米国の台湾放棄が招く結果、第二次大戦後の国際秩序崩壊も 明居正氏が指摘

国策研究院が26日に開催した、米中の覇権争いをテーマとする座談会に出席した明居正氏(写真)。(資料写真/中央社)
国策研究院が26日に開催した、米中の覇権争いをテーマとする座談会に出席した明居正氏(写真)。(資料写真/中央社)

米シンクタンクの研究員、マイケル・ソボリク(Michael Sobolik)氏はこのほど、台湾を防衛することの戦略的理由を提示し、米国による台湾防衛のための軍事介入に反対する人々は2つの大きな間違いを犯していると指摘した。1つ目は、中国政府が台湾を武力統一した際の波及効果を過小評価している点、2つ目は、台湾喪失後に米国が中国のインド太平洋地域における覇権拡大を阻止できる能力を過大評価している点だ。これについて、国立台湾大学政治学系の明居正名誉教授は、インターネット番組「下班瀚你聊」に出演し、台湾の立場から見れば、もし米国が台湾防衛を放棄した場合、ロシア・ウクライナ戦争時の米国の対応が及ぼした影響と同様に、「世界の警察」としての威信が深刻な疑念にさらされることになると語った。

明氏は、米国が「第一列島線」(九州~沖縄~台湾~フィリピン)の中核を担う台湾を防衛できなければ、事実上、中国との覇権争いから自動的に撤退することを意味すると指摘。これはアジア太平洋地域の権益のみならず、第二次世界大戦後に米国が構築した一連の国際秩序そのものを明け渡すことになると警鐘を鳴らした。仮に中国が独自の国際秩序を構築した場合の状況は、現在の中国政府が自国民に対して行っている強権的な手法を見れば概ね想像がつく上、他国の国民に対しては、自国民以上に冷酷な扱いをするはずだと主張した。

明氏はさらに、市場が米ドルを信頼する鍵は政治的意志と実力にあり、その政治的意志は価値観と密接に結びついていると補足した。民主主義の同盟関係は依然として強固に実在し、これは欧州各国にとっても同様であるため、第一列島線の放棄は米ドル基軸体制にも多大な悪影響を及ぼすことになると強調した。

また、トランプ米大統領は第1次政権時から、世界的な「反中大同盟」の構築を意図し、中国を最重要の戦略的競争相手と位置付けた結果、「冷戦2.0」の流れを生み出したと分析。この大局的な流れは非常に強固で、誰が大統領になろうとも大きく変わる可能性は低いとの見方を示した。

現在、米国は継続的に米軍高官を台湾へ派遣しており、台湾国防部(国防省に相当)の高級将校と直接連携を図る姿勢を見せていると明氏は指摘する。米太平洋軍の元司令官、デニス・ブレア(Dennis Blair)氏は、グレーゾーンにおける作戦を封じ込めるため、台湾に対し、200カイリ内の中国軍機や艦艇を厳しく監視するよう提言している。これは、米台の協力関係が技術的レベルから戦略的レベルへと正式に格上げされ、最高水準へ引き上げられたことを意味する。加えて米外交専門誌、ナショナル・インタレストは、米軍の海兵隊および地対艦ミサイルを沖縄県・与那国島に配備することを提言しており、これは海兵隊の戦略的位置づけの変化を示し、同時に台湾の北東部まで防衛・保護の範囲を拡大することを意味しているという。

一方で、「台湾は米国に過度に依存している」との批判的な見方に対し、明氏は真っ向から反論した。戦略的評価においては、単に利益を考慮するだけでなく、価値観、経済的要因、そして敵対関係になった際のリスクという3つの重要な指標で判断すべきだと述べた。現在の台湾と米国は少なくとも2つの指標で一致している。さらに両国には平行利益が存在し、中国を抑止し、打倒することは米台双方にとって有益であるため、台湾が米国と連携を深めることは極めて妥当かつ合理的な決断だと結んだ。

