【舞台裏】沈伯洋氏の「洋流」だけではない 相次ぐ捜査に国民党組織が萎縮、蒋万安氏の再選戦にも影

2026年統一地方選が最終盤に入るなか、検察・警察・調査当局は台湾全土で選挙買収の摘発を強化している。一方、国民党陣営からは摘発基準が一貫していないとの不満も出ており、選挙集会の開催を控える動きもみられる。写真はイメージ。(資料写真、蔡親傑撮影)
2026年統一地方選が最終盤に入るなか、検察・警察・調査当局は台湾全土で選挙買収の摘発を強化している。一方、国民党陣営からは摘発基準が一貫していないとの不満も出ており、選挙集会の開催を控える動きもみられる。写真はイメージ。(資料写真、蔡親傑撮影)

2026年末の統一地方選挙が最終盤に入るなか、「洋流」(民進党の沈伯洋氏が巻き起こす支持の潮流)が台北、新北、基隆、桃園の北部4県市、さらには台湾全土の選挙戦に影響を及ぼしている。選挙をめぐる議論は首都・台北市の戦いに集中し、その他の争点の多くが埋もれている状況だ。

一方、今回の選挙では、国民党(藍陣営)の地方議員らが司法当局による相次ぐ捜査に強い警戒感を抱いている。10月1日に選挙買収の疑いで起訴された王威市議は、自身は「司法による迫害」を受けていると主張し、10月6日の議会定例会終了後には「さらに捜査対象になる人が出る」と発言していた。その後、新北市のベテラン議員、黄永昌氏が選挙買収事件で捜査を受け、連斐璠氏も別件の助理費をめぐる事件で捜査対象となった。

こうした状況を受け、国民党中央は新北市議候補の何元楷氏らに「緑にはできて、こちらにはできないのか 法務部の買収摘発基準に藍緑で差」と題した記者会見を開かせた。国民党側は、民進党政権下で2026年選挙をめぐる買収摘発の基準が従来と変化し、藍陣営に萎縮効果をもたらしていると批判した。

国民党立法院党団(議員団)の傅崐萁・総召集人も10月14日の立法院司法・法制委員会で鄭銘謙法務部長(法相)に対し、買収の認定基準や検察・調査当局の捜査の尺度、関連する政治家の事件について質疑した。国民党の黄健豪立法委員(国会議員)も、選挙集会で約80~120台湾元の弁当を配ることは買収に当たるのかと問い、「法務部は買収のレッドラインがどこにあるのか明確にすべきだ」と迫った。

しかし、こうした議論は「洋流」をめぐる話題の陰に隠れ、大きな注目を集めるには至っていない。国民党の地方議員らの間では、相次ぐ捜査が選挙活動に及ぼす影響への不安が広がっている。

20261011-民進党の台北市長候補・沈伯洋氏が11日、中山大同区で車載スピーチによる選挙運動を行った。(顏麟宇撮影)
民進党の台北市長候補、沈伯洋氏(中央)が巻き起こす「洋流」により、台北市長選は台湾全土の注目を集めている。(資料写真、顏麟宇撮影)

「仕入れ値」から「市場価格」へ? 国民党議員、イベント自粛が「一番安全」

新北市議を長年務める黄永昌氏について、10月8日、有力な支持者を通じて有権者に市場価格約160台湾元の「関廟麺」を配った疑いが報じられた。検察・調査当局による捜索と事情聴取の後、検察側は裁判所に勾留を請求したが、裁判所は100万台湾元の保証金を納付して釈放することを認め、住居や出国・出海を制限した。

この一報をその場で聞いた新北市議会のベテラン議員は、思わず悪態をついた後、すぐに「自分の今後の日程に何か問題がないか確認しなければならない」と語ったという。

黄氏の事件から数日後、別の新北市議会のベテラン議員は不安を口にした。これまで関廟麺のような贈答品を配る場合、基準として意識されていたのは「仕入れ値」だったという。最も川上の業者から仕入れ、中間業者による上乗せを避けて30台湾元以内に抑えれば問題にならないとの認識が地方にはあったという。 (関連記事: 【舞台裏】台北市長選、蒋万安氏と沈伯洋氏が狙う「民衆党票」 柯文哲氏は蒋氏との共演を保留 | 関連記事をもっと読む )

しかし同議員は、現在は検察側が「市場価格」を基準に捜査しているようにみえるとし、「市場価格は販売先によって数台湾元程度違うのが普通で、基準が曖昧になりかねない」と懸念を示した。

