英国の最新世論調査で、いかなる状況下でも自国のために「戦場に行きたくない」と回答した市民が半数に上ることが明らかになった。
市場調査会社イプソス(Ipsos)が実施した調査によると、ロシアや中国、イランなどからの対外的な脅威に対する懸念が高まり続けているにもかかわらず、参戦を拒否する英国市民の割合は2025年4月以降変わっていない。市民の参戦意欲が低い一方で、同調査では、英国民が政府による「防衛予算の増額」を強く支持していることも明らかにした。ただしその財源をどこから確保すべきかを巡り、社会の意見は大きく割れている。
英ニュースチャンネル「スカイニュース」が報じたところによると、調査の結果、回答者の51%が英政府による防衛費の増額を支持しており、その割合は2022年6月時点の支持率(28%)のほぼ2倍となった。防衛予算の増額を支持する回答者のうち、37%が「他の政府支出の削減によって賄うべき」と考えており、36%が「個人の税負担増を受け入れる」と答えた。

しかし最も支持を集めた軍事費の調達方法は、高所得者層への増税、いわゆる「富裕税」の導入だ。回答者の46%が支持しており、年収12万5000ポンド(約2600万円)を超える対象者に対する所得税の引き上げを求めている。
この調査結果について、英シンクタンク、王立防衛安全保障研究所(RUSI)のハミッシュ・マンデル特別研究員は、紛争勃発時に英国が国家動員を行えないという意味ではないと分析。現在の英軍のボトルネックは参戦希望者が集まらないことではなく、軍に彼らを訓練し装備を提供する能力があるかどうかだと指摘し、「紛争下において、英国が外国勢力による侵攻を受け始めた場合、自ら進んで戦地へ向かう人々の数は決して少なくないだろう」との認識を示した。

性別および年齢層別に見ると、男性の48%が「特定の状況下であれば参戦する」と回答し、「参戦しない」の40%を上回った。一方で、女性の大部分、特に35歳から54歳の層は、明確に参戦への拒否感を示した。
戦時マニュアル「ウォー・ブック」、数十年ぶり改訂へ
米政府およびトランプ大統領からの要請と圧力を受け、英国および他の北大西洋条約機構(NATO)加盟国は、2035年までに「主要な防衛支出」を国内総生産(GDP)比3.5%に引き上げることで合意した。英国の防衛投資計画によれば、防衛費は2027/28会計年度にGDP比2.7%まで引き上げられる見通しだが、それ以降にいかにしてより高い目標を達成するかについて、政府は具体的な内容を公表していない。
同時に英政府は「ウォー・ブック(War Book)」と呼ばれる戦時防衛マニュアルの改訂に取り組んでいる。これにより数十年ぶりに、中央および地方の全政府機関に参加が求められており、勃発する可能性のある紛争に備え、省庁横断的な対応メカニズムを策定する方針だ。元英軍将校のアル・カーンズ氏はスカイニュースの単独インタビューに対し、今回の大規模な省庁横断の整備作業は年末までに全面完了する見通しだと明らかにした。
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編集:平松靖史 (関連記事: 【独占インタビュー】「北京は何をしても不満を示す」 英国元国防相、台湾防衛は「いくら急いでも急ぎすぎることはない」 | 関連記事をもっと読む )













































