景気が緩やかな回復基調にある中、東京、大阪、名古屋の3大都市圏や地方圏で上昇基調が続いており、主要都市ではオフィスビルの空室率低下や賃料上昇による収益性の向上、ホテル需要の堅調さが地価上昇を後押ししている。
東急不動産社長「都市部を中心に好調が持続」 金利上昇や物価を注視
東急不動産の田中辰明代表取締役社長はコメントを発表し、今後の不動産市場について「都市部を中心に好調が持続するとみているが、段階的な金利上昇や地政学リスクによる世界経済の不確実性、工事費や物価上昇による国内景気減速の可能性など不安定要素もあり、状況を注視していく必要がある」との見解を示した。
商業地も5年連続上昇 渋谷ではオフィス需要好調、高稼働率を維持
商業地は全国平均で5年連続の上昇を記録し、再開発が進展する都市部では、利便性やにぎわい向上への期待感から高い上昇が続いている。
東急グループの重要拠点であり、駅周辺で大規模再開発を推進してきた渋谷エリアでも、バリアフリー化や回遊性向上に加え、駅周辺の大型オフィスビルを中心にIT・コンテンツ産業の集積が進展。オフィス需要の好調を背景に、賃料水準の上昇と高稼働率を維持している。
「広域渋谷圏」で産業育成・都市観光・都市基盤構築を推進
東急グループでは、渋谷駅を中心とする半径約2.5キロメートルの「広域渋谷圏」において、「産業育成」「都市観光」「都市基盤構築」を柱に施策を展開している。
産業育成面では、マサチューセッツ工科大学(MIT)教授陣との産学連携によるディープテック企業育成拠点「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA」や、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科と連携したスタートアップ・エコシステム研究拠点を整備。
都市観光面では、コンテンツ連携や深夜型エンタテインメントレストランの誘致、「東急ステイ渋谷 恵比寿」の開業によるナイトタイムエコノミーの充実を進め、都市基盤構築では安心・安全なまちづくりを推進している。
住宅地も全国平均で5年連続上昇 都心から郊外まで物件展開
住宅地も全国平均で5年連続の上昇となり、中心部の希少立地や交通利便性に優れた周辺地域を中心に根強い需要がみられる。
東急不動産は環境先進マンションとして、東京都心部で「ブランズタワー大崎」、関西圏で兵庫県西宮市の「ブランズタワー西宮」、札幌で「ブランズ円山裏参道レジデンス」を開発したほか、名古屋圏に再進出し「ブランズ星が丘テラス」を供給した。
さらに、物件価格や住宅ローン金利の上昇を受け、リニア中央新幹線の新駅開発が進む神奈川県相模原市で「ブランズタワー橋本」、東京都江東区で無料サウナ施設を備えた賃貸マンション「コンフォリア・リヴ門前仲町 EAST」など、特徴的な郊外物件も展開している。
地方圏でも地価上昇 再生可能エネルギーやニセコに100億円超投資
地方圏においても地価上昇が広がる中、同社は環境経営を基盤に再生可能エネルギー事業を推進している。
北海道松前町をはじめ全国で発電所を展開し、全保有不動産(共同保有等除く)の再エネ化を完了したほか、北海道石狩市では再エネ100%のデータセンターを開設。国際的リゾートの北海道・ニセコでは、リフト架け替えやレストラン新設など、今年度までの3年間で累計100億円超の投資を実施した。
また、佐賀県鳥栖市など全国で産業拠点整備を起点とした「産業まちづくり」事業を「GREEN CROSS PARK」ブランドで立ち上げるなど、地方活性化に向けた取り組みも積極化している。
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編集:梅木奈実













































