこぎ着けたという。
西氏は、こうした困難を乗り越えた技術者たちの創意工夫や探究心に言及。戦後、薄れつつあった挑戦する精神を、今こそ呼び起こす必要があると訴えた。
ウクライナ戦争で塹壕戦とドローンが交錯 防衛技術に求められる新たな発想
さらに西氏は、現代の安全保障環境についても言及し、ウクライナで続く戦争が示す戦闘形態の変化を取り上げた。
現在のウクライナの戦場では、第一次世界大戦をほうふつとさせる塹壕戦が展開される一方、空からは三次元空間を活用するドローンが投入されていると指摘した。
従来型の戦闘と新たな技術が交錯することで、戦場は極めて複雑な様相を呈しているとし、今後の技術開発には、既存の枠組みにとらわれない創意工夫や強い探究心、イノベーションが求められるとの見解を示した。
西氏は、技術の進化とともに戦争の様相が大きく変容する中、明確な正解が定まっていないからこそ、試行錯誤を重ねることに価値があると強調した。
また、フォーラムが来場者にとって新たな着想を得る機会となるよう呼びかけ、次回のDSEI Japan開催に向けた展望を示して、開会の挨拶を締めくくった。
世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp (関連記事: 【現地取材】AI・ドローン時代の防衛、通信妨害にどう備える 防衛イノベーション・フォーラムで次世代ネットワークを議論 | 関連記事をもっと読む )
編集:梅木奈実













































