【寄稿】中国海警はどこまで遠洋化するのか 台湾東方に現れた大型船「2503」、052D型との共通点

台湾海巡署・基隆隊の10050艇と10090艇が中国海警局の船と対峙する。(資料写真、台湾海巡署提供)
台湾海巡署・基隆隊の10050艇と10090艇が中国海警局の船と対峙する。(資料写真、台湾海巡署提供)

筆者は6月、台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』で、日本とフィリピンが台湾東方海域を含む海域について海洋境界画定交渉を始める動きに中国が強く反発する中、台湾周辺で中国海軍艦艇が増加していること、中国の軍・海警・海上法執行機関による連動した活動、中国海警船隊の動きと中国軍による海上訓練、さらに科学調査船「向陽紅22」の動向などを取り上げた4本の論考を寄稿した。

そこで筆者は、日比の海洋境界画定交渉を契機に、中国海警が台湾東方での活動を拡大し、中国の国家レベルの軍・海警・公船による連動した常態的巡航や活動につながる可能性があると予測した。実際、その後、中国側は台湾東方で海警船による活動を継続している。

附図:中国の海洋戦略の展開(2026年6月23日作成、陸文浩氏提供、中国語)
付図:中国の海洋戦略の展開。(筆者提供)

最近では、台湾海峡をめぐる情勢について、「海軍を主体とした軍事的グレーゾーン行動から、海警、海巡、科学調査などの法執行・公船勢力を通じた管轄権と管轄海域の拡大へ、徐々に重心が移りつつある」とする研究者の見方も報じられている。

10月1~7日は中国の国慶節(建国記念日)に伴う大型連休「十一」に当たった。筆者は2日付の「中国軍が台湾海峡での合同訓練を前倒し、ニュージーランド艦隊を『わな』に迎え入れるのか」と題した論考の末尾で、2025年10月7日に中国軍が午前9時20分から「聯合戦備警巡(統合戦備警戒パトロール)」を実施した例を踏まえ、今年も台湾の10月10日の双十節(中華民国の国慶日)を前に、天候を見ながら10月の警戒パトロールを行う可能性があると推測した。

実際、台湾国防部によると、6日午後2時54分から中国軍のJ-11、JH-7、Su-30、KJ-500、Y-8電子戦機などの主力・支援機と無人機、延べ14機が台湾海峡周辺に進出し、うち9機が中間線を越えて台湾北部・中部の防空識別圏(ADIZ)に入った。中国艦艇も連動し、台湾国防部は中国側が「聯合戦備警巡」を行ったと発表した。

さらに9日午前8時52分からは、J-16、J-11、Su-30、JH-7、KJ-500、Y-8電子戦機などの主力・支援機や無人機、延べ19機が確認され、うち13機が中間線を越えて台湾北部、中部、南西部の空域に進入した。中国艦艇7隻も台湾周辺で活動しており、10月に入って2回目の「聯合戦備警巡」となった。

台湾国防部が13日に公表した資料では、12日午前6時から13日午前6時までの24時間に、中国軍機5機、中国艦艇6隻、公船4隻が台湾周辺で活動した。中国軍機のうち4機は中間線を越え、台湾中部・南西部の空域に入った。公表された活動図を筆者が見る限り、そのうち1機は中国陸軍のヘリコプターとみられ、平潭島南東側で中間線を越えた可能性がある。 (関連記事: 【寄稿】中国軍の水陸両用戦力は10年でどこまで進んだか 強襲揚陸艦・統合訓練から読み解く能力と限界 | 関連記事をもっと読む )

当時の気象予報では、14~15日に北東季節風が強まり、台湾北部と東部を中心に雨が予想されていたものの、福建沿岸の航空活動への影響は限定的とみられる一方、海上では風浪が強まる見通しだった。

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