創業130年の歴史を持つ通信計測大手のアンリツは、世界を結ぶ光海底ケーブルの安定運用を支える計測技術として、超長距離ケーブルの断線箇所を10メートルの測定分解能で特定する独自技術と、生成AI時代を見据えた次世代「マルチコア光ファイバ(MCF)」のコア間クロストーク分布を測定できる業界初のソリューションを公開した。
最大2万キロメートルに及ぶ太平洋・大西洋横断海底ケーブルの常時監視から、複数のコア間で発生する光信号の漏れ(クロストーク)を高精度で可視化する最新装置まで、海外売上高比率約7割のグローバル計測機器メーカーとして、これらの測定技術を紹介した。

質疑応答では、台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の記者が、海底ケーブル切断時の故障箇所の特定方法や、超長距離測定におけるアンリツ独自の強み、水深が測定の難易度に与える影響について質問した。これに対し、同社担当者は、水深8000メートルの深海でも測定精度が左右されない原理や、修理船による迅速な復旧作業を支える高い測定分解能について詳しく説明した。
最大2万キロの海底ケーブルを測定 「MW90010B」が10メートルの分解能で断線箇所を特定
同社担当者は、コヒーレントOTDR(光パルス試験器)「MW90010B」による波形解析の仕組みについて、具体的に説明した。
陸上のケーブル陸揚げ局(CLS)から光パルスを入射し、光信号が途絶した地点までの距離情報を読み取ることで、数千キロメートル先にある断線箇所を特定できるという。
修理船は、こうして得られた位置データを基に現場海域へ向かい、海底ケーブルを引き揚げて修復作業を行う。
超長距離測定における同社独自の強みについて、担当者は「10メートルという極めて高い測定分解能」を挙げた。
広大な海洋で数千キロメートルに及ぶケーブルを探索・回収する際、測定誤差が大きくなれば、捜索作業に大幅な遅れが生じる。
アンリツの高精度な測定技術は、現場でケーブルを確実かつ迅速に引き揚げる作業を支える重要な要素となっている。
水深8000メートルでも測定可能 アンリツが説明する光反射を利用した測定原理
さらに本紙記者が「例えば水深8000メートルの深海に沈むケーブルの場合、測定の難易度は上がるのか」と重ねて質問したところ、担当者は「水深による測定への影響は一切ない」と断言した。
担当者は「測定器が検知するのは、ファイバ内を反射して戻ってくる光信号の強度のみに依存する。水深が1000メートルであろうと8000メートルであろうと、戻ってくる光の強さが変わらなければ、深海であっても全く同じ精度で測定可能だ」と述べ、深海環境に左右されない光学測定の信頼性を強調した。 (関連記事: NTTデータや住商、1500億円投じアジア最大級の海底ケーブル新設 台湾への接続も視野 | 関連記事をもっと読む )

創業130年のアンリツ 海底ケーブルの超長距離測定を支える通信計測技術
1895年創業のアンリツは、約4000人の従業員を擁し、売上高の約70%を海外が占める世界的な電子・通信計測機器メーカーだ。













































