半導体受託製造(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC、台湾証券取引所:2330)は、3ナノメートル(nm)半導体の需要が好調を保っている状況を受け、台湾南部、台南市で3ナノ工場を1棟増設することを決定した。2028年上半期の量産開始を見込む。TSMCの魏哲家董事長兼最高経営責任者(CEO)が15日の業績説明会で明らかにした。
さらに魏氏は、台南に建設中の別の3ナノ新工場が2027年上半期に量産を開始するほか、米アリゾナ第2工場の量産開始を2027年第3四半期へ前倒しすると発言した。また日本の第2工場における3ナノプロセス導入計画も、2028年の量産開始を見込んでいると説明した。
台南での新工場増設から、米国や日本での相次ぐ3ナノ導入に至るまで、TSMCは複数地域での工場建設、設備の更新、生産効率の改善を通じて、3ナノ製品の供給能力を拡大している。
目標生産能力到達後の追加投資は異例
魏氏は、過去のTSMCの慣例として、一つの製造プロセスが目標生産能力に達した後に設備を増強することは通常なかったと指摘。しかし、同社による需要予測に基づき、今後複数年にわたる3ナノプロセスの需要を下支えするため、グローバル規模での「N3(3ナノ世代)」拡張計画を継続的に推進すると述べた。
TSMCは現在、南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)台南園区における3ナノ新工場1棟の建設が計画通りに進んでおり、2027年上半期に量産を開始する予定だ。魏氏はさらに、顧客からの旺盛な需要にけん引され、「台南に3ナノ工場をもう1棟増設することを決定した」と述べ、追加される新工場が2028年上半期に量産を開始するスケジュールを明らかにした。
台南の2つの新工場の量産時期がそれぞれ2027年と2028年に設定されていることは、同社が目先の供給増にとどまらず、将来に向けた生産能力の確保を進めていることを反映している。
TSMCの第3四半期売上高のうち、3ナノ製品の占める割合は33%に達し、第2四半期の30%から上昇。同期は2ナノ製品の割合も3%から8%へと拡大した。次世代ノードの量産が本格化し始める中でも、3ナノ製品の需要は依然として高く、同社の追加投資を後押ししている。
米アリゾナ第2工場で設備搬入を開始
海外拠点に関しては、米アリゾナ州の第2工場ですでに工場棟の建設が完了し、現在は設備の搬入と据え付け作業が進められている。魏氏は、同工場での量産開始が2027年第3四半期になると述べ、当初の計画よりやや早まるとの見通しを示した。
3ナノプロセスを採用する日本の第2工場に関する計画も進行中で、2028年の量産開始を見込んでいる。台南の2棟の新工場と合わせ、TSMCは今回、台湾、米国、日本の各拠点における3ナノ供給体制の整備スケジュールについて説明したが、各工場の具体的な月産能力や追加投資額については明言を避けた。
拠点と工場 | 量産開始時期(見込み) |
台南3ナノ新工場 | 2027年上半期 |
台南3ナノ追加新工場 | 2028年上半期 |
アリゾナ第2工場 | 2027年第3四半期、当初計画より若干前倒し |
日本第2工場の3ナノプロセス導入 | 2028年 |
当面は設備の転換と生産効率向上で3ナノ増産図る
新工場の建設に加え、TSMCは台湾内の既存工場で5ナノ用設備を3ナノ向けに転換する作業を継続的に進めており、3ナノの生産能力を支えている。同時に、各地の工場における生産効率の向上を通じて、実質的な生産量の拡大を図っている。
生産能力最適化のもう一つの対策として、7ナノ、5ナノ、3ナノの各プロセス間で柔軟な生産支援を挙げた。これらの措置を新工場の建設と並行して進めることで、同社は新たな工場が量産を開始するまでの間、既存の生産基盤を活用して増産することが可能となる。
魏氏は、同社があらゆる実現可能な手段を講じ、可能な限り早期に顧客を支援していくと強調し、「我々は可能性のあるすべてのビジネス機会を獲得したいと考えている」と語った。
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編集:平松靖史













































