10月14日夜、台北市の国立台湾大学(台大)で、ヤシ並木が続くメインストリート「椰林大道(Royal Palm Boulevard)」が、まるでアニメの戦場のような光景に一変した。
台湾メディアのNOWnewsによると、大勢のファンが椰林大道に集まり、台湾の公共シェアサイクル「YouBike」や自前の自転車で一斉に走り出した。多くの参加者は声を張り上げ、「進め!」と叫んでいたという。
同大学のキャンパスでこの非公式イベントが行われるのは2年連続。日本の人気漫画・アニメ『進撃の巨人』に登場する調査兵団第13代団長、エルヴィン・スミスへのオマージュで、エルヴィンの誕生日である10月14日に合わせて企画された。
なぜ自転車で「進め」と叫ぶのか
『進撃の巨人』を見たことがない人には、少し説明が必要だろう。
同作は、人類と人を食らう巨大な「巨人」との戦いを描いた物語だ。作中でも特に印象的な場面の一つで、調査兵団第13代団長のエルヴィンは、「獣の巨人」に対し、生還がほぼ望めない騎馬突撃を兵士たちに命じる。
これは、リヴァイ兵長が獣の巨人を攻撃する時間をつくるための作戦だった。死を覚悟して馬を走らせる兵士たちを、エルヴィンは「進め!」「心臓を捧げよ!」と鼓舞する。
台湾のファンの間では、日本語の「進め(susume)」の響きを中国語の漢字で「速速妹(susume)」と表したネットミームが以前から親しまれてきた。
台大のイベントは、このネット上のネタを現実の世界で再現した形だ。馬を自転車に、戦場を大学の大通りに置き換え、参加者たちが一斉に「突撃」する。

今年も「速速妹」 YouBikeで椰林大道を突撃
今年もフェイスブックで、「椰林大道で『速速妹(susume)』と叫んでから自転車で前へ突っ走る」というイベント名で参加が呼びかけられた。
イベントページには、エルヴィンが兵士たちを率いて突撃するアニメの場面が使われ、「兵士よ怒れ」など作中を思わせるせりふとともに、悲壮な突撃シーンを再現する趣旨が紹介されていた。
ファンは10月14日午後8時50分に集合。YouBikeに乗る人もいれば、スマートフォンでその様子を撮影する人もおり、現場は大いに盛り上がった。NOWnewsは、どこかユーモラスな光景だったと伝えている。
SNSのThreadsでは、参加者から「マントを着た人がすごく多い」「調査兵団が出動した」といった投稿が相次いだ。
大勢の参加者がYouBikeを利用していたことから、その夜に普通に自転車を借りたかった人を心配する冗談も飛び交ったほか、「こんなに大勢で一緒に『速速妹(susume)』するとは思わなかった」と驚く声も上がった。 (関連記事: 『進撃の巨人』の「壁」から読み解く戦争の歴史 台湾・金門と馬祖の軍事要塞はなぜ造られたか | 関連記事をもっと読む )
椰林大道は普段から歩行者や自転車の往来が多い。NOWnewsは、大人数で一斉に自転車を走らせる際には、周囲との衝突に注意する必要があるとしている。













































