米国のドナルド・トランプ大統領は13日、アラスカ州で開催された選挙集会の演説で、同州で建設が計画されている「アラスカ液化天然ガス(LNG)」パイプラインについて、「台湾はこのほど、このパイプラインから産出される天然ガスの30%を今後20年にわたり買い取ることに今合意した。これは同重大プロジェクトの成功を確実にするものだ」と発言した。
韓国の「未定」は故意に無視
トランプ氏の発言は、東アジアの同盟国に対し、米国からエネルギー調達を拡大するよう圧力をかける最近の姿勢を継承するものだ。トランプ氏は以前にも、総投資額500億ドル(約7兆5000億円)に上るアラスカLNG開発プロジェクトに韓国が参加を合意したと再三主張し、韓国政府による「まだ決定していない」との反応を意図的に無視してきた。当時の韓国政府は、トランプ氏の発言を即座に否定し、同プロジェクトが「経済的妥当性を備えていると評価された」場合にのみ投資に参加すると強調した。
トランプ氏はアラスカの支持者に台湾からの巨額の投資をアピールしただけでなく、韓国が以前に約束したとされるアラスカへの500億ドルの投資に加え、「我々(連邦政府)は同天然ガスプロジェクトに対し、44億ドルを追加投資する」と付け加えた。

しかし、トランプ氏が言及した米台間の取引の詳細や関連する法的条項については、現時点で公式な確認は取れていない。関係者によると、台湾の公営企業である台湾中油(CPC)は2025年にアラスカ天然ガス開発公社(AGDC)と基本合意に達し、LNGの調達および同パイプライン計画への参加の妥当性について評価を行っていたとされる。
世界的な人工知能(AI)ブームが巻き起こる中、半導体製造大手である台湾積体電路製造(TSMC)を擁する台湾では、産業および民生用の電力需要が急激に高まっている。一方で、台湾はエネルギーの90%以上を長期にわたり海外からの輸入に大きく依存している。台湾経済部は今夏、2035年までの年間平均電力需要の伸び率が過去最高の2.5%を突破し、日本や韓国をはるかに上回る成長幅になるとの予測を示した。エネルギー転換の圧力に直面する一方で、台湾は米国からの複数の大型武器調達案の承認および引き渡しを待ち続けている状況にある。
韓国に関税上乗せの圧力も
アラスカ天然ガスプロジェクトに関し、開発事業者のグレンファーン・グループ(Glenfarne)が10月に米国政府へ提出した最新の報告書によると、同プロジェクトは2029年の天然ガス供給開始を目標としている。

トランプ氏は台湾が投資を承諾したとする一方、韓国に対する圧力も強めている。10月上旬、トランプ氏は韓国に対し、早急に契約に署名しなければさらなる費用を請求すると警告し、その費用が「倍増する」可能性にまで言及した。これを受け、韓国メディアの間では、同氏の発言が韓国からの輸入品に対するより高額な懲罰的関税の発動を示唆しているとの見方が広がった。
ホワイトハウスのケイティ・ザカリア新報道官は、就任後初の記者会見で、トランプ氏が発表した2000億ドル規模の韓国による対米エネルギー投資案のうち、アラスカLNGパイプラインおよび港湾建設への投資として540億ドルが割り当てられていると述べた。同投資計画にはさらに、8基の大型原子力発電所の建設に対する1200億ドル、テキサス州における6ギガワット(GW)の天然ガス発電施設の建設に対する223億ドルが含まれているという。
韓国産業通商資源部は、米国政府が再度「自国に代わって決定を下した」事態を受け、直ちに声明を出し、韓国政府として現時点でアラスカLNG開発計画への投資参加を決定した事実はないと説明。また、実質的な投資決定を下す前には、同計画の商業的実行可能性(Commercial viability)と関連リスクを厳格に審査する必要があると強調した。

トランプ氏が言及した台湾による投資に関する主張について、現時点でホワイトハウス、台湾経済部、および台湾中油からの公式な見解は発表されていない。
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編集:平松靖史 (関連記事: 評論:台湾が100億ドルで「米国のパイプ役」?アラスカLNG計画の不可解な投資 | 関連記事をもっと読む )













































