約10年の歳月をかけて整備された台湾・新北メトロ(新北捷運)三鶯線は、2026年6月30日に開業した。8月31日までの2カ月間は無料試乗期間が設けられ、多くの利用者が新路線を体験。9月1日からは通常の有料運行に移行している。
新北市政府捷運工程局によると、開業初月の総利用者数は98万人を突破し、平日は1日平均約2万6000人、休日は約5万1000人に達した。三鶯線が三峡や鶯歌などのエリアを結んだことで、これまで車で訪れることの多かった観光スポットにも、より気軽に足を運べるようになった。観光客の増加だけでなく、沿線グルメへの注目も高まっている。
三鶯線で何を食べる? ネットで話題の沿線グルメTOP10 台湾のデータ分析メディア「網路温度計DailyView」は、ソーシャルリスニングツール「KEYPO大數據關鍵引擎(KEYPOビッグデータ・キーエンジン)」を使い、三鶯線沿線でネット上の言及が多かったグルメ10店を調査した。
三峡老街周辺の名物から、鶯歌陶瓷老街エリアの人気ローカルグルメまで多彩な店が並ぶ。観光客にも知られた定番だけでなく、地元の人々が繰り返し訪れる店もランクインした。最もネット上で話題を集めた店はどこだったのか。ランキングを見ていこう。
新北・三鶯線 話題のグルメNo.10 三峡角胖パン金牛角|台北大学駅 第10位「三峡角胖パン金牛角」。(同店公式Facebookより)
ネット上の言及数:236件 三峡老街の定番土産といえば、牛の角をかたどった三峡名物のパン「金牛角」。観光客にも人気のご当地名物だ。
10位の「三峡角胖パン金牛角」は、伝統的な手作り製法に多彩なフレーバーを取り入れ、三峡老街を代表する菓子店の一つとなっている。金牛角は牛の2本の角を思わせる形で、中央はふっくらと膨らみ、両端が尖っているのが特徴だ。
定番のプレーンに加え、黄金ミルククリーム、チョコメロンパン風、黒糖もち、抹茶ブルーベリーなど、さまざまな味を展開している。
同店ではフレーバーだけでなく、金牛角とアイスクリームを組み合わせた食べ方も登場。一般的なアイスクリームコーンの代わりにサクサクとした金牛角を使い、三峡名物をユニークなスイーツに仕立てている。見た目にもインパクトがあり、街歩きをしながら楽しめるのも魅力だ。
ネット上では「金牛角ソフトクリームは珍しい。ただ少し値段が高い」「アイス自体はおいしいが、金牛角の器は特色を楽しむためのもの」といった声もみられた。
新北・三鶯線 話題のグルメNo.9 厚道飲食店|陶瓷老街駅、台北大学駅 第9位「厚道飲食店」。(同店公式Facebookより)
ネット上の言及数:243件 現在は鶯歌陶瓷老街と三峡老街に店舗を構え、手頃な価格の昔ながらの台湾料理を提供している。看板メニューの排骨飯(豚肉の揚げ物をのせたご飯)や香ばしく揚げた鶏もも肉をはじめ、麺類、スープ、冷たい飲み物まで幅広く揃う。素朴な家庭料理の味わいが、老街のレトロな雰囲気にもよく合う。
中でも昔ながらの排骨飯は代表的な一品。厚みのあるジューシーな豚肉に、甘酸っぱい大根の漬物や雪里紅(からし菜の漬物)が添えられ、塩気とうまみのバランスが食欲をそそる。黄金色に揚がった大ぶりの鶏もも肉も人気で、多くのグルメブロガーが訪れている。
料理だけでなく、店内のレトロな空間も特徴だ。レンガの壁や木製のテーブルと椅子、懐かしいデザインの窓枠や装飾が並び、台湾経済が成長を始めた時代を思わせる雰囲気を演出している。昔ながらの台湾料理とノスタルジックな店内が支持を集め、9位に入った。
新北・三鶯線 話題のグルメNo.8 金三峡牛角|台北大学駅
ネット上の言及数:387件 三峡老街にある「金三峡牛角」は、地元を代表する金牛角ブランドの一つ。休日には店頭に行列ができ、焼きたての香ばしい金牛角を求めて多くの観光客が訪れる。
特徴は、しっかりとした金牛角のパン生地に、サクサクとしたメロンパンのような「菠蘿皮」を組み合わせた二重の食感だ。「金菠蘿」や「チョコ菠蘿」は人気商品の一つで、外側のサクサク感に続き、金牛角ならではの濃厚なミルクの香りと弾力のある食感が楽しめる。尖った両端はクッキーのようにカリッとしており、食感の変化も特徴となっている。
同店は15種類以上のフレーバーを展開。定番のプレーン、黒糖、小豆、チョコレートから、ココナツ、タロイモ、クランベリーもち、パイナップルなどまで揃い、好みに応じて選べる。
台湾のネット掲示板「PTT」で「三峡の金牛角ならどの店がおすすめか」と質問が投稿された際には、「新しいスタイルなら金三峡」「味の種類が多い方がいいなら金三峡」「普通のパンもおいしく、うちはいつもここで買う」といった声が寄せられた。
