中国、「台湾光復」記念を恒例化 歴史認識で台湾への圧力強化、頼総統の「丘の上の町」に込めた意味は

北京は昨年、法制化を通じて10月25日を「台湾光復記念日」と定め、今年は国務院台湾事務弁公室(国台弁)を含め、各地で関連行事を相次いで展開している。北京が台湾への圧力を強めるなか、「丘の上の町」を掲げる頼清徳政権はどう対応するのか。(中央通信社)
北京は昨年、法制化を通じて10月25日を「台湾光復記念日」と定め、今年は国務院台湾事務弁公室(国台弁)を含め、各地で関連行事を相次いで展開している。北京が台湾への圧力を強めるなか、「丘の上の町」を掲げる頼清徳政権はどう対応するのか。(中央通信社)

中国は昨年10月24日、全国人民代表大会(全人代)常務委員会の採決で「台湾光復記念日」の設置を決めた。本来は台湾側が記念してきた「光復節」(1945年10月25日、日本の台湾統治が終わり中華民国政府が台湾を接収したことを記念する日)を、北京がその歴史的意味合いごと自らのナラティブに取り込んだ形だ。

関係者によると、北京は今後、台湾光復の記念を恒例化する方針で、各種行事が各地で一斉に展開され、中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)も大きな動きを見せるという。北京が台湾光復を自らの歴史の語りに組み込むなか、「丘の上の町」を掲げる頼清徳政権はどう対応すべきなのか。

昨年は台湾光復80周年にあたり、北京は人民大会堂で「台湾光復80周年記念大会」を開いただけでなく、法律の形で10月25日を「台湾光復記念日」と定め、国がさまざまな形式で記念行事を行うと規定した。台湾光復を一方的に自らの歴史叙述に組み込んだのだ。

さらに9月の2度目の米中首脳会談では、米中が互いを第2次世界大戦の同盟国と呼び合った。台湾の地位は第2次大戦後の重要な地政学的変化の一つであり、北京は一連の攻勢を通じ、統一前から統治を先取りする「未統先治」を全面的に強化し、台湾への包囲を強める構図となっている。

北京、台湾光復の記念を恒例行事に

関係者によると、中国の今回の台湾光復関連行事は各地で一斉に展開される。各地で関連の写真展や文化・芸術イベントが開かれるほか、国台弁も10月24、25の両日、福建省福州市で「台湾光復座談会」と「抗日戦争研討会」を開く。

また、上海の対台湾関係部門は台湾の抗日運動参加者の子孫を集め、「台湾同胞抗日研究センター」を設立する予定だ。

北京は昨年、国家レベルでさまざまな記念行事を行うと強調しており、今年は各地がそろって動き出したようだ。

台湾光復の記念はこれまで10年ごとに大規模な記念大会を開くのが通例だったが、北京が「台湾光復記念日」を設けたことで、今後は恒常的な行事へと転換していくことになりそうだ。

2025年10月25日、北京で「台湾光復80周年記念大会」が開かれ、中国共産党政治局常務委員で全国政治協商会議(政協)主席の王滬寧氏が出席して演説した。中国は同年、立法によって「台湾光復記念日」を設けた(新華社)
2025年10月25日、北京で「台湾光復80周年記念大会」が開かれ、中国共産党中央政治局常務委員で全国政治協商会議(政協)主席の王滬寧氏が出席し、演説した。中国は同年、法制化を通じて「台湾光復記念日」を設けた。(新華社)

米中が互いを「第2次大戦の同盟国」と位置付け 台湾の地位論にも波及

国立政治大学両岸政経研究センターの研究員であり、原郷人文化工作室の執行長を務める張鈞凱氏は台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』に対し、今回の習近平国家主席の訪米で、トランプ米大統領とともに米中が第2次大戦の同盟国であると表明したことは、北京が台湾光復を大々的に記念する動きと、実は同じ文脈にあると語った。

2度目の米中首脳会談の合意に台湾への言及はなかったが、習氏は台湾独立への反対を表明している。張氏は、第2次大戦の同盟国という表現を双方の合意に盛り込んだこと自体に、台湾の位置付けをめぐる「暗黙の了解」が含まれているとの見方を示した。 (関連記事: 「台湾光復節」とは何か 「祖国への復帰」か「占領の始まり」か、揺れる主権の記憶 | 関連記事をもっと読む )

張氏はさらに、今回習氏が米国立公文書館を見学した際、米側が自ら「サンフランシスコ講和条約」(同条約は台湾と澎湖諸島の主権を中華民国やその他の特定の国に移すことを条文で直接定めていない)を展示から外したことにも注目すべきだと指摘した。

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