スペイン中部カスティーリャ・ラ・マンチャ州トレド県で28日、首都マドリードと南部アンダルシア州を結ぶ高速鉄道路線を走行していた高速列車2本が衝突する事故があり、少なくとも69人が死亡、100人以上が負傷した。
事故は現地時間28日午前8時53分ごろ(日本時間同日午後4時53分)、トレド県ウルダ付近のマドリード―セビリア高速鉄道路線で発生した。同一路線では今年1月にも46人が死亡する列車事故が起きており、約9カ月間で2度目の大規模な死亡事故となった。29日も救助隊が捜索を続けており、スペイン政府は3日間の服喪を宣言した。
現場の映像では、複数の車両が脱線し、一部が線路脇の築堤下に転落している。ひしゃげた車体や金属片などが斜面に散乱し、救助隊は大型クレーンや捜索犬を投入して車両内や周辺の捜索を続けている。
安全システム故障後、後続列車に運転再開を指示
スペインのオスカル・プエンテ運輸相によると、事故に先立つ午前8時30分ごろ、マドリード―セビリア線の約63キロの区間で、列車と鉄道インフラ間の通信を担う安全システム「LZB」がコンピューター障害により停止した。
障害を受け、事故に遭った列車を含む周辺の複数の列車が自動的に停止した。この時、民間鉄道会社イルヨ(Iryo)の高速列車はウルダ付近で停車し、スペイン国鉄レンフェ(Renfe)の高速列車は約25キロ後方にいた。
しかし数分後、管制センターはレンフェの列車に対し、速度制限を設けず通常通り運転を再開するよう指示した。前方には停止信号が出ており、イルヨの列車も停車したままだったが、レンフェの列車は約17分後の午前8時53分、後方からイルヨの列車に衝突した。




プエンテ氏は、運転再開を認めた管制上の判断を「説明がつかない」と批判。列車の運転士に責任はないとの認識を示している。事故の詳しい経緯については当局が調査を進めている。
衝突によってイルヨの車両2両が脱線して築堤下に転落したほか、レンフェ側でも複数の車両が脱線した。
カスティーリャ・ラ・マンチャ州政府のエステル・パディージャ報道官によると、事故当時、イルヨの列車には147人、レンフェの列車には397人が乗っていた。
事故に遭った列車の後方車両に乗っていたミゲルさんは地元ラジオ局COPEに、「10秒ほど大きな轟音が続き、列車が横転するかと思った」と事故時の様子を語った。右側の窓からは、大破した別の列車が見えたという。
イルヨの乗客エドゥアルダさんも、強い衝撃で前方へ投げ出されたと証言した。列車から降りて築堤を下った後、負傷者や死亡した人を目にしたほか、一部の車両から火が出ているのを見たと地元メディアに語っている。
同一路線で9カ月間に2度目の重大事故
今回の事故は、同じ高速鉄道路線で起きた前回の大規模事故から約9カ月しか経過していない。 (関連記事: 【経緯まとめ】河口湖の台湾人女性死亡、夫を台湾で拘束 3000万台湾元の保険金巡り共同殺人などの疑い | 関連記事をもっと読む )
1月18日には、コルドバ県アダムス(Adamuz)付近でイルヨの高速列車が脱線し、反対方向を走っていたレンフェの列車に衝突。46人が死亡し、100人以上が負傷した。















































