日本の半導体新興企業ラピダス(Rapidus)は、顧客の半導体設計を支援するエコシステム「Rapidus CORE(ラピダス・コア)」の取り組みの第1弾として、半導体設計関連企業17社からなる「Design Solution Associates」を発表した。参加企業には、米設計ソフトウェア大手のシノプシス(Synopsys)やケイデンス(Cadence)、インドのインフォシス(Infosys)やウィプロ(Wipro)、さらに日本のTOPPAN、大日本印刷、東芝情報システムなどが名を連ねている。
これら17社は、顧客が半導体を設計する段階から支援を行う。先端半導体の製造をどのファウンドリ(半導体受託製造企業)に委託するかは、設計の初期段階からその工場の製造プロセス規格に合わせて回路を描く必要があり、途中で委託先を変更すれば設計の一部をやり直すことになる。
ラピダスはこれら企業の協力を得ることで、顧客がラピダスでの設計・製造を選択する際のハードルを下げる狙いがある。同社によると、今後は設計ソフトウェアツールや回路設計の知的財産(IP)などを手掛ける企業にも参加を広げる方針だ。
ラピダスは2022年、トヨタ自動車やソニーなど日本企業8社の出資により設立され、日本政府の強力な支援を受けている。現在、政府は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)を通じても出資を行っている。
同社は米IBMから技術提供を受け、2025年4月に北海道千歳市で試作ラインを稼働させ、2027年度後半(2027年10月~2028年3月)に2ナノメートル(ナノは10億分の1)世代の半導体の量産開始を目指している。2ナノ級の最先端プロセスを手掛ける企業は、台湾積体電路製造(TSMC)、韓国サムスン電子、米インテルなど世界でもごく少数に限られている。
英通信社ロイターが10月7日に報じた分析記事では、焦点が顧客の獲得に当てられている。シンガポールを拠点とする資産運用会社ホワイト・オーク・キャピタルのインベストメント・ディレクター、ノリ・チオウ氏は、ラピダスの最大の課題は依然として「誰がこの工場の生産能力を埋めるのか」だと指摘している。
同氏は今回の発表を前進と評価しつつも、ラピダスの顧客獲得が商業面で実際に進んでいることを示す証拠にはまだならないとの見方を示した。
2ナノ計画に4兆円超、銀行が見るのは「ラピダスに顧客がいるか」
経済産業省は今年4月、2026年度に最大6315億円の研究開発支援を承認し、これまでに承認した支援上限額は累計2兆3540億円に達した。
研究開発支援に加え、政府はIPAを通じて出資を行っており、今年6月に1500億円を追加したことで、出資総額は2500億円となった。この両者を合わせると、研究開発支援の上限額と実施済みの出資額の合計は2兆6040億円に上る。 (関連記事: ラピダス、2ナノ量産成功なら米上場・米生産も視野 TSMCを追う日本半導体の再挑戦 | 関連記事をもっと読む )
しかし、この資金だけでは工場の量産には不十分だ。経産省が公表したラピダスの事業計画によると、2ナノ世代の研究開発に約2兆6000億円、量産投資に別途約1兆6000億円が必要とされ、全体の投資規模は4兆円を超えると試算されている。













































