奈良県橿原市は、今年7月26日に韓国・釜山で開催された第48回世界遺産委員会において「飛鳥・藤原の宮都」の世界文化遺産への登録が決定したことを受け、人気対戦格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズを活用したまちづくりと市内周遊の促進を強化している。
さらに、10月16日には実写映画『ストリートファイター/ザ・ムービー』が全世界で同時公開されたことから、世界遺産登録と世界的コンテンツの相乗効果による国内外からの観光誘客に期待を寄せている。
カプコンと連携し「ストリートファイター」の街づくりを推進
橿原市とカプコンの結びつきは、同社創業者の辻󠄀本憲三󠄀氏が同市出身であることに端を発する。1995年に藤原宮跡で開催された「ロマントピア藤原京’95」でカプコンがパビリオンを出展し、オリジナルアニメを上映した実績を契機として、同シリーズ誕生35周年にあたる2022年8月30日に両者は包括連携協定を締結した。
以降、市内には「リュウ」「春麗」「ケン」「エドモンド本田」の計4体の銅像が設置されたほか、キャラクターをあしらったデザインマンホールの設置、近鉄やJRの駅名標装飾、周遊マップの発行など、多角的な取り組みが進められてきた。
世界遺産を訪れる観光客を迎える玄関口の近鉄大和八木駅では、「ストリートファイターストリート」構想が推進されている。駅北側の壁面には高さ約2・7メートル、幅約9メートルの巨大壁画が整備され、29体のキャラクターが描かれているほか、駅構内の階段やホーム待合室にも装飾が施されている。
また、近鉄大和八木駅と近鉄橿原神宮前駅では、リュウ役および春麗役の声優による構内放送が実施され、市内の見どころを紹介している。大和八木駅周辺では、南側の観光交流センター前に「リュウ」の銅像が立つほか、JR万葉まほろば線の香久山、畝傍、金橋の3駅でも計11カ所にオリジナルの駅名案内看板が設置されている。
市民や企業の協力で広がる観光振興
こうした取り組みは行政主導にとどまらず、官民一体や市民・企業の寄附によって支えられている。
銅像のうち「春麗」像はふるさと納税を活用したクラウドファンディングによって実現し、大和八木駅北側の巨大壁画は橿原ロータリークラブから寄贈され、奈良芸術短期大学の教員や学生、参加児童が制作に携わった。
橿原市は世界文化遺産登録を受けた2026年度、5体目以降のオブジェ制作を目指し、企業版ふるさと納税を通じた寄附募集プロジェクトを展開している。
世界遺産「飛鳥・藤原の宮都」と橿原市の歴史
奈良県のほぼ中央に位置する橿原市は、古くから交通の要衝として発展し、「大和三山」に囲まれた地に日本初の本格的な都城とされる藤原京が造営された歴史を持つ。市内には重要伝統的建造物群保存地区の「今井町」や橿原神宮など、多くの歴史的な名所が残されている。 (関連記事: 「飛鳥・藤原の宮都」がユネスコ世界文化遺産に登録決定、国内22件目の快挙 | 関連記事をもっと読む )
世界文化遺産に登録された「飛鳥・藤原の宮都」は、橿原市、桜井市、明日香村に点在する19資産で構成され、橿原市内には藤原宮跡や本薬師寺跡など4資産が含まれる。














































