10月17日に東京都江東区の豊洲公園で開催された「牛乳でスマイルプロジェクト ミルクフェス in 豊洲 2026」に先立ち、主催者の一般社団法人Jミルクは台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の取材に応じ、国内の生乳需給の現状や、10月13日に公表した新たな需給改善策について回答を寄せた。
全国の酪農乳業界では、飲用牛乳の需要が落ち込む「不需要期」の生乳余剰と、脱脂粉乳の過剰在庫が深刻な課題となっている。Jミルクは、生産調整と需要拡大を組み合わせた「入口・出口対策」を打ち出し、イベントを通じた牛乳・乳製品の魅力発信にも力を入れている。

Jミルク、生乳需給の改善へ「入口・出口対策」 豊洲ミルクフェスに30ブース
Jミルクが10月13日の理事会で取りまとめた「入口・出口対策」は、今年6月に策定された「持続可能な酪農乳業産業の確立に向けた需給改善対策」を具体化したものだ。
脱脂粉乳の需給ギャップ約30万トン(生乳換算)の解消を目指し、全国の関係者が主体的に財源を確保しながら、実効性のある取り組みを進める。
豊洲で開催されたミルクフェスには、官民連携による「牛乳でスマイルプロジェクト」の参加メンバーが計30の多彩なブースを出展した。秋から冬にかけて牛乳の需要が落ち込む不需要期を前に、来場者に国産牛乳・乳製品の価値や酪農の現場を直接伝え、消費拡大を呼びかける機会となった。

生乳生産が予想を上回る見通し 9月の牛乳需要は伸び悩み
Jミルクがまとめた2026年度の需給見通しによると、今年8月から9月にかけての天候不順が、生乳需給に異例の状況をもたらしている。
東日本では猛暑日の日数が過去10年間で最も少なく、9月上旬には記録的な降雨により、日照時間が統計開始以来最も短くなった。
乳牛の暑熱ストレスが軽減されたことで、1頭当たりの乳量が予想を上回り、生乳生産量の減少は限定的となった。
一方、例年であれば飲用牛乳の需要がピークを迎える9月に消費が伸び悩み、需要期にもかかわらず需給が緩和した。
この結果、2026年度下半期(10月~翌年3月)の生乳生産量は大幅に上振れする見通しとなり、需給調整の役割を担う脱脂粉乳やバター向けの生乳処理量は、過去10年間で最大規模に達すると予測されている。

脱脂粉乳の在庫、年度末に10万6800トンの恐れ 生乳廃棄の懸念も
飲用牛乳の消費低迷に加え、乳製品加工工場や運送業界の人手不足も重なり、生乳の処理能力が限界に達することへの懸念が高まっている。
特に、学校給食が休止する年末年始や春休みなどの不需要期には、都府県だけでなく北海道の乳製品工場でも、生乳の受け入れ量が処理能力を超えると予測されている。
最悪の場合、行き場を失った生乳を廃棄せざるを得ない「処理不可能乳」が発生する恐れもある。
さらに、脱脂粉乳の出回り量は長期的に低迷している。 (関連記事: Jミルク、豊洲公園で「ミルクフェス 2026」開催へ 全国の牛乳飲み比べや牛との交流で消費拡大を後押し | 関連記事をもっと読む )
新たな対策を講じない場合、2026年度末の脱脂粉乳の在庫量は前年比153.6%の10万6800トンに達し、在庫月数も9.7カ月まで積み上がると見込まれている。














































