東京都江東区の豊洲公園で10月17日、「牛乳でスマイルプロジェクト ミルクフェス in 豊洲 2026」が開催された。会場には関係企業や団体による計30の多彩なブースが並び、大勢の来場者でにぎわった。
主催する一般社団法人Jミルクの事務局次長、林雅典氏は台湾メディア『風傳媒(ストームメディア)』の取材に対し、コロナ禍以降の需要停滞や、ウクライナ情勢などに伴う世界的な食品価格の高騰を背景に、牛乳の消費が落ち込んでいる現状を指摘した。
林氏は、2022年から国や出展企業・団体などと連携して「牛乳でスマイルプロジェクト」を始動させ、牛乳が持つ本来の価値や魅力を消費者に伝える取り組みを続けてきたと、プロジェクト発足の経緯を語った。

Jミルク林雅典氏、牛乳の栄養価を強調 全国1000以上の銘柄から好みの一杯を
秋から冬にかけて飲用牛乳の需要が落ち込む「不需要期」に向けた消費拡大について、林氏は、日本で広く知られているカルシウムだけでなく、近年世界的に注目されているタンパク質など、牛乳が持つ多様な栄養面での価値を強調した。
さらに、日本国内には1000以上の牛乳銘柄があると説明。イベントに並ぶ多彩なブースを通じて牛乳の魅力を発信し、消費者一人ひとりに自分の好みに合った牛乳を見つけてほしいとの期待を示した。

台湾・香港からの訪日客にもアピール 日本各地の牛乳を飲み比べて
海外の読者や訪日外国人旅行者に向けて、林氏は日本の牛乳の品質とおいしさをアピールした。
日本の酪農家は乳牛の健康管理や品質管理を徹底しており、乳業各社も牛乳を新鮮な状態で消費者に届けていると説明。安全でおいしい牛乳を提供できることが、日本の酪農乳業の強みだと強調した。
また、台湾や香港からの旅行者が日本の牛乳を特に好んで飲んでいることにも言及した。
日本の牛乳といえば北海道産が有名だが、東京をはじめ各地にも酪農が根付いていると説明。旅行先によって特色ある牛乳を味わえることから、訪日した際には各地域の銘柄を飲み比べ、日本の牛乳の新たな魅力を発見してほしいと呼びかけた。

よつ葉乳業も出展 牛乳パックのフォトフレーム作りや「みるる」が人気
会場には、北海道の大手乳業メーカー「よつ葉乳業」も出展し、多くの家族連れを集めた。
同社のブースでは、牛乳パックを活用したフォトフレーム作りのワークショップを実施。参加者には、チェキによる写真撮影のほか、スキムミルクやロングライフ(LL)牛乳、公式グッズが提供された。
さらに、ハロウィーン仕様の衣装に身を包んだ公式キャラクター「みるる」も登場。十勝の大自然が育んだ牛乳・乳製品の魅力を、親しみやすい形で来場者に伝えた。
生乳の供給過剰で廃棄リスクも Jミルクが「入口・出口対策」を推進
今回のイベント開催の背景には、生乳需給の構造的な不均衡と、生乳廃棄に対する強い危機感がある。
Jミルクが10月13日に公表した需給改善策「入口・出口対策」によると、脱脂粉乳の需給ギャップ約30万トン(生乳換算)の解消が喫緊の課題となっている。
今夏は異例の気象条件によって乳牛の暑熱ストレスが軽減され、1頭当たりの乳量が予想を上回った。このため、2026年度下半期の生乳生産量は増加する一方、牛乳の消費低迷により、秋冬の乳製品加工向け生乳処理量は過去10年間で最大規模に達する見通しとなっている。

年末年始や春休みなど、学校給食が休止する不需要期には、乳製品工場の人手不足も重なり、生乳の受け入れ量が処理能力を超える懸念が高まっている。
都府県だけでなく北海道でも、最悪の場合、生乳を廃棄せざるを得ない「処理不可能乳」が発生する恐れがある。
新たな対策を講じなければ、2026年度末の脱脂粉乳在庫は10万トンを超えると試算されている。
こうした事態を回避するため、酪農乳業界では、早期乾乳や全乳哺育などによる生産調整を進めるとともに、今回の豊洲ミルクフェスのようなイベントを通じた消費拡大にも取り組んでいる。
生産調整と需要創出を両輪として、生乳需給の安定と国内酪農の生産基盤の維持を急いでいる。
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編集:梅木奈実













































