「台湾独立」で中国ユーザーを特定? Claude「おとり捜査」説に裏付けなし、Anthropicの対中規制と「蒸留」対策

2026-10-15 19:44
中国の開発者が最近、AIアシスタント「Claude」に音楽アプリの宣伝コンテンツを生成させたところ、「台湾独立」という4文字が表示されたとネット上で訴えた。(資料写真、AP)
中国の開発者が最近、AIアシスタント「Claude」に音楽アプリの宣伝コンテンツを生成させたところ、「台湾独立」という4文字が表示されたとネット上で訴えた。(資料写真、AP)

中国の開発者が最近、米AI新興企業Anthropic(アンソロピック)のAIアシスタント「Claude(クロード)」に音楽アプリの宣伝コンテンツを作らせたところ、「台湾独立」という4文字が入っていたとネット上で訴えた。削除を求めてアプリの公開も取りやめたところ、翌日、自身のClaudeアカウントが停止されていることに気付いたといい、同社による「釣魚執法(おとり捜査)」ではないかと疑っている。

台湾ではTVBS、自由時報、中華電視(華視)、東森新聞雲(ETtoday)などが10月13日から相次いでこの件を報じた。ただ複数の報道は、「Claudeが意図的に機微な言葉を埋め込んだ」との主張は裏付けられておらず、Anthropicが本人に送った停止通知に記された理由は「サポート対象地域に関するポリシー」だったと伝えている。

経緯:10月10日に文言に気付き、11日にアカウント停止

複数のメディアによると、当事者は10月12日、中国のメッセージアプリ「微信(WeChat)」の公式アカウント「CroWall」に投稿した。10月10日にClaudeであるアプリの宣伝コンテンツを作った際、その中に「台湾独立」の4文字があるのに気付いたという。すぐにアプリの公開を取りやめ、今後生成する内容に政治的に機微な言葉を入れないようClaudeに求めた。

報道によると、翌日に再びログインしたところ、Claudeのアカウントが停止されていた。自由時報は、米国時間では、アカウント停止は本人が要求を出したのと同じ日になると付記している。

当事者によると、このアカウントは2023年3月に登録し、3年7カ月にわたって使ってきたもので、上位プラン「Claude Max」も3カ月近く契約していた。

停止通知の内容:自動システムが「サポート対象地域ポリシー違反の可能性」を検知

報道によると、当事者が公開した公式通知には、Anthropicの自動化システムがこのアカウントについて「サポート対象地域に関するポリシー」に違反している可能性を検知し、チームによる審査を経て利用権限の取り消しを決めたと記されていた。

通知には特定のキーワードへの言及はなく、特定の生成内容にも触れていなかった。

当事者の使い方と推測

報道によると、当事者は使い始めた当初はかなり慎重で、パソコン全体の通信をプロキシ経由にする「グローバルプロキシ」を使ったうえで、システムの言語を英語に切り替え、指示も英語で出していた。

約1カ月使っても停止されなかったため警戒を緩め、プロキシは使い続けたものの、指示は簡体字の中国語で出すようになったという。自由時報は、プロキシ以外に対策を取っていなかったため、Anthropic側が自分を中国からの利用者と判断するのは難しくなかったはずだと、当事者が考えていると伝えた。

こうした経緯を踏まえ、当事者はいくつかの推測を示した。 (関連記事: 中国AI経由で機微情報が米AI企業へ 台湾の防空12拠点、Claudeで攻撃シミュレーション | 関連記事をもっと読む )

・Anthropic側は以前から自分のアカウントを停止しようとしていた可能性があるが、アカウントの登録時期が早く(2023年3月)、自動化タスクも走らせていたため、これまでフィルタリングの網にかからなかったのではないか。

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