新北・三鶯線 話題のグルメNo.7 勇伯垃圾麺|鶯歌駅 第7位「勇伯垃圾麺」。(同店公式Facebookより)
ネット上の言及数:526件 「垃圾麺(ゴミ麺)」という名前だけを見れば、思わず身構えてしまう人もいるかもしれない。しかし鶯歌では、この一見素朴な麺料理が多くの常連客に愛される庶民の味となっている。
7位の「勇伯垃圾麺」は50年以上の歴史を持つ老舗。地元の人々が子どもの頃から親しんできた味で、鶯歌を代表する手頃なローカルグルメの一つだ。
なぜ「垃圾麺(ゴミ麺)」と呼ばれるのか。その理由はスープにある。豚骨を長時間煮込み、骨髄のうまみや煮込みの際に出る細かな具材を残したところに、特製の肉そぼろとラー油を加える。このためスープは濁った色合いになり、見た目は決して華やかではないが、味わいは香り高く濃厚だ。
店は夕方から深夜1時まで営業。仕事帰りの腹ごしらえや夜食にも利用しやすく、1杯60台湾元という手頃な価格で、半世紀以上愛されてきた地元の味を楽しめる。
新北・三鶯線 話題のグルメNo.6 三角湧黄金牛角|三峡駅 第6位「三角湧黄金牛角」。(三角湧金牛角公式Facebookより)
ネット上の言及数:561件 創業20年以上の「三角湧黄金牛角」は、店舗が三峡老街からやや離れているものの、安定した品質と独自のスタイルで評価を集めてきた。
さまざまな味を開発する他店とは対照的に、同店は最も定番のプレーン味だけを販売。パンそのものの香りや食感を追求しており、わざわざ足を運んで購入する旅行者も少なくない。
金牛角は比較的小ぶりで、表面には白ごまがまぶされている。焼き上げることでほのかなごまの香りが加わり、しっかりとした弾力のある生地と組み合わさって、シンプルながら飽きのこない味に仕上がっている。
味へのこだわりに加え、店舗やパッケージには洗練されたデザインも取り入れている。昔ながらの名物としての魅力を残しながら、若い世代にも訴求する新しいイメージを打ち出している。
新北・三鶯線 話題のグルメNo.5 山泉水手工豆花|三峡駅 第5位「山泉水手工豆花」。(新北市観光旅遊網公式サイトより)
ネット上の言及数:578件 三峡老街の近くにある「山泉水手工豆花」は、観光客と地元住民の双方に親しまれている手頃な台湾スイーツ店だ。
なめらかな口当たりの手作り豆花(トウファ)がネット上で人気を集め、Googleの口コミは4500件を超える。台湾のテレビ番組でもたびたび紹介され、知名度も高い。
特徴は、豆花からシロップ、氷まで、店が「佛山山泉水」と呼ぶ湧水を使用していること。すっきりとした甘さとなめらかな口当たりが特徴で、多くの客を引きつけている。
価格の手頃さも人気の理由の一つで、昔ながらの台湾スイーツを1杯40台湾元で楽しめる。店頭に行列ができることも多い。
三鶯線を使って三峡を訪れる旅行者にとって、暑い日の涼を取るのにぴったりの一品であり、三峡老街散策の途中に立ち寄りたいローカルグルメの一つだ。
ネット上では「コスパが高く、特色もあっておいしい。提供も早い」「安くておいしい昔ながらの豆花」「豆花はおいしいが、人が多いので待つ覚悟が必要」といった感想が寄せられている。
新北・三鶯線 話題のグルメNo.4 在心蛋餅舗|台北大学駅 第4位「在心蛋餅舗」。(網路温度計DailyView提供)
ネット上の言及数:704件 三峡の北大商場にある「在心蛋餅舗」は、独特の「格子粉漿蛋餅」で知られる店だ。調理の様子や格子模様が有名ブランドのデザインを思わせることから、ネット上では冗談交じりに「蛋餅界のバーバリー」とも呼ばれている。
一般的な蛋餅(ダンビン、台湾風卵クレープ)とは異なり、特殊な型を使って生地に格子模様を付けることで、素朴な蛋餅を目を引く見た目に仕上げている。インフルエンサーやブロガーも多く訪れ、近年はSNSの撮影スポットとしても注目されている。
一方、この創作蛋餅をめぐってネット上では賛否も分かれている。「話題性だけでは。普通の蛋餅の方がいい」「網状の生地で卵を包んでいるだけで、食べた気がしない」といった声がある一方、「具材を中心に食べられるのはいい。生地は炭水化物なので少なめでもいい」「炭水化物が少なく、サクサクしていそうでいい」と評価する声もある。
こうした賛否両論も、店のネット上での言及数を押し上げる要因となった。
新北・三鶯線 話題のグルメNo.3 福美軒餅舗|台北大学駅
ネット上の言及数:919件 1958年創業の「福美軒」は、60年以上にわたり三峡で営業を続ける老舗だ。伝統的な製法と定番の味で金牛角を広め、多くの観光客が買い求める三峡名物として知られるようになった。
