台北市長選テレビ討論、沈伯洋氏「伝えたいのは自身がどう行動するか」 蒋氏の姿勢に苦言も
31日のテレビ討論会終了後、取材に応じる沈伯洋氏。(中央社記者/翁睿坤撮影)
2026年台北市長選挙のテレビ討論会が31日午後に開催された。抽選の結果、民進党の台北市長候補、沈伯洋氏が冒頭の政見発表を務め、同氏が最後に結論を述べて討論会は終了した。討論会後の囲み取材に応じた沈氏は、自身のパフォーマンスについての評価は市民に委ねるとしつつ、「対立候補が私にネガティブなレッテルを貼り続けようとしたのは残念だ。また、多くの質問に答えず、論点をすり替えたことも遺憾」と述べた。また、CMの合間に蒋氏の方に歩み寄り言葉を交わしたことについて、主に体調を気遣ったと説明。蒋氏の声に緊張が残っていたからだと述べた。
沈氏は冒頭の政見発表で、蒋氏がテレビ討論会に応じたことに感謝の意を表明した。蒋氏が最近体調を崩し、病状を抱えながら討論会に臨んだことに触れ、早期回復を祈ると述べた。出馬から171日目を迎えた今回の討論会において、重要視すべきは勝敗ではなく、双方が議論を通じて自身の立場や価値観を示し、市民の選択に供することだと強調した。また、台北市に対する自身の理想は非常にシンプルであり、この都市で誰も孤独を感じず、誰一人取り残されることなく、すべての人が自分らしい生活を送れるようにすることだと語った。
沈氏「まず街路樹を植え直す」
沈氏は、選挙戦も残り20日余りとなったが、自身とチームは引き続き各種政策を提示し、最終日まで政策を打ち出し続ける意向を示した。また、台北市長に当選した場合、就任後100日以内に取り組む最初の課題として「木を植え直すこと」(先ごろ、台風襲来を前に台北市政府が市内の街路樹を大量に剪定、伐採したことが問題となった)を挙げ、市政に対する市民の不信感を払拭すると述べた。第二に、児童虐待問題の解決を掲げ、長期間放置されるような事態を絶対に起きないようにし、一線で活躍する実務者の後ろ盾になると強調した。第三に、学校給食の改善を挙げ、給食費を物価に応じて調整し、残飯の計量を廃止することで、教員の無駄な事務作業を減らすとした。さらに、公務員の負担軽減にも取り組み、市内の各分野が再び輝きを取り戻し、この都市が飛躍できるよう尽力すると語った。
討論会の終盤、沈氏は総括において、対立候補が最後になってもなおデータや経験に多くの時間を割いたと指摘。その上で蒋氏に対し、これらの数字は時に温度計の数値のようなものであり、市民の体感温度とは異なると釘を刺した。例えば都市再開発について、蒋氏は多くのデータを提示したが、実際に待ち望んでいる市民が依然として多数存在しているとし、「討論会の過程全体を通じて、蒋氏は焦っているように、自身に落ち度はないと主張し続けたが、私が伝えたいのは沈伯洋がどう行動するかだ」と述べた。
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「都市に誇りを取り戻す」
沈氏は、帰宅時にいつも娘が一番に駆け寄って抱きついてくるエピソードに触れ、娘の目は明日に期待を抱き常に輝きに満ちていると語った。一方で、台北市民はますます多くの人が無力感に満ちた目をし、未来への期待や想像力を失っていると指摘。自身の使命はこれらを取り戻すことであるとし、第一に市民に安心感を与え、身近な市長になること、第二に台北の生活水準を台湾全体の経済成長に追いつかせ、市民の不安を軽減し、人々に再び輝きを、この都市に誇りを取り戻させることだと強調した。
また沈氏は、蒋氏から継続的な攻撃を受けているが、自身は選挙の新たなあり方を示したいとし、ネガティブ・キャンペーンを一切行わず、テクノロジーやデザイン力を取り入れたポジティブな選挙を通じて有権者に訴えかけることが、自身の守るべき価値観であると語った。「数日前、私が尊敬する文化人が番組で語った言葉がある。『どの候補者が勝つかを気にするのではなく、自分自身が勝つかどうかを気にするべきだ。自分が望むライフスタイルに一票を投じたとき、あなたは勝利するのだ』と」。沈氏はこの言葉を引き合いに出し、これこそが自身が今回の選挙で実践していることだと強調した。「私たちが訴えたいのは、新たな統治アプローチだ。市民がこの都市の主役となり、専門人材と協力し合う姿を見たい。そして、ポジティブに徹し、ネガティブな攻撃を行わず、家族も標的にしない選挙文化こそが、私たちが台北市民に残したいものだ」と述べた。
「蒋氏のレッテル貼りと論点のすり替えは遺憾」
討論会後の囲み取材で、沈氏は討論でのパフォーマンスに関する評価は市民に委ねるとし、自己採点は控えると述べた。しかし、対立候補が依然として自身に多くのネガティブなレッテルを貼ろうとしたことに対しては遺憾の意を示し、「このようなネガティブな選挙戦に陥ることは本当に望んでいない」と述べた。政策論争を重んじる選挙文化を伝えるため、「ひたすら耐え、ネガティブなレッテルには反応しないようにした」と語った。また自身が提起した質問に対し、正面からの回答が得られなかったことについて、「質問のすり替えが行われたのは非常に残念だ」と苦言を呈した。
メディアは、テレビ討論会のCM中に沈氏が蒋氏に歩み寄って言葉を交わした場面に注目した。これに対し沈氏は、討論会の合間や終了後に蒋氏のもとへ行き話しかけた事実を認め、「私は元々おしゃべりな性格」と応じた。主な目的は蒋氏の体調を気遣うことであり、声がまだ少し張り詰めているように感じたため、回復状況を尋ねたという。さらに、残り20日余りの期間を共に頑張ろうと互いに励まし合い、その際についでにLINEの交換を提案したが、蒋氏からは「共通の友人がたくさんいるから」と丁重に断られたと明かした。
蒋氏が最終弁論で前台北市長の柯文哲氏に言及し、同氏の若年支持層「小草」に媚を売ったとみられる点について、沈氏は「蒋氏の意図は本人に聞くしかない」としつつ、自身の選挙戦略は極めてシンプルだと強調。「私たちは党派で人々を区別しない。有権者が元々誰に投票しようとしていたかは問題ではなく、本来蒋氏に投票する予定だった有権者も、私が説得すべき対象だ」と明言。「私たちは皆が関心を寄せる話題に焦点を当てて議論を行う方針だ。有権者が過去の選挙で誰に投票したかや、本来の政治的立場がどうであるかは、今回の選挙で私が考慮すべき事柄ではない」と締めくくった。
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