無人アセットに関わる台湾と米国間の協力が新たな領域へと足を踏み入れている。自爆型ドローン「スイッチブレード」で知られる米航空宇宙・防衛企業、エアロバイロンメント(AeroVironment、以下AV)は今月中旬、米陸軍協会(AUSA)の年次防衛技術展示会において、台湾のドローンメーカー、雷虎科技(サンダータイガー)と覚書(MOU)を締結した。両社は無人アセットのシステムインテグレーションやドローン製品のローカライズのほか、台湾における共同生産から共同開発へと向けた機会を模索していく構えだ。
両社による提携事業の一つとして、スイッチブレード自爆型ドローンを雷虎科技の無人水上艇(USV)に搭載する研究が挙げられる。これは、自爆型ドローンと軍用無人水上艇が融合する時代の幕開けを意味する。
AVは防衛系スタートアップではなく、設立から55年を迎える米国の航空宇宙・防衛企業で、米ナスダック上場企業でもある。米航空宇宙局(NASA)に対して長期的に関連製品を提供しており、2021年に宇宙船と共に火星へ着陸したロボットヘリコプター「インジェニュイティ(Ingenuity)」も同社が手掛けたものだ。
同社にとって最も有名な製品が攻撃型ドローンのスイッチブレードだ。「徘徊型兵器(loitering munitions)」とも呼ばれるこの自爆型ドローンは、その後に登場した様々な徘徊型兵器の先駆けと言える。2022年に勃発したロシア・ウクライナ戦争でも名を馳せ、開戦初期において米国がウクライナへ供与した重要兵器の一つとなった。
AV台湾のゼネラルマネージャー、范家瑋氏は先ごろ、『風傳媒』の単独インタビューに応じ、AVが2025年に国家中山科学研究院(中科院)とMOUを締結したことに伴い、台湾での提携機会を継続的に模索しており、台湾拠点の規模を2年以内に現在の2名から5名体制へ、3年後には10名体制へと拡大させるとの見通しを明らかにした。営業員からエンジニア、広報担当まで多岐にわたる人材を確保する方針だ。
この動きは、米国のドローン完成機メーカーにとって、グローバルな部品サプライチェーンや軍用ドローンのアジア太平洋市場において、台湾の地位がますます重要視されていることを示唆する。
AV社、年内にも台北拠点を開設へ
AVのプレスリリースによると、両社は多面的な協力を検討するための枠組みを構築する。これには、AVのスイッチブレード・ファミリーに属する特定製品と、雷虎科技の無人地上車両(UGV)および無人水上艇との統合の可能性が含まれる。さらに両社は、台湾の産業基盤を活用し、将来的な無人アセットの共同生産および共同開発を支援する研究を進める方針だ。
AVシニアバイスプレジデントのチャーチ・ハットン(Church Hutton)氏は、「現代の国防においては、既存の能力を迅速に統合し、量産化へと移行させることが求められている。実証済みの技術と産業の底力を結集することで、無人アセットにおける開発、統合、そして生産のためのより多くの選択肢を創出していきたい」と強調した。
MOUに基づき、両社はスイッチブレードを装填可能な射出機を雷虎科技の無人水上艇に統合する構想について技術的な実現可能性評価を実施する。同時に、高度な相互運用性や将来的なデモンストレーション支援に関する評価も行う予定だ。
今回の提携は、AVが国際的な産業パートナーシップを構築・拡大し、多種多様な機会を模索することで、各種無人アセットの開発、統合、そして生産を加速させたいとの意図を明確に示している。
さらにAVは、年内にも台北に台湾拠点を正式開設する見通しだ。これはアンドゥリル(Anduril)やシールドAI(Shield AI)に続き、米国の軍用ドローン大手がまた一社、台北に拠点を構えることを意味する。
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編集:平松靖史 (関連記事: 「スイッチブレード」製造元の米エアロバイロンメント、台湾に拠点へ 初の台湾人GMを起用 | 関連記事をもっと読む )













