世界を、台湾から読む⇒風傳媒日本語版 X:@stormmedia_jp

最新ニュース
RX Japanが11月に東京ビッグサイトで日本の食品輸出EXPOとJFEXを同時開催へ 国内外400社が集結
横浜・みなとみらいの巨大ツリーに園芸博「トゥンクトゥンク」登場 11月9日から点灯式
サントリー「薬膳好日」からスパイス香る「薬膳チャイ」が登場 「薬膳ジンジャーエール」も11月3日発売
登山家・田中陽希氏が「台湾百岳」一筆書き踏破へ挑戦 駐日代表処を訪問
渋谷・新宿の街頭に広がる「路上飲酒禁止」の警告 ハロウィン前の繁華街で厳戒態勢
TSMC、熊本で国内初の3ナノ量産へ 2028年12月開始、投資額157億ドル超
OpenAI、Google Cloudと提携 GPT-6系3モデルをModel Gardenで提供、Codexも連携
PHPに重大脆弱性、AI支援で10年以上潜んだ欠陥を発見 日本企業で相次ぐ予防的停止、専門家が経営判断に苦言
AI終末論は「でっち上げ」 エヌビディアCEO「AIを押さえ込むな」、開発加速を主張
【図解】台湾世論調査 92%が「未来は2300万人で決定」支持、88.3%が「平和統一・一国二制度」受け入れに反対
台湾巨匠傑作選2026で侯孝賢監督の名作を一挙上映、『憂鬱な楽園』『珈琲時光』は貴重な35ミリフィルム上映へ
【海底のデジタル動脈⑥】台湾の生命線「海底ケーブル」に切断リスク 馬祖の教訓から進む衛星通信と罰則強化
【独占インタビュー】銀座の高級海鮮ビュッフェ「四海」はなぜ1万3200円で提供できるのか 豊洲直送と仕入れ網の強み
民進党の台北・新竹市長候補が連携 沈伯洋氏「洋流号」初の市外遠征、交通・子育て政策を訴え
米国務副長官、日本の国家防衛戦略に「米戦略との整合」求める 第一列島線で対中抑止強化
東京建物など4社が熊本市にアパートメントホテル「Section L 熊本」を2028年春に開業へ
日米の円買い協調介入は「重大な誤り」 アイケングリーン氏、ドルへの信認低下を警告
アークヒルズで「ARK HILLS CHRISTMAS 2026」開催へ マルシェや蚤の市、限定グルメなどを展開
ペルノ・リカール・ジャパンが秋の体験イベントを展開 代官山で「ペリエ ジュエ」限定ポップアップ開催へ
「六本木アートナイト2026」オールナイト開催が3年ぶりに復活 約60のプログラムが街を彩る
ニッスイ、魚肉ソーセージを使った新感覚フィッシュスナック「GYONIPO」を無料提供 11月5日より原宿で開催
小田急ホテル「クリスマスコレクション2026」開催へ 特別スイーツ4種や限定アフタヌーンティーを提供
【海底のデジタル動脈⑤】2万キロ先の海底ケーブル断線を検知 アンリツが公開した「10メートル分解能」と次世代光ファイバ測定技術
軍港・佐世保のもう一つの顔 豪華客船「三井オーシャンフジ」で巡る三川内焼と老舗酒蔵
米中間選挙、民主党が下院過半数奪還の公算「9割以上」 グレン・フクシマ氏が分析
アトラス新作『ペルソナ4 リバイバル』最新情報が一挙公開 『ファーミングシミュレーター 25』の新要素も発表
BLACKPINKのROSÉが「ジョニーウォーカー ブラックラベル」のアンバサダーに就任 ソウルを皮切りに世界展開へ
【解説】フランスで再び41万人がデモ、治安要員7万人を投入 高校生から広がった抗議はなぜ収まらないのか
【海底のデジタル動脈④】日本の通信主権はいかに守られたか 海底ケーブルをめぐる外交交渉と150年の技術革新
【寄稿】台風で休業、給与はどうなるか 有給の強制消化や出社命令で企業が注意すべきポイント
高市首相、日米同盟の抑止力・対処力を「一層強化」 第13回富士山会合にビデオメッセージ
【現地取材】表参道にMLB公式ポップアップストア 大谷翔平らのグッズ300点以上、WS記念品も
【海底のデジタル動脈③】海底ケーブルの地政学リスクにどう備える? NECが語る通信ルートの多様化と経済安全保障
「三井オーシャンフジ」で味わう贅沢な一日 中山勝利総料理長が語る船上グルメの魅力
【海底のデジタル動脈②】生成AI時代の海底ケーブル 住友電工、伝送容量2倍の「2コア光ファイバ」量産・接続技術を公開
【船内レポート】全室スイートの豪華客船「三井オーシャンフジ」 美食・スパ・充実のサービスを紹介
【海底のデジタル動脈①】国際通信の99%を支える海底ケーブル 復旧に2〜3週間、作業船の建造費は4倍超に
光回線で8K生中継を実現 URALAAが東急不動産HDやシダックスと連携し日本版「Cosm」構想を加速
豪華客船「三井オーシャンフジ」が追求するおもてなし 阿部哲也氏が語る和洋融合の船旅
USJ「ユニバーサル・クールジャパン 2027」に『名探偵コナン・ワールド』が登場  2027年2月開幕へ
【舞台裏】台湾の頼清徳総統、側近・潘孟安氏を地方選の陣頭に 2028年総統選へ地方組織を再構築か
東京駅周辺が取材現場に 週刊誌記者となり真相を追う没入型体験ゲーム『ウワサアリ』が10月30日開幕へ
伝統とラグジュアリーが交差する「三井オーシャンフジ」 五感を満たす至福の乗船レポート
行列ができるフルーツタルト専門店「Princess Tart」が表参道に旗艦店オープン 初のランチ・ディナー営業も開始
台湾・台南駅で見知らぬ人が歌い出す 「駅ピアノ」がSNSで話題、閲覧1115万回超 家族40年の物語も