台湾人学生の中国進学、ピーク時から8割減 就職難・学歴認定・中台緊張…背景に4つの要因

海峡交流基金会(海基会)によると、中国の大学に進学する台湾人学生はピーク時から約8割減少した。中国経済の減速や「内巻」と呼ばれる過当競争の激化で、卒業後の現地就職が難しくなっていることなどが背景にあると分析されている。台湾の学生は中国の「内巻」から距離を置き始めているのか。(AI生成)
海峡交流基金会(海基会)によると、中国の大学に進学する台湾人学生はピーク時から約8割減少した。中国経済の減速や「内巻」と呼ばれる過当競争の激化で、卒業後の現地就職が難しくなっていることなどが背景にあると分析されている。台湾の学生は中国の「内巻」から距離を置き始めているのか。(AI生成)

中国の大学へ進学する台湾の学生数は、2017年に2567人に達したが、新型コロナ禍を境に400人を下回る水準まで落ち込み、その後も低迷が続いている。2017年と比べると約8割減少した。

背景の一つとして指摘されるのが、米国との競争が続く中での中国経済の減速と、過度な競争を意味する中国語の「内巻」だ。中国で大学を卒業した後、現地で就職することが難しくなっていることに加え、中国で取得した学歴を足がかりに欧米の有力大学院へ進学する際の優位性も以前ほど大きくないとの見方がある。台湾の学生は、中国の「内巻」から距離を置き始めているのか。

台湾の対中窓口機関、海峡交流基金会(海基会)はこのほど、最新号の『交流雑誌』で関連データを紹介し、台湾人学生の中国進学が減っている背景として4つの要因を挙げた。

第1は、中国の厳しい雇用環境だ。海基会は若年層の失業率が14.9%に達したことを例に挙げる一方、台湾ではハイテク産業が好調で、学生が中国進学を以前より慎重に検討するようになっていると分析した。なお、中国国家統計局が10月21日に公表した9月の16~24歳の都市部失業率(在学者を除く)は18.0%だった。

第2は、中国で取得した学歴のうち、台湾で認定される範囲が限られており、帰台後に国家試験を受験できない可能性があること。第3は、中国が近年、台湾への軍事的、政治的、法的圧力を強める中、中台間の相互信頼が十分でなく、中国で長期間学ぶことや将来のキャリアを設計する際の不確実性が高まっていることだ。

第4に、台湾の学生にとって海外進学の選択肢が広がったことも、中国への進学を選ぶ学生の減少につながっているという。

この現象について、致理科技大学国際貿易学科の張弘遠教授と、台北市立大学グローバル戦略・民主レジリエンス研究センターの洪浦釗主任が台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の取材に応じた。

中国経済の低迷と「内巻」 若者の就職環境に影響

張氏は、かつて中国の大学は比較的出願しやすく、台湾の学生にとっても入学のハードルが低かったと説明する。

台湾で希望する大学に合格できなかった学生が中国で学ぶことを検討したり、中医学や医学などの学部を目指して中国の大学への進学ルートを利用したりするケースもあったという。

また、中国へ進学する学生は、一般的な学生とは異なる人生設計や意思決定をする傾向があり、比較的強い家族の支援を受けている場合が多いと指摘した。親が中国で働いているか、あるいは家庭に一定の経済的余裕がなければ、こうした進路を選ぶのは難しかったという。

しかし近年、特に新型コロナ禍以降、中国へ進学する台湾人学生は減少している。

張氏は、その理由の一つとして、親世代の中国を取り巻く環境への見方が変化したことを挙げる。 (関連記事: 中国「内巻き」の果ては日本の二の舞か 上海のアパレルからデリバリー戦争まで蔓延する集団的焦燥、中国が陥るデフレスパイラル | 関連記事をもっと読む )

中国での学歴を将来のキャリアの足がかりにしようと考える若者にとって、その魅力が低下しているという。中国経済の低迷や「内巻」の激化に加え、さらに重要なのは、中国で学歴を取得した後、さらに進学する際の優位性も以前ほど大きくなくなっていることだとした。

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