蔡英文氏と頼清徳氏、エネルギー展で際立つ「温度差」 台湾再エネ産業に広がる停滞感

2026-10-20 07:11
「2026台湾国際スマートエネルギーウィーク」が10月14日に開幕した。会場の来場者数は、例年に比べて少ない印象となった。(馮建棨撮影)
「2026台湾国際スマートエネルギーウィーク」が10月14日に開幕した。会場の来場者数は、例年に比べて少ない印象となった。(馮建棨撮影)

「台湾国際スマートエネルギーウィーク(Energy Taiwan)」が10月14日に開幕した。主催者側は出展企業数の増加や国際化の進展を強調している一方、太陽光発電など一部の従来型再生可能エネルギー分野では、展示面積の縮小が続いている。

昨年、太陽光発電の展示エリアは従来より約4分の1縮小し、今年はさらにブースが減った。かつての活況から変化が生じている。

洋上風力発電の展示エリアでも同様の傾向がみられる。今年ブースを構えた開発事業者は4社にとどまった。洋上風力第3フェーズ第3期(3-3期)の事業者選定でも応募したのは2社のみで、業界関係者からは、台湾の再エネ市場に対する海外事業者の投資意欲が低下しているとの声も出ている。

ある事業者は、頼清徳政権が蔡英文前政権の再エネ政策を十分に継承せず、原子力政策を重視しているように映るため、台湾への継続的な投資には不安が残ると話す。

総統のエネルギー展視察、蔡英文氏と頼清徳氏で「温度差」

頼氏は今年、エネルギーウィークの開幕式に出席した。一昨年と昨年は出席していなかった。

今年は開幕式であいさつし、AIの発展に伴う電力需要やエネルギー強靱化、台湾の再生可能エネルギー導入状況などに言及したほか、その後、一部の展示ブースも視察した。

一方、業界関係者からは、蔡氏の在任時と比べ、再エネ事業者との交流が限定的だったとの声が出ている。

また、エネルギー政策を所管する経済部(経済産業省に相当)についても、前経済部長の郭智輝氏から現在の龔明鑫経済部長に至るまで同イベントには出席せず、頼建信次長が代理で出席している。

業界関係者によると、蔡氏は総統在任中、エネルギーウィークに積極的に参加し、会場内を回って事業者と交流することも多かったという。随行スタッフから時間を促されて、ようやく次の視察先へ向かうこともあったとしている。

これに対し、今回の頼氏について、業界関係者は蔡氏とは会場での事業者との接し方に違いがあったと受け止めている。太陽光発電事業者のブース1カ所には立ち寄ったものの、その他のブースでは長時間滞在しなかったという。

14日、台北南港展覧館で開幕。台湾総統・頼清徳氏(中央)が開幕式後に出展エリアを視察し、エネルギーやネットゼロ関連の技術・ソリューションについて説明を受け、出展企業と記念撮影を行った。(中央社)
頼清徳総統(中央)は「台湾国際スマートエネルギーウィーク」の開幕式に出席後、会場を視察し、エネルギーやネットゼロに関連する技術・ソリューションについて説明を受け、出展企業の関係者らと記念撮影した。(中央社)

業界側は、政府がエネルギー転換を進めるのであれば、再生可能エネルギーと原子力をどのように両立させるのかについて、明確な説明が必要だと訴える。

台湾国内では再エネ需要が依然として大きい一方、事業者の経営環境は厳しさを増している。

ある業界関係者は、「政府の支援がないばかりか、事業者の退出を早める結果になっている。本土企業にとっても海外企業にとっても、再エネ産業は今や極めて厳しい状況だ」と話す。

別の業界関係者は、現在の洋上風力産業の苦境について、「最も責任を負うべきなのは郭氏だ」と批判する。

郭氏は半導体サプライチェーンの企業とは積極的に意見交換した一方、再エネ事業者が面会の機会を得るのは極めて難しかったという。

当時、経済部の支援によって早急に解決すべき問題が複数あったものの、必要な対応が進まないまま問題が表面化し、現在、生き残ることができた事業者は限られているとの見方を示している。

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