台北市長選、沈伯洋氏と蒋万安氏が描く「20年後の台北」 両候補の回答全文
「20年後の台北」についてを問われ、それぞれの見解を示した台北市長候補の沈伯洋氏(左、陳品佑撮影)と蒋万安台北市長(右、劉偉宏撮影)。(合成写真/風傳媒)
11月の台北市長選に向けた動きが活発化する中、台湾のジャーナリスト、尚毅夫氏は「20年後の台北はどのような姿をしているか」という問いを、2人の市長候補に投げかけた。民進党公認の沈伯洋氏は、インターネット番組「狠狠斗内幕(徹底的に内幕を暴く)」に出演した際、自身の娘の成長を手がかりに、世代ごとに就職、子育て、退職までの都市の青写真を描いた。
一方、国民党公認で現職の蒋万安・台北市長は、台北松山空港移転後の情景を主軸に据え、緑地や自動運転車、公営住宅が立ち並ぶ未来の台北を描いた。同じ問いに対し、両氏が提示した全く異なる都市のビジョンについて、それぞれの回答をフルバージョンで以下に紹介する。
沈伯洋氏:20年後を想像することは全世代に重要
私の娘は現在6歳だが、20年後は大学や大学院を卒業したばかりの時期に当たる。その時代には、誰もが仕事を見つけやすい台北であってほしい。我々は以前より『都市ファンド(城市基金)』構想を推進しており、若者たちが少なくとも50万台湾ドル(約240万円)を受け取れるようにしたいと考えている。
また、その頃にはAIの活用は当たり前となっており、市場から歓迎されていると実感できるだろう。さらに、手頃な価格の住宅や賃貸専用の物件など、十分な住宅が供給され、台北市で容易に生活できるようになる。
現在卒業したばかりの世代に対しては、我々は多くのAI関連プロジェクトを通じて彼らを支援している。20年後、彼らは40代から50代になり、子供が生まれたばかりか、あるいは就学年齢に達している頃だろう。当然のことながら、子供を学校へ通わせる際の安全性や、健康によい学校給食が保証され、気軽に子連れで外出できる環境が望まれる。
以前から『子育て世代の孤立』が指摘されているが、子供を持つことでかつて親しんだ社会的活動に参加できなくなることへの不安は大きい。だからこそ、政府が後ろ盾となり、子育てが楽しいと感じられる雰囲気を作ることが極めて重要だ。『友人に子供がいても、変わらず一緒に遊びに行き、リラックスした生活を送っている』という状況になれば、子供を持つことは楽しいことだと誰もが思えるようになるだろう。
現在私と同年代の層は、20年後には定年退職の時期を迎える。退職後の生活において、建物の老朽化と人口の高齢化が進む中、階段の昇降をより便利にできないか。高齢者の賃貸住宅探しをより容易にできないか。さらに、高齢者の社会的活動として、公園で太極拳をして交流するだけでなく、より多様な活動に参加できる環境が必要だ。健康寿命をどう延ばすか、介護サービスを早期に利用せずに済むよう、どう対応すべきか。我々の政策はこうした計画に基づいており、都市全体の方向性を市民に示していく。
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しかし、その中で最も重要なのは、どの年齢層であったとしても投資を行う可能性があるという点だ。子供の教育方針や資金の投資先を決定するためには、この都市が今後どの産業を主力とし、どこに投資していくのかを明確に知る必要がある。そうすることで、市民は自らの資金をどこに振り向けるべきかを判断できるようになる。
蒋万安氏:20年後の台北
20年後の台北について、皆様には次のような情景を想像していただきたい。松山空港の跡地を歩くと、広大な公園緑地が広がり、豊かな木陰が確保されている。歴史的記憶を受け継ぐ『松山空港駅』は存在するが、空港自体は既に移転している。そして、道路には自動運転車が走り、その中核部品として台湾製の半導体が使用されている。さらに、台北市内のあらゆる通りや路地を歩いても、受動喫煙の被害に遭うことはない。我々がすでに『無煙都市』を推進しているからだ。
つまり、私が望む20年後の台北は、活力とイノベーションに満ちた都市だ。他の都市との競争において、台北は居住、交通、産業発展のあらゆる面でリードしているだろう。また、台北市全体が一新され、老朽化した建造物の更新が完了している。高層ビルが立ち並び、現在の松山空港の場所には大規模な公営住宅エリアが整備され、高齢者から子供まで、あらゆる世代が入居できるようになっている。
こうした20年後の台北の情景を想像してほしい。全ての市民が、現在の都市景観や交通インフラとは一変した台北の姿を目の当たりにし、テクノロジー産業が市民生活の多くの場面に導入されている。台北市が引き続き重要な先導者としての役割を果たすことを私は願っている。今日、台北市は『リー・クアンユー世界都市賞』を受賞するなど国際的な評価を得ているが、20年後、たとえ異なる政党の市長が就任していたとしても、各項目の市政サービスにおいて引き続き世界の注目を集める存在であってほしいと考えている。
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