三菱地所の中島篤執行役社長は、国土交通省が発表した「令和8年 都道府県地価調査」を受け、地価動向や不動産市場の現状に関するコメントを発表した。
令和8年の都道府県地価調査について、三大都市圏で上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇傾向が継続したとした上で、地域や用途による差はあるものの、全体として上昇基調が続いているとの認識を示した。
また、堅調な住宅需要や企業による設備投資、インバウンド消費の拡大などを背景に不動産需要は引き続き堅調に推移しているとしつつ、物価上昇や金利動向、海外情勢の先行きについては注視していく必要があると言及した。
住宅需要は堅調、マンション価格上昇で購入判断は慎重に
各用途の動向について、住宅分野では底堅い需要が継続していると指摘した。建築コスト高騰や用地取得競争の激化、マンション価格上昇の継続など市場はこれまでと異なる局面を迎え、顧客の購入判断はより慎重になっているものの需要は低下していないと分析。
「ザ・パークハウス 武蔵小杉タワーズ」や「ザ・パークハウス 心斎橋タワー」など、魅力ある立地や商品力を備えた物件への需要は高いとし、金利動向などを丁寧に注視していく姿勢を示した。
オフィス分野では、企業の設備投資や人的資本投資の拡大を背景に、高付加価値型のプライムオフィスに対する需要が旺盛で、賃料上昇サイクルも継続していると述べた。今後予想される金利上昇局面においては企業のコスト意識が高まる一方、成長投資としてプライムオフィスへの選別が一段と進むとの見方を示した。
商業施設・ホテルは好調、訪日客の消費拡大が追い風
商業施設およびホテル分野では、訪日外国人旅行消費額の増加や国内観光需要を背景に堅調な状況が続いていると評価した。ホテルに関しては4月に「キャノピーbyヒルトン沖縄宮古島リゾート」を開業したことに触れ、観光需要の広がりが地域経済へ波及していると認識を示した。
一方で、商業施設全体としては好調を維持しながらも、物価高に伴う消費者の節約志向により選別消費の傾向が続いているとした。
物流施設や工業地分野では、データセンターの開発推進やeコマース市場拡大に伴う大型物流施設の堅調な需要に言及した。ただし、今後の建築コスト高騰や金利上昇による企業の設備投資抑制の可能性を挙げ、動向の注視が必要であると述べた。
金利上昇などの不確実性を見据え、まちづくりを推進
中島社長は最後に、利便性や都市機能の集積、交流機会など付加価値を備えたプライムエリアの評価が高まり、次なる集積や投資を生むサイクルが加速するとの展望を示した。
金利上昇や不安定な国際情勢といった不確実性の高い環境下でも日本経済成長の一助となるべく、ハード整備に加えコミュニティ形成などソフト面の取り組みを通じ、持続的な価値創造とまちづくりに貢献していく方針を示した。
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