特徴は、中華菓子のサクッとした食感を生む製法と、西洋式のパンの形を組み合わせた中西折衷の味わいだ。
多彩なフレーバーを展開する「金三峡牛角」とは異なり、福美軒は長年、定番のプレーン味のみを販売。シンプルな味付けによって、金牛角本来の香りや食感を引き立てている。
三峡に数多くある金牛角ブランドの中でも、福美軒は「金三峡牛角」「三角湧黄金牛角」とともに名前が挙がることが多く、ネット上では三峡の金牛角を代表する3店として語られている。
3店それぞれに支持者がおり、「結局どこの金牛角がおいしいのか」は三峡土産をめぐる定番の話題だ。
ネット上では「定番なら福美軒、味の種類なら金三峡」「正統派なら福美軒、油っぽくないものが好きなら三角湧」「変わり種を除けば、定番のプレーンは福美軒がおすすめ」といった声がみられた。
新北・三鶯線 話題のグルメNo.2 八條寿司|陶瓷老街駅 第2位「八條寿司」。(八條寿司三峡旗艦店公式Facebookより)
ネット上の言及数:947件 三鶯エリアで手頃な日本料理店として、地元住民から支持を集めているのが「八條寿司」だ。
もともとはわずか4坪ほどの小さな屋台からスタートし、現在では三峡と鶯歌に100坪規模の店舗を構えるまでに成長した。ボリュームのある料理、手頃な価格、豊富なメニューで人気を集め、平日・休日を問わず、しばしば満席になる。
メニューは握り寿司、各種寿司、手巻き寿司のほか、刺身、冷菜、揚げ物、焼き物まで幅広い。
代表的な料理には、ご飯がパラリと仕上がった鮭チャーハン、厚切りの刺身盛り合わせ、具材をしっかり使った握り寿司盛り合わせ、外はサクサク、中は柔らかな厚切り豚カツなどがある。
店内の和風デザインも特徴で、広々とした空間に祭りの提灯などを配し、日本をイメージした雰囲気を演出している。
個室も備え、ビジネスでの会食や家族での食事にも利用しやすいことから、遠方から訪れる観光客にも人気の店となっている。
新北・三鶯線 話題のグルメNo.1 阿婆寿司|鶯歌駅
ネット上の言及数:5,273件 首位となったのは「阿婆寿司」。ネット上の言及数は5273件で、2位の八條寿司の947件と比べ約5.6倍に達した。
寿司の種類も多く、ミックス寿司、ベーコン寿司、チーズ寿司、スモークチキン寿司、鮭寿司、海苔と豚肉でんぶの寿司などを用意する。価格は多くが50台湾元前後で、気軽に楽しめるのも特徴だ。
茶碗蒸し、台湾風おでん「関東煮」、味噌汁も常連客に人気。茶碗蒸しはなめらかな食感で、ひき肉の風味が加わる。関東煮は具材に味が染み込み、店内で食べる場合はスープのおかわりも無料だ。
さらに同店は24時間営業。朝食から昼食、深夜の食事まで、時間を問わず昔ながらの台湾風寿司を味わえる。
「KEYPO大數據關鍵引擎」による今回の調査では、阿婆寿司のネット上の言及数が最も高まったのは2026年6月3日だった。
阿婆寿司が融資を使わず、1億台湾元を超える現金を投じて7階建ての建物を建設したことがネット上で大きな話題となり、「驚異の屋台成功物語」と評する声も出た。こうした話題も、今回のランキングで首位となる大きな要因になったとみられる。
ネット上では「『現金でビルを建てる』という言葉は寿司以上に癒やされる」「まさに薄利多売の成功例。24時間営業でコスパも高く、味も悪くない」「これなら並ばなくて済むのだろうか。1階から5階まで食べ歩きたい」といった声が寄せられた。
調査概要 本調査のデータは、大數據股份有限公司が運営するソーシャルリスニングツール「KEYPO大數據關鍵引擎」によるもの。分析期間は2025年8月17日から2026年8月16日まで。
「KEYPO大數據關鍵引擎」は、人工知能(AI)を用いた意味解析を行い、毎月2000億以上の中国語データを処理するネット上のビッグデータ・データベースで、Facebook、YouTube、Threads、TikTok、Instagram、ニュースメディア、掲示板、ブログなどを対象としている。
今回の調査では、テーマに関連するネット上の文章を分析し、ユーザーによる言及量を基にランキングを作成した。
調査結果は投票、世論調査、ネットアンケートなどによるものではない。順位はあくまでネット上での言及量の多さを示すもので、店舗に対する好意的・否定的な評価を示すものではない。
2026年版「三鶯線で話題のグルメTOP10」。(網路温度計DailyView提供)
本記事・画像は「網路温度計DailyView」の許諾を得て転載したものです。
原題:三鶯線10大熱門美食出爐!阿婆壽司聲量破五千筆稱霸 金牛角四強分食三峽票倉