最新ニュース
台湾陸軍演習「陸勝2号」、赤軍が3日で高雄から苗栗まで北上
JR東日本、竹芝・高輪・大井町を光と音でつなぐ「LIGHTBEATS」初開催 11月19日から、入場無料
台北市長選、蒋万安氏が盧秀燕・台中市長を選対トップに 沈伯洋氏の「洋流」に対抗へ
【舞台裏】台北市長選、蒋万安氏と沈伯洋氏が狙う「民衆党票」 柯文哲氏は蒋氏との共演を保留
【現地レポート】三菱地所、大手町の新たな街づくりを公開 水上リビングやAIロボット、健康施策も
【写真特集】フランス大規模デモ、一部が暴徒化 築143年のリモージュ市庁舎が炎上、2400人超逮捕
「TOKYO ANIME NEXT」上映会全ラインナップ解禁!『君の名は。』『鬼滅の刃』など全14作品を上映、無料企画も充実
令和8年都道府県地価調査受け三菱地所社長がコメント発表 三大都市圏の上昇拡大と地方の継続を指摘
虎ノ門ヒルズで美食巡りイベント 過去最多92店舗が集結、初のフライドポテトGPも開催
ANA「ちいかわジェット」国内線に就航 機体から機内までちいかわ仕様、23日から限定グッズも
トランプ氏、対ロ制裁の主要措置を適用除外 与野党猛反発も議会休会で対抗困難
アニメ東京ステーションで人気声優陣による公開収録イベントが11月2日に開催決定 冨永みーな、浪川大輔らが登壇
台湾・李洋スポーツ相、名古屋アジアパラ開会式を欠席 大会IDが「スポーツ相」から「ゲスト」に変更
東京レガシーハーフマラソン2026で男女ともに大会新記録 ムティソが初優勝、ゲティチ圧巻の独走で制す
Airbnb Japan、新キャンペーン「あつまる旅に、起きること」を発表 竹内涼真が東京Vユース時代の旧友との撮影秘話を披露
「進めーっ!」台湾大に『進撃の巨人』ファン集結 エルヴィン団長の誕生日、自転車で「突撃」再現
オリックスが台湾の有望株2選手と育成契約 チーム内の台湾出身選手は3人に
【ひと目でわかる】フランスで抗議なぜ拡大 「教員不足」から80万人規模に、一部で暴動・放火も
東急不動産など代官山で「ふるさとグルメマルシェ」開催へ 全国6地域の特産品や一流シェフの限定料理集結
台風30号(チャンパー)が台湾接近へ 5県市で強風域入り確率50%超、23~25日に最接近か
東京都、若手ファッションデザイナー育成「アカデミー」開講 TOMO KOIZUMIらが指導
ライブ配信に「音のハンコ」 CREOKとシヤチハタ、AI時代のなりすまし防止へ
【寄稿】「残業代を払えば合法」は誤解 経営者が知るべき「36協定」の落とし穴
【現地レポート】日本の牛乳は1000銘柄以上 豊洲「ミルクフェス」でJミルクが消費拡大呼びかけ
生乳廃棄の恐れも 脱脂粉乳在庫は10万6800トンの見通し、Jミルクが需給改善策
小池百合子都知事や12カ国の駐日女性大使らが参加 「びじょんネット会議」で女性活躍を議論
東京国際映画祭2026、アカデミー賞主催団体のCEOが来日 東宝・松岡宏泰氏と特別対談
ケイト・ブランシェット、東京国際映画祭に初参加 10月30日に登壇、短編5作品を日本初上映
東京国際映画祭2026、10月26日開幕 日本映画部門をコンペ化、東南アジア映画6作品も上映
KITTE大阪で「よつ葉ミルクフェア」10月25日開催 入場無料、試飲・試食や模擬搾乳体験も
Nothing、最大40%オフの秋セール開催 人気イヤホン「Ear」が1万1800円に
U-NEXTがNovelbrightの全国ツアーファイナル大阪城ホール公演を独占ライブ配信へ 11月1日より見放題で配信開始
てんやの社内コンテスト金賞作「鮮やか ベジポテ天丼」が10月22日より8000食限定で発売へ
のん活動10周年・デビュー20周年記念ツアー東京公演、U-NEXTで11月1日に独占ライブ配信決定
「台湾のシリコンバレー」新竹市と宮崎市が友好交流協定 半導体・観光・市民交流を深化へ
国内アリーナ初「LEED GOLD」取得の裏側を公開 トヨタアルバルク東京が10月23日に見学ツアーと特別対談を開催へ
富山県で晩秋の魅力を体感する多彩な催しが展開 スポーツ・アート・食文化の最新情報を発信
U-NEXT、2026年プロ野球ドラフト会議を完全生配信へ 約20台のカメラと安倍昌彦氏の解説で運命の瞬間届ける
富山県高岡市で伝統工芸の勧業博覧会「ツギノテ」開催へ 全国から作り手128社が集結
「行って後悔した」旅行先5カ国、中国も 北京はネガティブな口コミで世界4位
セガ、『スチュピッド・ネバー・ダイ』の解説動画第4弾を公開 小林裕幸プロデューサーが独自のアートスタイルを解説
エキュート大宮に「立鮨 銀座おのでら」など新規4店舗が登場 10月21日から段階的にリニューアル
東京・大手町で「森の市2026」開催へ 都市緑地と五感でつながる体験を提供
【図解】理髪店の回転灯はなぜ赤・白・青? ルーツは「瀉血」、かつて理髪師は外科処置も
宮崎県日南市、「DENKEN WEEK 2026」開催や無人島リゾート「HINATA大島」開業など秋の観光情報を発信